1994y Mercedes-Benz E280
83年に登場した190Eと極めて近い構造とスタイリングに生まれ変わったミドルレンジのモデル。Eクラスと呼ばれるようになったのは94年のマイナーチェンジ以降だ。当初はSOHCの直列エンジンのみを搭載していたが、V8を積んだ500Eの登場を皮切りに、93年からは全エンジンをDOHC化、制御方法も大幅に進化している。最大の特長はマルチリンク式のリアサスペンションで、これによって深い乗り心地と確実なハンドリングを身に付けている。
Specifications
●全長:4740mm ●全幅:1740mm ●全高:1445mm ●ホイールベース:2800mm ●エンジン方式:直6DOHC ●総排気量:2799cc ●最高出力:200ps/5500rpm ●最大トルク:28.2kg-m/3750rpm ●トランスミッション:機械式4速AT
左ハンドルのE280
装備はリミテッド同等!
「最善か無か」をスローガンとしたモノ作りに徹していた古き良き時代のメルセデス・ベンツ。その最高傑作といわれ、当時としては斬新なスタイルで1985年にデビューしたW124モデル。
1995年に生産を終了し、どんなに新しくても27年以上が経過しているため現存するW124のコンディションは千差万別。しかし30年近くが経過した今でも、新車のようなコンディションを保ち続けるクルマが数多く存在するから面白い。
取材した94年式のE280は、ミディアムクラスからEクラスへとマイナーチェンジされた最初のモデルで、装備はリミテッドと同等。サンルーフ・ヒーター付本革シート・ウォールナットパネル・CDチェンジャーなどが装備されている。
E280はウエイトやパワーのバランスが良く200psのDOHC6気筒エンジンと4AT・1速発進の組み合わせで、街乗りから高速まで幅広く使いやすく全くストレスを感じない。また当時の左ハンドル車は、右ハンドル車に比べてアクセルやブレーキのダイレクト感がありレスポンスが良い。そのためエンジンブレーキやパワーオフを使ってのエコ運転がしやすいという利点がある。右折や追い越しを除けば、逆に運転は楽だと感じるオーナーもいるくらいだ。
走行距離は6万㎞台で、年式を考えればお宝とも言える掘り出し物である。保管状態や手入れも良く、内外装のコンディションはとても良い状態。本来E280は、ゼブラノウッドが標準であるが、このクルマはリミテッドと同等の装備で、ウッドはウォールナットが装備されている。ひび割れもなくツヤがありとてもきれいだ。機関系や足回りも良好でとても30年近くが経過したクルマとは思えないほどスムーズな走りを披露。納車整備やアフターメンテナンスもすべて、このクルマを販売しているアイディングがしっかりとサポートしてくれるというから安心だ。
「シャシーはエンジンよりも速く」との設計思想で作られたW124は、しっとりとした乗り心地と安全性の高さを乗り手に味わわせてくれる。それは、所有した者でなければ決して味わえない奥深いもの。電子制御化したクルマが巷にあふれる中で、その真逆に位置するW124。その魅力は衰えることをしらない。
最終型でも27年、登場から37年を経過し、W124を取り巻く環境も変わりつつある。パーツ代も以前に比べれば高騰しているものもある。それでも長く乗り続ける人が多いのは、やはりこのクルマでしか、W124でしか味わえない奥深き魅力があるからだ。令和の時代に入り、新たなステージへと向かうW124。肩肘張らずに、じっくりとクルマを向き合うクラシックカーのような存在になっていくのだろう。
個性的なカラーと走りでW124をじっくり堪能できる
常にユーザーの立場でW124ライフをサポートしてくれる老舗のプロショップ
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