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2021.04.06

Mercedes-Benz最新メンテナンス2021

 メルセデス・ベンツ整備のプロ集団であるシーバース。高度な技術力と豊富な経験と知識を持つここは、メルセデスのトラブルポイントをいち早く見つけ、最良の対処法を施し、完調な状態へと導いてくれるところである。

豊富な知識と経験で快調維持に繋げる!

 W221型のSクラスを題材に、この年代のメルセデスに関する整備事例をシーバースに教えてもらった。まず多いのがスピードセンサーの異常だ。4輪に備わるこれは速度を計測するセンサーだが、その情報はエンジン&ミッションの制御、トラククションコントロール、タイヤの空気圧など多岐に渡り使用される。そのため異常が生じると正常な走りができなくなってしまう。1つのセンサー異常が出た場合、残りの3つも同時に交換するのがベストだが、費用を抑えるために前後のふたつずつを交換するという手法をとっている。またこのセンサー異常が出るとメーターにチェックランプが点灯するため、これを修理しなければ車検はパスできない。
 次に足回り。メルセデスでは定番の整備ポイントとなっている、アーム類のボールジョイントからの異音。特にW221のロアアームはその装着方法が変わったことで、ボールジョイント内部のグリース切れを起こしやすく異音が生じやすい傾向にある。そのロアアームは社外品を使用すると異音が出やすい傾向にあるとのこと。ロアアーム以外にも、シーバースでは純正部品以外は極力使用しない。信頼性の高いサービスをリーズナブルに提供するための理念でもあるのだ。
 またスタビライザーブッシュも異音が発生しやすいポイント。スタビロッドとブッシュは溶着となっているため、ブッシュが切れて異音が出る場合は、スタビロッドアッシーでの交換となるので覚えておきたい。
 このほかに注意すべきは、燃料、オイル、LLC、エアなどの漏れ。特に燃料タンク上部からの漏れは火災に発展する可能性も高いため、燃料ポンプなどの交換を行う場合には、入念なチェックをしている。探傷剤を使用しての漏れの有無確認に加え、満タンの状態で漏れが無いかなどのダブルチェックを実施。この入念な整備体制こそが、メルセデスの快調維持に繋がっているのだ。

スピードセンサーおよびABSセンサー。これに異常をきたすとエンジンやATの制御なども変わってしまい、不安定な走行状況に陥りやすくなる。
車内にユニットが収まるNOXセンサー。エアコンのドレンホースが外れて水が掛かりトラブルへと発展した事例も起きている。
本来は耐久性の高い排気温度センサーだが、オイル管理不足やエンジン不調のままを放っておくと交換を余儀なくされる場合が多い。

漏れの確認にはケミカルを使ってダブルチェックを実施

オイル、エア、燃料、LLCなどに漏れが無いかどうかを、探傷剤やリークフォーマーを使ってチェック。新品パーツへの交換後もこれを使って漏れの有無を確認するほど丁寧な作業をしてくれる。
エアサスはいかに早くエア漏れを修理することが費用を抑えるポイント。車高が下がっている車輪がないことを常にチェックしておきたい。エア漏れを放置するとコンプレッサーやエアタンクに負担が生じて、交換が必要になってしまうこともある。
アーム類のボールジョイントは負担が掛かりやすい構造かつトラブル事例が多いため、シーバースでは純正以外のパーツは使用しないことにしているとのこと。
オイルフィルターケース周辺、エンジンの後ろ側のカバー、ブローバイケース周辺などはオイル漏れが発生しやすいポイントだ。早めに対処しておくことが大事。
シフトチェンジを電気的に行うATモジュール。異常が発生すると、シフト操作が不可能になり、クルマを動かすことができない状況に陥ることもある。
純正パーツを使うというのがシーバースの整備スタイル。それが最も費用を抑えメルセデスの調子を維持するという観点からだ。アイドラープーリーなどは信頼性の高い後期型用を使うという裏技もある。
冬場に内装を外す場合は、樹脂パーツの破損などを避けるためにヒーターなどで十分に室内を温めてから行なうというから安心できる。
 
取材協力 シーバース
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