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2024.08.23

流麗なクーペスタイルを纏った新たなコンパクトSUVがスズキから登場!

2023年1月、インドで開催された「Auto Expo 2023」において、ジムニー5ドアとともに発表されたスズキの新型SUV『フロンクス』。クーペスタイルを特徴としたコンパクトモデルで、写真を見る限り、Bセグメントとは思えぬ存在感をアピールしていた。そんなフロンクスが今秋日本へ上陸を果たす!そのコンセプトを変えることはないが、ただし日本向けとして、質感の向上や4WDモデルの設定など、特別な仕様となる。
 デザインは、スタイリッシュさを作り込んだクーペスタイルが特徴的だ。フロントフェイスはシャープなランプデザイン、大型グリル、さらにはランプ類を収めたブレーキダクトライクなデザインからフェンダーにかけてのスポーティさが印象的だ。
 サイドではドアパネルの張りを強めつつ、リアへとすっと流しながらピタッと止めているデザインを採用。これだけさまざまなテイストを組み合わせながらも、そのボディサイズはなんと全長4mを切っているというからオドロキ!実際目にすると、大胆なデザインと流麗なフォルム、そのコンパクトさが織りなすバランスに目を奪われるほど。
 パッケージングは、シートはフロント、リアともに不足ないサイズを備えているが、むしろその広すぎない感にちょうどいい安堵を覚える。そう、これでいいんじゃない?そう言いたくなるサイズ感がある。
 さて、今回このフロンクスをクローズドコースでプロトタイプに試乗する機会を得た。搭載される1.5ℓエンジンは不足を感じさせないパワーと中回転域のトルク感を備えており、6ATとの組み合わせもあって、実用的であることはもちろん、そこに愉しさがあふれていた。ワインディングでのハンドリングはスポーツカーのような超キビキビではないものの、ステアリングを切った分だけ素直にノーズがインを向いてくれるといったフィーリングによって、ついつい速度を上げたくなる印象が強くなる。
 コーナーにおけるタイヤのグリップ感も明確だ。さらにドライバーを含めた乗員に不安を感じさせるようなロールフィールも見当たらず、これもまた愉しさに繋がる。ブレーキもペダルを踏めば踏むほどに制動力が立ち上がってくるフィーリングがあり、扱いやすさと安心感を提供する。
 さて日本仕様向けに設定された4WDはコーナーにおける安定感を引き上げていただけではなく、ハンドリングにも何かネガティブさを感じさせないところがポイントといえよう。また、乗り心地も重量が増している分、しっとりとした動きを手に入れているなど、個人的には4WDのバランスの良さに惹かれた。
 もうひとつ着目しておきたい点がリアシートにおける静粛性。このフロンクスは、Bセグメントモデルでは優先順位の高くない静粛性にこだわりをみせており、ストレスなく会話を愉しめるレベルに仕立てていた。それはすべてがシーンとした高級車たる静けさではなく、フロントからはエンジンやトランスミッションからのノイズが聞こえてくるものの、ホイールハウジングやリアガラスといったリアセクションからのノイズが整えられている、そんな印象だ。
 それこそ、ひとクラス上のモデルのような印象を受けたほどであった。

4WDモデルの全長は4mを切り、最小回転半径はわずか4.8mというのもポイント。このスタイリングと取り回しに、フロンクスの素性の良さを感じる。
サイドビューはスタイリッシュで流麗なクーペスタイルだが、前後フェンダーをブリスター風のダブルフェンダーとすることで、そこに力強さを与えている。
前後の灯火類はシャープな印象でまとめ、先進的なイメージを演出している。

力強さ・上質さ・洗練さを併せ持つ素材感を表現し、逞しいスタイリングテーマを実現したインテリアデザイン。運転中も見やすいHUD(ヘッドアップディスプレー)が装備されていた。
ブラック×ボルドーに配色されたインテリアはスポーティさと高級感、力強さが表現されている。シートの素材は革とファブリック。広さは必要にして十分だし、後席の静粛性は特筆もの。
エンジンは1.5ℓNAで6ATとの組み合わせ。現時点で公開されているスペックはこれだけだが、実際に試乗してみた印象では、不足を感じないパワーと中回転トルクで実用的かつ楽しいパワーユニットだった。またACCやLKAも装備しており安全性と運転の愉しさを両立している。なお、シフトレバー手前のスイッチ類の有無が唯一の2WDモデルとの違いだと思われる。
リヤシートは分割可倒式で、荷物の量に応じてラゲッジスペースを拡大できる。
写真が2WDモデル。その他はすべて4WDモデル。両車を比較しても外観上の差異はない。