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【STAGE FOUR】SCの装着により走りに磨きをかけたグラディエーター

 クルマの運動性能をアップさせる方法には色々な手段があるが、軽量化も効果的な手段の1つと言える。だがジープをカスタムする場合、ヘビーデューティな金属バンパーといったプロテクションパーツの装着や、ノーマルよりも大きいタイヤに変更する事で、車両重量はどうしても増加する事が多い。
 となると、最も手っ取り早いのはアメリカ人的発想かもしれないが、エンジンの出力をアップさせる事だろう。アメリカで販売中のルビコン392のV86.4ℓエンジンを搭載する方法もあるが、流石にいくら予算があっても足りないかもしれない。そこでステージ・フォーがとった方法は、スーパーチャージャーの追加だった。
 過給機の追加と聞くとかなりハードなチューニングのように思うかもしれないが、実はステージ・フォーでは一般的なカスタムの1つ。古い話で恐縮だが、20世紀の終わり頃にはXJチェロキーに搭載した実績もあり、スーパーチャージャーとジープの相性の良さについて深い知見をステージ・フォーは持っている。
 ちなみにこのグラディエーターは、サスペンションで3インチリフトアップを実施し、37インチタイヤを装着。リヤサスペンションはAアーム化されており、しなやかな乗り心地を実限するが、スウェイバーを生かしており安定感も抜群。エクステリアは比較的シンプルで、ドレスアップよりもジープとしての機動力やストレスのない走りに重点を置いたカスタムと言えるだろう。

暴力的な加速ではなくスムーズな速さを実現

 ターボチャージャーと違い、アイドリングの時からその効果を得られるのがスーパーチャージャーの特徴で、主に中低速域を得意とするのが特徴。最近ではターボのように高速域までカバーする物もなくはないが、ジープの場合はいかにスムーズに転がり出すかがポイント。ノーマルのV63.6ℓエンジンでも不満はないが、グラディエーターの場合はボディの大きさもあって、少々物足りない…。
 だが、スーパーチャージャーを搭載したこのデモカーは、至って普通の走り出し。前さえ見てればラングラー・アンリミテッドか、むしろショートに乗っているような軽快さで、ボディの大きさを忘れてしまうほど滑らかな走りを実現。言い尽くされた表現かもしれないが、まさに排気量がアップしたような印象で、ゆとりのある走りを実感できると言えるだろう。

標準装備されるハイラインフェンダーに、オーストラリア製のFRPフェンダーを追加。非常にしっかりした造りだが柔軟性もあるのでオススメとの事。
MOPAR製のスチールバンパーにWARNのZEON10ウインチをセット。同じくWARNグリルガードチューブもセットし、そこにKCハイライトのフラッシュランプを装着する。
ナンバープレートを跳ね上げると、ハウズフェアリードが顔を覗かせる。ウインチは無骨さを強調できるが、極力シンプルに見せるならこのスタイルがベスト。
ボンネットはMopar Mojaveフードコンバージョンキットに変更。実はダクトはダミーで、冷却性能をUPさせる効果はないとのこと。だが、他とは違う、個性的なスタイルに演出可能だ。
センターグリルの奥には。スーパーチャージャー用のインタークーラーを装着。あたかも純正のように美しくインストールされているので、羊の皮を被った狼だ。
西陽が差し込む時に効果を発揮する運転席横のスモークバイザー。大きなサングラスの様な物で、使わない時は頭上に跳ね上げる事ができる。
サイドステップとロックスライダーが一体になった、ロックスライドエンジニアリング の製品。リフトアップした場合のマストアイテムと言えるだろう。
マフラーはボーラのサイド出しに交換。リヤバンパーのサイドから斜めに出るタイプで、ノーマルよりもやや野太いサウンドを奏でるが、やや若い人向けかも。
フロントシートの頭上は、ベストップのサンライダーに交換。2箇所のロックを外すだけで、ルーフを跳ね上げる事が可能。オープンエアを手軽に感じられる。
フロントフェンダーのダクト部分に綺麗に収まるサイドウインカー。ウインカーとしてだけでなく、夜間の足元を照らすランプとしても活用可能だ。
37インチのトレイルグラップラーに、FUEL OFFROADのD716を組み合わせる。ビードロック風のエムエンドや、蜘蛛の巣のようなディスク部が立体感を感じさせる。

STAGE FOUR column 1

スーパーチャージャーはマグナソン製で、コンプレッサーやインタークーラ&インテーク、更にはコンピュータまで完全にパッケージ化されている。コンピュータ本体が書き換えできるようにアメリカまで発送する必要があり、デモカーの場合は3週間程を要したので、時間にゆとりを見るべきだ。

STAGE FOUR column 2

リヤホーシングは通常左右のリンクで支持されるが、これを1点で保持する構造に変更。またアームも長くする事で、スムーズな動きに加え、ストローク量もアップ。またリヤのスウェイバーはホーシングの上に移設する事で、非常にすっきりとした姿となり、不整地での引っかかりを軽減させている。