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【JAOS】LEXUS SUVがオフロードを駆けることで伝わる新たな世界

世の中に浸透しているLEXUS(レクサス)ブランドにはどんなイメージがあるだろうか?例えば車中と思えないほど快適な乗り心地や静粛性、包み込まれるような心地良い質感、贅を尽くした豪華絢爛な装備、泥や埃と無縁でホテルやゴルフ場が似合う……といったものだろう。
 だがレクサスもあくまでモビリティであり、遠くまで沢山の荷物を運んでくれる便利な道具であることには変わりない。その中でもLX600とGX550には、ボディオンフレーム技術が惜しみなく投入されており、見た目や装備だけではない〝本物のオフロード性能〟を備えた四駆といえる。
 なお、これまでのレクサスに対するイメージの払拭、さらに五感全てで自然と触れ合い、家族とのかけがえのない豊かな時間を過ごすアウトドアフィールドを今後も守るために、モビリティがどのように共存して行くべきなのかを考えるきっかけとして始まったのが「LEXUS OVER TRAIL PROJECT(レクサス・オーバートレイルプロジェクト)」だ。
 このコンセプトに基づき、レクサスは2023年から様々なイベントを開催(もしくは出展)しているが、そこには今までイメージされていたものと全く異なる世界観のコンセプトカーが展示されている。もちろんこれらはコンセプトだけで終わっておらず、例えば『NX450h+オーバートレイル』や『GX550オーバートレイル+』として結実している。

一方で海外に目を転じると、LX600にはベースパッケージをはじめ、ユーザーの志向に寄り添う全6パッケージが設定されている。このことからも、レクサスは世界規模で人と自然とモビリティの共生を考えていることが分かる。

そんなレクサスが、オーバートレイルプロジェクトの世界観を表現した、ドキュメントムービーを制作した。6月に開催された東京アウトドアショー2024で初披露され、現在はYouTubeで視聴できる動画の栄えある第1弾に抜擢されたのが『TEAM JAOSドライバー・能戸知徳』選手だ。

https://www.youtube.com/watch?v=hpVgGnVgYl8

本誌読者でJAOSを知らない人はいないと思うが、JAOSは約40年に渡り4WD・SUVのカスタマイズパーツを提案している総合パーツメーカー。同社では2015年から製品開発の一環として国内外のオフロードレースに参戦する『TEAM JAOS』としても活動。さらに2022年からはメキシコを舞台に移して、「完走率が僅か50%未満」ゆえに「完走した者は〝全員が勝者〟」とも言われている世界一過酷なオフロードレース『BAJA1000(バハ・セン)』にも参戦中。その名が示す通り約1000マイル(1600㎞)の荒野を、昼夜問わずに走り抜けるキャノンボールレースだ。

さて、今回のドキュメントムービーのトップバッターに選ばれた能戸選手にお話を伺ってみた。「私が選ばれた最大の理由は、レクサスでもオフロードをしっかり走れる!ということを体現しているからではないでしょうか。様々なアウトドアフィールドで活用している人は少なくないとは思いますが、BAJA1000という過酷なレースに参戦している人はいないですからね」と語る。

10人のオーナーがいれば10通りの使い方をするまさに十人十色だが、確かにLX600でレース活動をする人は能戸選手以外には見当たらない。もちろん人によっては「レクサスでオフロードレースに参戦するなんて、もったいない…」と思うかもしれないが、レクサスであっても世界有数の過酷なオフロードレースに参戦できるポテンシャルを備えている。そんなクルマとしての根幹となる部分もTEAM JAOSがLX600を選んだ理由のひとつ。さらに人とクルマ、それぞれのパーソナリティの強さもそこに確かな彩りを加えていそうだ。

今回制作されたムービーには“マイネイチャー”というテーマが込められており、その中で能戸選手は次のように語っていた。「自然との向き合い方やアプローチの方法は人それぞれ。私の場合はたまたま父親の影響でオフロードや自然、アウトドアが好きになりました。どんな些細なことでも、アウトドアで過ごす時間や経験は貴重な人生の糧となるはずです。オフロードの走破性は、クルマの優劣だけで決まるのではなく、ドライバーのスキルも重要です。雨が降ると状況は一変しますし、そこに魅力や奥深さがあります。私も最近は悪天候を楽しめるようになりましたね」と。晴れの日もあれば雨の日もあり、時には凸凹もある。まさにそれは、“ 人生そのもの ”といえるだろう。

TEAM JAOS Driver
能戸 知徳選手

4WDプロショップを営む父親の影響を受け、幼い時からオフロードやアウトドアに慣れ親しんで来た能戸選手。ちなみにオフロードレースのデビューは小学生の時で、今年2024年で実に四半世紀のキャリアだ!タイを中心に開催されるAXCRにも幾度となく参戦し、TEAM JAOS加入(と同時にジャオス入社)してからは日本、アジア、アメリカ、そしてメキシコのBAJA1000など、世界のオフロードレースに参戦。2021年からは“TOYO TIRES「OPEN COUNTRY」ブランドアンバサダー”にも起用され「OPEN COUNTRY」のブランド認知度とイメージ向上を図っている。

「自然」という言葉を聞いて多くの人が連想するのは、広大な美しい景色かもしれない。だが能戸選手にとっては、刻一刻と変わるオフロードレースでの路面状況も、自然のひとつ。タイヤの通る場所が1本ズレるだけで挙動は大きく変わるし、クルマの性能に加えてドライバーにも高いスキルが要求される。レース中はクルマを通して、大地とコンタクトをし続けているのだ。

撮影現場には、実際にBAJA1000に帯同するTEAM JAOSのメカニッククルーも参加。JAOSと群馬トヨタグループから選抜されたメンバーで構成されており、JAOSだけでなく、協力会社も日常的な業務では得られない貴重な経験を積んで、人材がスキルアップすることも活動の目的のひとつ。

撮影現場では整備の様子を再現……ではなく、実戦を想定してしっかりと整備も実施。今後予定しているLX600 “OFFROAD” TEAM JAOS 2024 ver.の国内テストのためのリハーサル的な側面も持ち合わせていた。そのためメカニッククルーの表情は真剣そのもので、BAJA1000に向けてメンバーの意識は高まっていた。

今回Youtubeにアップされたドキュメントムービーは5分少々だが、実際は早朝から日没まで丸々1日を費やして撮影。スタッフの数も非常に多く、映画やTV CMの撮影現場に匹敵するほど大掛かりだった。大型のディレクターモニターをオフロードコースに持ち込み、即座に仕上がりをチェックすることで、様々なシーンを手際よく撮影した。カットされたシーンも多く、個人的には10分超の〝ディレクターズカット〟ロングバージョンも見てみたいと思わされた。