ドライブや旅・オートバイのツーリングはもちろんアウトドアやオフロードビークルの愛好家たちが日本中から足を運ぶ、日本における「ラストフロンティア」とも言うべき大地、北海道。その地でオフローディング&アウトドア全般に生涯を捧げてきた人物がいる。札幌のオフロードプロショップ「モーターレーベル」の社長・藤原氏だ。
車輌の販売や製作・カスタマイズやモディファイに長け、自身も長年にわたり一台の70系ランドクルーザーに乗り続けてきた氏は、オフロードの楽しさや楽しみ方を広めるべくイベント開催や次世代の育成にも尽力してきた人物。その姿勢は何事に対しても常に全力投球で、周囲からみていて非常に気持ちのいいものだったという。
そんな藤原氏が長年にわたり所有し続けていたこのランクルは、オフロードにおける走破性を極限まで追求したうえで、アウトドア全般を楽しむためのアウトランダーとしても使い倒せるような機能を盛り込んでいったというヒストリーをもつ秀逸な個体。詳細なディテールは次のページから解説させて頂くが、その”これぞオフロードビークルの鏡”といっても過言や虚飾ではない完成度は、数々のオフロード系専門誌に何度となくフィーチャーされてきた実績が物語ってくれている。
藤原氏がこのランクルのステアリングを握ることはもうないが、そのオフロードスピリッツは立派に伝承されている。決して「志半ば」ということではなく「やり遂げた」という表現で送り出させていただきたく思う。氏の遺志は後を守るスタッフたちにより、間違いなく伝承されていくはずだ。
LAND CRUISER 73
藤原氏が所有してきた二十余年にも及ぶ歳月のなか、幾度もの仕様変更を施されてきた愛機。最終的に落ち着いたのは、熟成してきた走破性はそのままに、キャンプやアドヴェンチャーも楽しめる総合的なアウトランダーという方向性だ。
道なき道をゆくためのボディプロテクション、ストレージシステムやラダー、スペアタンクといった装備は、まさに氏が自らの経験に基づいて追求し行き着いたアイテムたちの集大成であるはずだ。
北の大地を走破してきた実績ゆえの作り
長く所有しているから、といって維持しているだけでなく、新しいパーツを採り入れアップデートも続けてきたことが分かるパーツチョイスも素晴らしい足回り。ショックはFOXでフロントには2本を投入する。また、よりパワーを求めて後年のモデル用エンジンに換装。長く乗り続けるための配慮ともいえる。
ショップを継承するスタッフが駆る愛車
こちらはボディ外部に装着するアイテムを極力減らしシンプルかつ軽量に仕立てられている山中さんのHZJ73V。「走り」を積極的に追求するモディファイを重視している印象である。
ワンオフのフロントバンパーを装備する以外はプロテクションも最低限に抑え、サスペンションはオールドマンエミュー製。特徴的なところはフェンダーのアーチをカットしてタイヤとのクリアランスを確保。潔さを感じさせてくれる硬派なオフロードマシンだ。
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