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2022.03.08

【YOKOHAMA】M+S規格と快適さを満たすグランドツーリングタイヤ、SUVとの旅が楽しくなる乗り心地と高い静粛性

 ヨコハマタイヤの4WD・SUV専用タイヤブランド「ジオランダー」は、多様化する車種の性格ユーザーの趣味嗜好の変化と細分化に対応する幅広いラインナップを誇る。本格オフローダーが必要とする性能に見合った強力なトラクションを誇るM/Tタイヤや、「ジオランダーX-AT」など、オフロード&ワイルドなイメージが先行しているが、一方で、近年ユーザー層を拡げているSUV&クロスオーバー車にフィットするラインナップも充実している。
 ここで紹介する「ジオランダーCV G058(以下、CV)」は、コンパクト〜ミドルクラスのSUV&クロスオーバーに向けた、コンフォート志向のグランドツーリングタイヤ。主眼としたのは、オンロードでの快適性や静粛性の充実、さらに耐摩耗性や浅雪、ダートなどでのトラクション性能にも配慮している点だ。また先進タイヤ技術“ブルーアース・テクノロジー”を採用するなど、環境性能や低燃費性能にも注目したい。
 そのドライブフィールを、コンパクトSUV代表でもある「ダイハツ・ロッキー」に装着して試してみた。まずロッキー(そして兄弟車のトヨタ・ライズも)の純正タイヤサイズは195R60R17、あるいは195/65R16。後述するが、数多くのサイズバリエーションを誇る「CV」では、もちろん両サイズともラインナップ。今回選んだのは17インチ仕様だ。
 走り始めから感じる違いが印象的だ。タイヤ&ホイールが軽くなったように、ひと転がり目からスムーズに発進していく。トレッドの見た目は細かいサイプの刻まれたブロックが直線的に並んでいて、いわゆるコンフォートタイヤではアグレッシブに映るが、走りは軽快、乗り心地も柔らかすぎず硬すぎず、すこぶる滑らかだ。タイヤノイズもほとんど聞こえないほどで、今回は超長距離のロングツーリングを快適にこなしてくれる。
 もちろん、グリップ感も上々だ。高速道路のレーンチェンジやコーナーを回り込む時でも、ステアリングのリニア感は向上しているし、横方向への踏ん張りもしっかりしている。コンパクトSUVとはいえ、乗用車よりは重心の高いロッキーだが、ロールを足もとからよく制御して、安心感の高い走りをもたらしてくれる。
 なお、今回は試すことはできなかったが、例えば降雨時の路面においても、トレッドのサイプの多さやストレートグルーブの構成を見れば、ウェット性能が高レベルで実現されていることが分かる。
 高いオンロード性能とクルーズ性能を確保しながら、さらにオフロードにも安心して踏み込んでいけるのも、「ジオランダーCV」の何よりの魅力だ。

◆ジオランダーCV G058専用トレッドパターン

クロスオーバーSUVのキャラクターやポテンシャルに最適化すべく開発された『点対称トレッドパターン』を採用するジオンランダーCV G058。サイプを基調としたパターンでトラクションを高めると共に、静粛性・耐摩耗性も向上させる。また、ワイド&フラットな接地を実現する新マウンドプロファイル、新形状のリブブロックによって耐摩耗性・耐偏摩耗性も向上させている。

①センター部:ストレートグルーブ/ショルダー部:ジグザググルーブ

センター部に2本のストレートグルーブ、ショルダー部の2本のジグザググルーブといった計4本のグルーブの効果でハイドロ性能、ウェット性能を向上。またジグザググルーブはスノートラクション(浅雪)にも貢献。

