北米を中心とした世界規模で独自開発の技術が受け入れられ、高いシェアと存在感を放つTOYO TIRESの4WD・SUV専用タイヤ「OPEN COUNTRY(オープンカントリー)」。
この日本生まれ、北米育ちのタイヤが華々しく日本に凱旋し、本格導入されて以後はその注目はうなぎのぼりだ。ここでは、TOYO TIRESが誇るOPENCOUNTRYシリーズをランドクルーザーとのマッチングや実力を改めて、チェックしてみたい。
◆OPEN COUNTRY M/T
POINT
アグレッシブで機能的なパターンデザインと、過酷なオフロードレースを走破するタフネスなタイヤ構造を採用するマッドテレーンタイヤとして、デビュー以来、20年近くに渡って大きな信頼を得てきたM/T。その間、Baja1000やダカールラリー(通称パリ-ダカ)、本誌でもお馴染みのアジアクロスカントリーラリーなど、数々のオフロードレースにおいて、結果を出し続けてきた。
特徴
●トレッドパターン
○バットレスデザイン ○ディープサイプ
○ストーンイジェクター ○スタッガードショルダー
○テーパーブロック
●構造
○スペシャルトレッドコンパウンド
○2スパイラルキャッププライ
○高強カスチールベルト
○3プライハイターンアップ構造
○高強度サイドウォールコンパウンド
○高硬度ビードフィラー
インプレッション
過酷なラリーやオフロードレースを制してきただけあって、オフロードでの性能は特筆モノ。ダート路面では的確に反応するハンドリングを披露し、コーナーを攻めるような走りでもリアの滑り出しの感覚はつかみやすい。さらにこうした車体が流れ出してからの操縦性の高さは、バハやダカールでのラリーシーン、モアブでのオフローディングの信頼性を裏付ける。マッドテレーンを名乗っているのもダテじゃなく、深い泥での舵の利きの良さやトラクションのかかりなど、全オフロードシーンでその性能を発揮してくれる。
◆OPEN COUNTRY A/Tplus
POINT
非対称パターンと剛性の高いブロックで、オールテレインタイヤならではの高い耐久性とオンロードのレスポンス、オフロードの操作性を実現する。さらに、注目すべきは、耐摩耗ポリマー、シリカ、アクティブポリマーをトレッドに配合した「スペシャルシリカコンパウンド」を採用していること。これにより、4WD・SUV専用タイヤでありながら、高いウエット性能と優れた燃費性能が得られる。
特徴
●トレッドパターン(非対称パターン)
○リブパターン ○ジグザグブロック
○オープンスリット ○バットレスデザイン
●構造
○スペシャルシリカコンパウンド
○ジョイントレスキャッププライ
○高剛性ベルト ○高硬度ビードフィラー
インプレッション
もちろんオフロードは走れるが、より日常のオンロードの快適性が高められているオープンカントリーA/Tプラス。オンロードではまず静粛性の高さが印象的に感じられる。またハンドリングは素直で、グリップレベルの高さもポイントだ。ただしその性能から想像できないほどトレッドパターンはアグレッシブだ。一方オフロードは、そのアグレッシブなトレッドが生み出すトラクションの強さがしっかりと感じられる。例えば砂利の浮いた凹凸路でも、しっかり路面を捉えて力強く加速できる。
◆OPEN COUNTRY R/T
POINT
特徴
○スタッガードショルダー
○ワイルド ショルダースリット
○ストーンインジェクター
○L型連結ブロック ○パターン配列最適化
インプレッション
オフロードでのトラクション性能はM/Tレベルとはいかないが、ダートでの素直なハンドリングや蹴り返しの強さは十分に体感 できる。泥の中でのグリップ感も、間違いなくA/Tより信頼できる。対して、オンロード性能の高さも特筆点だ。走行安定性はもちろん、耐摩耗性能を高次元で両立させている。普段乗りはソフトな乗り心地で、高速クルージングも快適そのものだ。ちなみに、新しいジャンルの4WD・SUV用タイヤとして、そのユニークな商品コンセプトから「2016年度グッドデザイン賞」を受賞。そう、見た目の印象も、ただただカッコイイに尽きる!
◆FLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRES 2019 総監督とドライバーに聞く、オープンカントリーM/Tの魅力
2019年に初めて本格的なクロスカントリーラリーに参戦したプロドライバー・川畑真人選手はオープンカントリーM/Tへの印象をこう語った。「最初は戸惑いました。常に全開で走るサーキットとは違い、荒れた路面ではクルマをいたわりながら、それでも平均速度を高く保つことを心がけました。こうした競技では、軽さとか絶対的グリップ力よりも信頼感が重要。オープンカントリーM/Tは、事前に一般公道はもちろんオフロードコースでもたくさん乗って、グリップ力やコントロール性のあるタイヤだと充分に確かめていましたし、もちろん終始安心して攻め続けられたタイヤでした」
一方の哀川翔さんは「以前、ドライバーとして参戦していた経験を含めて言うと、この競技はルート上に穴が多いし、日本じゃ考えられないほど荒れている。そういう場所では、できるだけ穴や岩を避けたり、クルマを守ろうと抑えて走るけれど、同時にスピードを求めると限界がある。“ヤバいかも”って思うことは数え切れないほど経験してきました。2019年のオープンカントリーM/Tは、バーストもなく、最後までレーシングスピードで走ることができていました。いくらクルマが速くても、バーストしたらもうおしまい。強度や剛性が優れていることは重要だ」と、評価していた。
- TOYO TIRES
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