TOP > 記事 > 【YOKOHAMA】ジオランダー30周年フラッグシップの実力をトライトンで再検証する「GEOLANDAR M/T G003」

【YOKOHAMA】ジオランダー30周年フラッグシップの実力をトライトンで再検証する「GEOLANDAR M/T G003」

◆GEOLANDAR M/T G003

1996年に4WD・SUV専用タイヤとしてブランドデビューして以来、デザートレースやクロスカントリーラリーでの活躍とともに、ハードなクロカンユーザーから都会派ユーザー、さらには軽トラック&バンユーザーからも熱い支持を集め続けているのがヨコハマ「ジオランダー」シリーズだ。

現在は本格マッドタイヤ「M/T G003」や、オールラウンダーの「A/T4」、さらにはエクストリームな「X‐MT」「X‐AT」、またオンロード指向のタイヤなどなど、充実したラインナップを展開。これまでの歴史の中で、ユーザー層の変化、多様化にしっかり対応してきたのも、トップブランドに君臨している理由だろう。
そんなわけで今回、誕生から30年を迎えた「ジオランダー」の実力を、あらためて検証してみることにした。取り上げたのは、ジオランダーシリーズの本格マッドテレーンタイヤ「ジオランダーM/T G003」だ。ジオランダーのマッドテレーンは、1996年のデビュー以来、その代を重ねているが、現行の「G003」は2017年に登場した3代目モデル。オフロードでのトラクション性能、タフネスなタイヤ構造だけでなく、普段乗りや高速道路での走行性など、オンロードでの快適性をも兼ね備え、本格オフローダーからドレスアップ派まで人気を集めているタイヤだ。
そして組み合わせた車両は、もちろん我らが愛する三菱トライトン。実はトライトンとジオランダーM/T G003の親和性はとても高く、たとえば2022年、『チーム三菱ラリーアート』が久しぶりにクロスカントリーラリー(アジアンラリー)にチャレンジした際には、出場マシンであるトライトンに装着して、いきなり総合優勝を果たしている。もちろんその後も三菱チームは2023、2024年とアジアンラリーに出場してG003を選択、好成績を修めているのだ。
オンロードでは快適なクルージングを提供、オフロードではタフなスペックで、力強いパフォーマンスを見せてくれる……つまり、こんな基本性能を備えたトライトンは、G003の実力を試すにはうってつけの存在。さて、さっそくフィールドに乗り出そう!

いかなる道にも対応する機能性をプラスしたG003

①マッド&ストーン エジェクター

 ロック走行時など、溝底へのダメージを緩和するためのエジェクターを採用。同時にマッドなどの走行では泥詰まりを防止するための排土性能も高め、安定したトラクション性能の確保を実現する。

②シーケンシャルサイプ

 踏み固められた硬い土やウェット路面で優れたエッジ効果を発揮する。オンロード、オフロードとも重要な役割を担って、トラクション性能を向上させている。

③ラージメッシュラググルーブ

トレッド全体に刻んだラググルーブがマッド、ロックなど、アグレッシブなオフロードシーンでトラクション性能と排土性を高めている。さらにオンロードではロードノイズを抑制する効果も発揮する。

④アグレッシブサイドブロック

 タイヤサイド上部に設けた大きなブロックにより耐カット性を向上させている。さらに深いマッド路面ではサイド部分のトラクション性能にも期待できる。ワイルドなルックスにも一役買っている。

⑤ボールドデザインコンセプト

 トレッドからショルダーブロックまで一貫性のあるデザインを採用。装着車両にさらなるオフロード感を演出するのでドレスアップ派ユーザーも注目を。もちろんトラクション性など実性能も確保。

砂漠、岩石路面、粘土質のマッド路面など、地球上には多様な地形が存在するが、『ジオランダーM/T G003』は多くの新技術を投入して、かつてない領域までオフロード性能を研ぎ澄ませている。G003専用構造のタイヤサイドはゴムを従来よりさらに厚くして操縦安定性を高め、耐サイドカット性を向上するとともに、新コンパウンドを開発して耐摩耗性と耐久性も高めている。さらに接地幅を可能な限りワイドにすることでトラクション性能と耐偏摩耗性を高めており、高耐久なリアルオフローダー構造としている。

