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【TOYO TIRES】オープンカントリースペシャルインタビュー2024

TOYO TIRES(トーヨータイヤ)の4WD・SUVタイヤブランド『OPEN COUNTRY(オープンカントリー)』が、今年誕生41周年となる。単に歴史が長いだけでなく、今この瞬間もユーザーから支持され、そして愛され続けているタイヤブランドだ。ここでは40周年イヤーの総括と来たる2024年の動向について、2人のキーマンに伺ってみた。

技術開発本部OEタイヤ開発部 部長 坂田 利文氏
商品企画本部グローバルマーケティング部長 吉川 誠氏

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―― トーヨータイヤの中でオープンカントリーはどのようなブランドに位置付けられているのでしょうか?そこから教えてください。
吉川(以下、吉): オープンカントリーは当社の商品の中でも、一番歴史があるタイヤブランドとなります。ご存知の通り、2023年は40周年の記念すべき年でした。オープンカントリーは長い歴史の中で、特にアメリカ/北米の4WD・SUVやピックアップトラックでその地位を築いてきたブランドで、さらにBAJA(バハ)1000などの本格的なオフロードレースに参戦し、技術と性能を磨いてきました。こうした活動や長きに渡る信頼性などから、トーヨータイヤを支える最重要ブランドに位置付けられています。
―― 日本国内では2019年から再導入を開始していますが、日本のユーザーからはどう受け取られているのでしょうか?
吉: 日本は北米ほど本格的なオフロード文化が根付いていないので、オフロードだけでなくて、アウトドアやキャンプなどを含むライフスタイルに合ったタイヤを必ず見つけることができるところなどに、オープンカントリーの魅力を感じているのではないでしょうか。例えばオールテレーンタイヤは、本格オールテレーンタイヤの『A/TⅢ(エーティースリー)』のほか、純正サイズのマイルドなオールテレーンタイヤの『A/T EX(エーティーイーエックス)』と2種類を用意していますし、さらにオンロードとウェット路面がメインの都市型タイヤ『U/T(ユーティー)』に加え、数々のオフロードレースで実績を誇るオフロードタイヤ『M/T(エムティー)』&『M/T-R(エムティーアール)』など、ブランドの代名詞にもなった『R/T(アールティ―)』や復刻タイヤの『785(ナナハチゴ)』など、全部で7種類のラインナップがあります。
―― オープンカントリーのブランドのコンセプトとは?また欠かせないものや、変えてはいけないものはありますか?
吉: 「大地を切り拓く」をコンセプトとしていますので、やはり道なき道を走れるタイヤを提供することが重要です。性能があった上でのデザインといいますか、デザインが先にくるわけではなくて、性能をカタチにした〝機能美〟がオープンカントリーのタイヤであるということを認識してもらいたいですね。
 あとは車両やカスタムの違いもありますから、例えば北米であれば北米、日本であれば日本のニーズに合わせた商品やサイズをラインナップをしています。さらに先駆者になって市場にリリースしていくことも大事で、当社でいえばオープンカントリーR/T(ラギッドテレーン)のように、他社を先導していくようなタイヤづくりも課題です。

―― 開発・設計の視点でオープンカントリーはどう映りますか?
坂田(以下、坂): 設計の面から言えば、まず第1に挙げられるのは信頼性です。特に我々はダカールラリーに向けたオープンカントリーM/T-Rの開発をしておりますので、理想はどこでも走れる、さらにできればパンクによる〝タイヤチェンジ〟なしで全区間を走破したい。やはり耐久性は上げていきたいんですね。
―― 今、話に出ましたが、読者も気になっているTLCのダカールラリー2024仕様の装着タイヤ『オープンカントリーM/T-R』について教えてください。2023年仕様は市販化されたことも相当驚きでした。
坂: ダカールラリーは、技術研鑽やブランディング強化のための中長期的に重要な活動の場です。過酷で挑戦的なレースなので、そこでクラス優勝を狙っていくには、同じタイヤを提供していてはなかなか難しい。
―― つまり、ブラッシュアップされていると?
坂: そうですね、前回のダカールラリー2023の課題をしっかり踏まえた上で新たに積み重ねることで、技術研鑽になります。さらに優勝することでブランディング強化にも繋がるので、挑戦的な活動は継続していかなければ意味はない、という認識でおります。
―― 具体的にはどこが変わっているのでしょうか?

