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2020.10.21

HUMMER(ハマー)復活! 電気自動車のピックアップトラックとしてGMCブランドから

2022 GMC HUMMER EV

 

日本国内でも2000年代に一大ブームとなったHUMMER(ハマー)の新型モデルがアメリカ本国のGMから発表された。ハマーはリーマンショック後のGM経営破綻の際に廃止されたが、今回、GMのトラックSUV&商用車部門であるGMCブランドの1台として復活することになった。製造開始は2021年後半。

新型ハマーは内燃機関を搭載しない完全電気自動車となった。GMCブランドとしては初の、GMとしては3車種目のフルEVであり、GMが開発したアルティウムバッテリーを搭載するアルティウムドライブアーキテクチャーを採用する。すなわち、GMによる次世代型電気自動車のトップバッターとしてのデビューということである。
 

新型ハマーEVの動力機構は、3つ(または仕様により2つ)の電気モーターを搭載し、2つのドライブユニットにより駆動する「e4WD」システムであり、1000hp、11500lb-ft(1589.9kg-m)、0-60マイル(96km)加速は約3秒(いずれもGM推定値)という性能を持つ。

写真を一見して、これがハマーであることが明確に分かるスタイリングであるのは間違いない。随所に「H」をモチーフにしたパーツが使用されている。一方でGMが言うように、電気自動車としての未来的なイメージも感じられるデザインが施されている。

今回発表されたのはピックアップトラックモデルのみで、クローズドデッキのSUVモデルについては言及されていない。しかしアメリカ国内でもSUVモデルが求められるのは明らかなので、追って発表があるはずだ。また現時点では詳細なスペックも未公表である。

ハマーはジープにも対抗し得るオフロードイメージの高いブランドであり、新型ハマーEVも当然のようにオフロードでの高いパフォーマンスを打ち出している。

そうしたハマーEVのオフロードパフォーマンスのひとつの目玉とされているのが4輪操舵。すなわち前輪だけでなく後輪もハンドル操作によって向きを変えることができるシステムを搭載し、いわゆるカニ走り「クラブウォーク」を可能としたものだ。これは走行モードの切り替えによってon-offが可能で、前輪と後輪が同じ向きに同じ角度で動く。

そうしたオフロードパフォーマンスをサポートするために、前後にアンダーボディカメラが用意され、前後タイヤの周辺の状況を運転席にいながら確認することができる。カメラには取り外し可能なカバーおよびウォッシャー付き。アンダーボディカメラを含め、周囲を確認するためのカメラは最大18個搭載可能となっている。

 

走行関連の装備として、約6インチ(149mm)の車高調整が可能なエアサスペンションを用意。さらに35インチ外径のGoodyear Wrangler Territory MTタイヤが標準装備、オプションとして37インチタイヤも用意され、18インチ(45.7cm)の垂直段差を上ったり、深さ2フィート(約61cm)の川渡も可能とされている。またボディの下回りにはバッテリー回りその他を守る鋼板のガード装着が可能だ。

ダッシュボード上のモニターでは、出力トルク、デフロックの状態、タイヤ空気圧、ピッチング角度、ローリング角度、タイヤのグリップ状態を視覚的に把握できる摩擦円、4輪へのトルク配分など、さまざまな走行情報を確認可能。

HUMMER EV Edition 1

最初に発売されるハマーEVは「エディション1」。発売時期は2021年秋とされている。エディション1については先述の他に以下の特徴がある。

・電源は直流800ボルト、350kW対応の高速充電により、100マイル(約161km)走行に必要な充電が10分で済む。またGM社内テストによると、フル充電では350マイル(563km)以上の走行が可能だという。

・半自動運転「スーパークルーズ」の最新バージョンを搭載(ただし日本国内では今のところこの恩恵を得られない)。

・標準装備となる「インフィニティルーフ」は、取り外し可能な「スカイパネル」をフロントフード下のトランクスペースに収納することができる。

・13.4インチのインフォテイメントモニター、12.3インチのドライバーインフォメーションモニターを装備。

・荷台のテールゲートは、踏み台の展開も可能な6通りの使い方が可能な「マルチプロテールゲート」を採用。

・リアウインドウおよび荷台のトノカバーは電動で開閉可能。

GMC
https://www.gmc.com/electric-truck/hummer-ev(英語)