一昔前までは4インチ以上のリフトアップが主流とされてきたオフロードカスタムシーンだが、ここ最近は2〜3インチ程度のリフトアップで17インチホイールに35、37、40インチといった一回りも二回りも大きなタイヤを履かせることがトレンド。なかでもフェンダーとの絶妙なクリアランスで履かせる40インチを目の前にすると凄まじいインパクトで車格も別次元だ。そんなカスタムのお手本となるのが今回紹介するルビコンとスポーツだ。
どちらも2インチのリフト量で37インチをスマートに履きこなしてストリートからオフロードまでを難なくこなす優等生だが、特筆すべきはその足さばきだ。オフロードカスタムの聖地である北米シーンを、その眼で、そして肌で体感してきた山口氏がチョイスするのはリザーブタンク付きのKINGショック、そしてルビコンに採用するのがモパー製。ジープ純正品質のモパーはさておき、KINGのショックアブソーバーに組み合わせるのが、新たに開発したオリジナルの2インチアップコイルサスペンションとなる。このコイルの恩恵を受けて、37インチ履きで生じる足もとのバタツキや、ストリートにおける乗り心地の悪化を解消。オフロードにおける走破性の向上も言わずもがなである。
結論から言うと、35インチも、37インチも、40インチも、フェンダー内にタイヤが収まる様に高さを稼ぎ、ヒットする部分をカットすれば何とでもなる。しかしそれと同時に本来の走破性や乗り心地をスポイルしてしまっては本末転倒。北米を意識したスタイリングだけじゃなく、普段使いやアウトドア、オフロードなど多様化するユーザーの仕様用途を汲み取り、どんなシーンでもこなせる足さばきこそもっとも重要視したいところ。眺めてウットリするのではなく、乗って快感を覚える様なジープカスタムこそ、本物の証だ。
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