坂: ダカール2023で目標としていた砂や砂漠の走破性は一定の狙った効果を得ることができました。一方課題になったのが、サウジアラビ地域の岩場に対するアプローチです。ダカール2023もそうですが、非常に岩場が多かったため、サイドの耐カット性能や耐久性を重点的に上げる改善を行ないました。TLC側の意見というよりは『トーヨータイヤとしてこうするべきだ!』と、TLCとは協議しながら改善しました。
―― そうした性能と両立しているタイヤのサステナブル素材の導入についても、教えてください。
吉: 当社としてはカーボンニュートラルへの取り組みがあり、タイヤのサステナビリティ素材をより比率を高めていこうという方針があります。その中でダカールラリーのレース活動に対してのサステナビリティは、耐久性やタイヤの実力を測るのにいい機会だと捉えています。もちろん材質をしっかり見ながら、これで問題ないと見極めた上で評価しています。
―― 実際にサステナブル素材の使用比率はどれくらいでしょうか?
坂: タイヤの重量全体のうち50%にサステナブル素材を使用しています。
―― 2023年はオープンカントリーの40周年イヤーということもあって、新たなタイヤのリリースやサイズ拡充が目覚ましい年でもありました。その中でもトピックとなったタイヤについて教えてください。
吉: まずはA/TⅢのホワイトレター仕様のリリースでしょうか。A/TⅢ自体は2022年の夏発売でしたが、当初は純正サイズの履き替えをイメージしていたのでブラックレターだったんです。けれどリリース直後からユーザーからホワイトレターへの強い要望がありまして。それで早々にホワイトレター仕様をリリースしました。
―― 日本では普段はオンロードを走られていて、キャンプ場へ行ってたまにオフロードを走る方が多いので、見た目はアグレッシブだけど、オンロードもしっかり快適に走れて静かだというところがニーズなんですね。
吉: 次に785は復刻タイヤでもありまして、当初からジムニーを中心にクラシックなカスタムで人気を集めました。2023年はサイズを拡充しましたが、やはりクラシックなカスタムをするランクルなどにも受け入れられているようです。
―― 市販品といえば、日本未導入のサイズですが、TEAM JAOSがR/Tを装着したLX600でBAJA1000にも挑みましたね。
吉: 前回2022年大会で装着したR/Tのサイズは35インチでしたが、今回は37インチにサイズアップして、競技区間の全行程を無事走り切れました。結果としては残念ながらタイムリミットの50時間にわずかに届かずのフィニッシュでしたが、アメリカで実際に販売されている市販タイヤの実力を示せたかと思います。しかもバハ・カリフォルニアの大地1300マイル(約2100㎞)をノントラブルでしっかりと走破していますから。
―― TEAM JAOS能戸選手によれば『摩耗も目立った外傷もなく、まだまだ走行可能です!』とも話をされてましたね。
吉: そうですね。ダカールやバハといった海外のオフロードレースに加え、国内のラリー活動も強化します。特にラリー北海道・XCRスプリントカップでしょうか。2023年は哀川 翔さんが率いるFLEX SHOW AIKAWA RACING with TOYO TIRESが、当社でサポートする川畑真人選手(D1チャンピオンでもお馴染み)をドライバーに据えて、クラス優勝を果たしました。2024年も同チームを中心に、ラリー北海道に参戦するチームのサポートを継続・拡大します。タイヤの性能を生で見て理解できるという意味で国内ラリーはやはり一番の訴求ポイントになるでしょうから、しっかりと盛り上げたいですね。
―― ほかの予定はありますか?
吉: 雑誌やSNSを通じて、オープンカントリーが再び国内で広まり、認知度も高まってきているのはありがたいところです。お陰様で特にホワイトレタータイヤが好評を博していますが、見た目がファッショナブルなのでカスタムマインドの高いユーザーを中心に広まってきた感はあります。2024年は見た目だけじゃなく〝キチッと性能がある上でのファッショナブルなタイヤ〟であることを理解してもらえるように取り組みます。性能を体感して欲しいとの想いから『#オプカンタイカン』と称して、実際にタイヤの性能を体感できる試走会も開催します。ご期待ください。
―― オープンカントリーの機能美を〝タイカン〟するといえば、2023年には『#オプカン女子会』もありましたよね?
吉: 実は初回はプレ開催の位置付けにあったので、2024年はオフロード体感も含め、一般ユーザーが参加できるイベントを本格的に企画します。
―― では最後に東京オートサロン2024のブース出展の内容と、ユーザーの皆さんにメッセージをお願いします。
吉:「Aggressive! Sustainable with TOYO TIRES」をコンセプトに、先述のレース活動を行なうチームのステージプログラムを予定しています。またダカールラリー2024の新カテゴリー“Misson 1000”に水素燃料エンジン車「HySE‐X1」で参加する参加技術研究組合水素小型モビリティ・エンジン研究組合のサポートを行ない、ATVなどのサイド×サイド車両用に設計されたオープンカントリーS×Sを装着するのですが、このHySE‐X1のモックアップモデルのほか“トーヨーブルー”にR/Tを装着した新型未発表車両やA/TⅢを履かせてアウトドアカスタムを施したスバルSUVの展示も、東京オートサロン2024の当社ブースで行ないます。
 これがすべてではありませんが、国内でのブランドを一層認知していただき、性能も含めた意味で『4WD・SUV用タイヤの世界ではトーヨータイヤがナンバー1だ』と言われるように、オープンカントリーのブランドを高めていきます!

