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「エクリプスクロス」走りを根本から変えるシステムを採用してその走行性能に見合う革新の姿へ変貌!

さて、今回のエクリプスクロスPHEVプロトタイプの試乗会はショートサーキットで行なわれた。始動させてまず感じたのは「軽さ」だった。それは、PHEVユニット搭載によって大幅に増えたという車両重量をまったくと言っていいほどに感じさせないものだ。
さらにタイトなコーナーでは、三菱が目指している〝意のまま〟を感じさせてくれるシャープなハンドリングを生み出して、時にRの大きなコーナーではゆったりとすら感じられるハンドリングでもあり、懐の深さがある…。そんな不可思議なライトウェイト感覚があった。エクリプスクロスらしい素直なハンドリングは、単にクイックではなく、意のままなるハンドリングをさらに極めたもの。つまり、誰もが愉しめるテイストをつくり上げているということだ。

一方、システムの搭載やクラスで兄貴分にあたるアウトランダーPHEVのハンドリングはスポーティであり愉しさに溢れているが、比較試乗して感じたのは〝モデルによる表現や味つけの差〟だ。つまり、世代の差ではなかったことを付け加えておきたい。実は、個人的にエクリプスクロスについては、ハンドリングを優先したがゆえに、リアシートにおける乗り心地には硬さがあり、不足を感じていた。このPHEVモデルはショックアブソーバーの径を大きくすることで、懐の深さを手に入れていることも含め、ひょっとしてそれがかなり改善されているのでは?と感じた。そこで限られた試乗時間の中で、あえてリアシートに座ってみた。

もちろん、サーキットゆえのフラット路面ということもあるのだが、上りながらのタイトコーナーなどのシーンでは、リアサスペンションのしなやかな動きを強く感じた。スポーティな走りを実現するため、PHEVユニットだけに頼ることなく、サスペンションの変更も実施。リアサスペンションにおいてショックアブソーバーの径を30→32φへとアップした。乗り心地の面ではもちろん、ハンドリングに質感をプラスしている。これならば公道でもかなりの快適性を手に入れているだろうこともしかりと推測できたのだ。

◆進化したS-AWC

意のままの操縦性と卓越した安定性をハイバランスさせるコンセプト「S-AWC」をエクリプスクロスPHEV流に仕立ててアレンジした車両運動統合制御システム。走行モードはガソリンモデルが「ノーマル」「スノー」「グラベル」のみなのに対して、PHEVでは、「ターマック(ドライ路面)」をそこに追加設定。ツインモーター4WDによって旋回制御を引き上げて、アクセル操作による機敏さを高めることで、エクリプスクロスならではのスポーティな走りを期待できるシステムだ。

前後駆動力(トルク)配分システム

  • ツインモーター(4WD)

左右駆動力(トルク)配分システム

  • ブレーキ制御AYC

4輪制御ブレーキシステム

  • ABS&ASC(4輪ブレーキ制御)

ドライブモード

  • NORMAL/SNOW/GRAVEL/TARMAC
アウトランダーPHEVで搭載されるPHEVユニットは当初2.0ℓガソリンエンジンだったが、2018年の改良時に2.4ℓへと排気量をアップ。PHEVにふさわしいパワーユニットとして、より効率に優れたアトキンソンサイクルを採用している。
PHEVは、大容量バッテリーを活用したフィールドにおけるアクティビティやSUVゆえのユーティリティ性能にもアドバンテージのあるモデルだ。そのバッテリーからの電力最大出力は1500W。ラゲッジルームにバッテリーの電力を取り出せる、100V AC電源を設置しているため、もちろんそのままで自宅にいるのと同じ感覚のまま、ドライヤーから電子レンジ、コーヒーメーカーといった電化製品をフィールドで使うことができる。なお、V2H機器接続すれば、家で使う最大約10日分の電力量を供給することも可能だ。こうしたポテンシャルは、PHEVのアドバンテージである。
雨という難しい路面ですら素晴らしくコントロールしやすい。高い操縦性と、それを大きく上回る安定性を誇っているような印象があった。S-AWCコンセプトは、やはりPHEVのツインモーター4WDシステムでこそ、その理想をさらに極められる印象がある。
ゆったりとしたSUVらしいシートサイズはフロント、リアとも従来のまま。ただし、リアシートにおける乗り心地は劇的に改善された。
スエード調と合成皮革によるコンビシート(ブラック)と、本革シートにライトグレーを新設定したが、インパネのデザインには変更はない。ダイレクトタッチ操作を採用したSDAは、画面サイズ(8インチ)、レイアウトを大幅に変更。

今回のエクリプスクロスPHEVは、ハンドリングといった走りばかりにトピックが多くそこばかりが注目されてしまうのだが、実はSUVとしての快適性や実用性といった面でもすこぶるブラッシュアップされている。まだ詳細はアナウンスされていないが、PHEVモデルで約385万円~約450万円、ガソリンモデルで約255万円~約335万円といった価格(共に税込)だけで判断すると、割高感を覚えるかもしれないが、その内容を考慮してみると実はリーズナブル感があるのだ。エクリプスクロスの訴求色であった特別色レッドダイヤモンドに加えて、ダイヤモンドカラー第2弾としてホワイトダイヤモンドを追加。

  • MITSUBISHI
  • エクリプス クロス スペシャルサイト

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