オンでもオフでもトライトンの実力を引き出す

今回装着したジオランダーM/T G003は、純正タイヤより大径&太めのサイズ。リフトアップしたトライトンでも場合によっては干渉の可能性があるので、インナーフェンダーやバンパー裏に加工の必要があることを、最初に断っておきたい。
さて、実走した印象は、今回のトライトンをカスタマイズした4×4エンジニアリングサービスの楠神卓代表にうかがってみよう。楠神代表ご自身、長くサーキット競技に出場していたほか、愛車のランドクルーザー70を駆ってトライアル競技にも出場するなど生粋の“タイヤフリーク”だ。
「まずびっくりするのは、一般道路を快適に走れることですよね。見た目はあんなにゴツいのに、タイヤノイズはほとんど感じないし、乗り心地も良好。それにワインディングでも、比較的高いスピード域でも安定したハンドリングとグリップで、安心して乗れます」
マッドテレーンと言いながら、オンロードでの高評価が、まずG003の何よりの特徴だろう。
「たとえば、オフロードはあまり走らないんだけれども、このワイルドなスタイルは欲しい……なんてお客様にも自信を持ってオススメできますよね」
ならば本領であるオフロードでのフィーリングは?
「もちろん悪路でのトラクション感は申し分ありません。尖った岩が転がるような林道にも安心して踏み込んで行けますし、今回はかなり湿った泥のステージもありましたけど、モーグルなど、きっちり走りきってくれました」
もちろんトライトンは局所的なクロカン走行より、ハイスピード系を含め、ダートやガレ場などを得意とする車種。G003を履けば、そのポテンシャルは最大限に活かされる、ということなのだ。

 今回の取材撮影のために提供されたのは、「4×4エンジニアリングサービス」のデモカー。サスペンションは同社のフロント・50㎜アップコイルスプリングと、リア・35㎜アップブロックによりセットアップ。ショックアブソーバーは現在開発中で、今後、正式にリリースされる予定だ。またホイールは「Air-Gバルカン」9Jx18(±0)を選択。7.5Jx18(+46)が標準のトライトンには攻めたサイズだが、GSRグレード標準のフェンダーガーニッシュにピタリと収まっている。

ONROAD

いかにもマッドテレーンらしいアグレッシブなルックスだが、オンロードでの印象は快適そのもの。ロードノイズはスピードを上げてくるとやや大きくなるが、普段乗りではほとんど感じないレベル。乗り心地にゴツゴツ感もない。ワインディングなどではグリップレベルの高さが感じられ、攻めた走りさえ可能だ。

OFFROAD

トレッドには深い溝が刻まれ、それがサイドにまで回り込むタフな構造。岩場やガレ場にも安心して踏み込んで行けるのがありがたい。もちろん地面を噛むようなトラクションは強く、容易にグリップを失わず、極悪路でも安定した走りを披露。エア圧を下げれば、さらに強力なトラクションが得られるだろう。

今年もラリーアート・トライトンがアジアに挑む!

2022年、「アジアクロスカントリーラリー(AXCR)」への参戦で、モータースポーツシーンに復活を遂げた『チーム三菱ラリーアート』。この年、三菱はAXCR初参戦・初優勝の偉業を成し遂げたが、その時、ラリーマシン・トライトンの足もとを支えたのがジオランダーM/T G003だった!その後も三菱は2023年、2024年とAXCRに連続出場、もちろんタイヤはG003をチョイス、親和性を高め、好成績を修めていく。そして今年2025年。ジオランダーと同じく30周年を迎えるAXCRに、チーム三菱ラリーアートから、早くも参戦がインフォメーションされた。コースはタイとカンボジア両国にまたがり、その規模を拡大。総走行距離2,500km、9日間の日程で行なわれるという。さて、ジオランダーM/T G003を装着したラリーアート・トライトンがどんな走りを見せてくれるのか?三菱ファン、トライトンファンは要注目だ!!

  • 横浜ゴム株式会社
  • https://www.y-yokohama.com
  • お客様相談室/ 0120-667-520(フリーコール) 
  • 受付時間(平日) 9:00〜17:00