TLCのランクル300 GR SPORT/ダカールラリー2024仕様が装着するタイヤは、OPEN COUNTRY M/T-R(サイズはLT285/70R17)。2024仕様のM/T-Rは、タイヤのケース構造の改良と浅溝化を行ない、剛性アップによる耐パンク性向上と軽量化による加速性能向上を実現。特に岩場や砂漠などの荒れた路面における走破性能を追求。また重量全体のうち50%にサステナブル素材を使用している。
2023年9月に愛知県のオフロードコース・さなげアドベンチャーフィールドで開催されたイベント『#オプカン女子会』は、オープンカントリーを愛車に装着したアグレッシブな女性ユーザーが集まり、SNSでも話題を呼んだ。こうした#オプカン女子会のほか、オープンカントリーの世界と性能が楽しめる体感イベントの開催を2024年は予定。ユーザーはもちろん、履き替え検討中のファンも要注目!

「#オプカンタイカン」というキーワードの通り「オープンカントリーの性能を改めて体感してみてください!

今回のスペシャルインタビューは、日々新しいタイヤの開発にまい進する技術開発本部 OEタイヤ開発部 部長の坂田 利文さん(写真左)と、オープンカントリーブランドをさまざまな観点から訴求する商品企画本部 グローバルマーケティング部長の吉川 誠さん(写真右)の2人に実施。2023年のオープンカントリー40周年を経て、その認知度は日本国内でも相当高まっているが、次はファッショナブルなドレスアップタイヤという認識に加えて、そこに秘められた性能も見てもらいたいと語る。2024年のテーマである「#オプカンタイカン」はそれをダイレクトに表現したものだ。
新生オープンカントリーを代表するモデル『R/T』。オン&オフロード性能とアグレッシブなルックスを両立した新カテゴリー「ラギットテレーン」とホワイトレターで大ヒット!人気の高まりとともにサイズバリエーションも増加。

TOKYO AUTO SALON 2024出展ブースで今年のTOYO TIRESがよく分かる!ブースと連動するスペシャルサイトも公開中!!!

数々のトピックを用意するTOYO TIRESだが、直近の大きな動きのひとつが『東京オートサロン 2024』への大規模ブース出展だ。 「Aggressive! Sustainable with TOYO TIRES」をコンセプトに、オープンカントリーシリーズのタイヤなどを装着したオリジナルのカスタム車両や性能とデザイン性を兼ね備えた幅広いラインアップの展示を通じて、大地でアクティブに遊ぶ楽しさや果敢に挑戦する姿勢を表現するという。
 また、持続可能なモビリティ社会の実現に向けた環境負荷軽減への取組みとして、サステナブル素材比率を極限まで高めたコンセプトタイヤの参考出品も予定。

LX600 “OFFROAD” TEAM JAOS 2023ver.

LANDCRUISER 150 PRADO FLEX Racing SPEC.

会期中はグローバルブランドアンバサダーのMichael Whiddet(マイケル・ウィデット、愛称:マッド・マイク)選手やPROXESブランドアンバサダーの木下隆之選手、D1グランプリ2023年シリーズチャンピオンの藤野秀之選手など、TOYO TIRESがサポートする選手によるトークショーを実施する。
 さらにパートナー企業である「TEAM JAOS」(株式会社ジャオス)所属の能戸知徳選手による「SCORE BAJA 1000」挑戦秘話や、哀川翔総監督が語る激走!ラリー北海道2023の軌跡、#オプカン女子の愛車カスタム自慢!トークセッションなどなど、見るだけでなく実際にオープンカントリーを使用している識者のリアルボイスを体感できる特別な企画を用意。
 TOKYO AUTO SALON 2024のTOYO TIRESブースと連動するスペシャルサイトも開設中。オプカンファンなら満足すること間違いなしだ!

カワサキ、スズキ、ホンダ、ヤマハ、トヨタが参加する水素小型モビリティ・エンジン研究組合(HySE : Hydrogen Small mobility & Engine technology)が製作した水素燃料エンジン実験車「HySE-X1」。このマシンでダカールラリー2024に参加。タイヤはオープンカントリーSxSが装着される。
  • TOYO TIRE株式会社
  • お客様相談室: 0800-3001456(フリーコール)
  • 平日(月~金)9:00~17:00 ※祝日・指定休日を除く
  • www.toyotires.jp