➁サイプベースパターン

サイプをベースにした独自のトレッドパターンを採用。このサイプによってエッジ成分を増すことで、ウェット性能を確保しながら、高い静粛性も実現している。

③2-3Dコンビネーションサイプ

サイプは2Dと3Dのサイプを組み合わせ、エッジ効果を高めつつも剛性を確保。耐摩耗性の向上や、ウェット&浅雪でのトラクションを強化している。

タイヤの核となるトレッドコンパウンドには、シリカ高配合、および分散剤の配合したジオランダーCV G058専用の“新ブレンドポリマー”を採用。低温域の路面でもゴムのしなやかさをキープし、高い制動性能や安定感ある走りに貢献。また、ドライ、ウェット、スノー路面などのあらゆる路面におけるトラクション性能を確保しながら、高い耐摩耗性、転がり抵抗の少ない性能を実現してし、低燃費性能の向上にも寄与する。
凹文字でブランドや銘柄をシンプルにアピールする滑面サイドデザイン。見た目だけでなく、空気抵抗にも配慮。さらに「ブルーアース・テクノロジー」のマークを刻印済み。これはヨコハマの高い低燃費性能を備えるタイヤの証となる。

【ROCKY×195/60R17】

ON ROAD

ジオランダーCV G058は純正サイズに準じた、乗用車規格サイズを中心にラインナップ。ダイハツ・ロッキー(およびトヨタ・ライズ)には195/60R17と195/65R16が適合、今回のテスト車両には17インチを装着した。
高速クルージングにおいても、静粛性の高さを披露。車高のあるSUVでは、むしろ車体からの風切り音の方が気になるほど。またレーンチェンジなどではロールもよく抑えられているし、ハンドルの切り量に合わせた素直な挙動が提供される。

OFF ROAD

オンロードがすこぶる快適なのに、ダートやぬかるみ、浮いた小石など、未舗装の路面でも安定したグリップを感じられるのがジオランダーCV G058の魅力だ。普段は快適・安定的に走りながら、いざという時のこの性能は非常にありがたい。
深い泥や岩といった状況では、よりオフロードに特化したジオランダーの他のシリーズが推奨だが、林道で出会うような路面くらいなら滑りにくく、しっかりグリップする。

【XV×225/60R17】

ジオランダーCV G058が、オフロードにおいても懐の深いパフォーマンスを見せてくれるポイントは“M+S規格”をクリアしていることだ。M+Sとは“マッド&スノー”という意味で、つまり浅雪やダートなどでの性能も備えているということ。ちなみに「ジオランダー」シリーズは全タイヤがこのM+S規格を満たしているが、「CV」においても、とくに水たまりや枯れ葉の積もった路面が繰り返される、林道のようなシーンでのトラクションに安定感があった。泥詰まりや石噛みも思った以上に少なく、それこそ釣りやキャンプ&アウトドアのトランスポーターに装着すれば、安心感もひとしおだろう。
 ちなみに「CV」のサイズラインナップは、165/60R15〜245/50R20までの全42サイズという豊富さを誇る。今回のテスト車両としたロッキーのようなコンパクトSUVをはじめ、ジムニー&ジムニーシエラ、軽SUVのタフトやハスラー、一方でCX‐5やRAV4、エクストレイル、ハリアー、そしてデリカD:5といったミドルクラスSUVにも対応している。
 ちなみにこれらの車種は、オンロード指向(もしくは低燃費指向)のサマータイヤを標準装着していることも多いが「CV」に履き替えることで、オンロードの快適さを犠牲にせずに走りのフィールドをグッと拡げられる。マルチな走行性能を備えているSUV&クロスオーバーにこそこのタイヤを履いて、真の実力を発揮してみたい。

ジオランダーCV G058を装着すると、ハンドリング、快適な乗り心地、ハイレベルな静粛性など、オンロードにおける走りの質感が大きく高められる。
オンロードで感じたハンドリングの良さはラフロードでも変わない印象で、路面をしっかりと捉えるような頼もしさがある。まさにSUVの世界観を広げてくれるポテンシャルを持ったタイヤであり、さまざまなシーンに足を踏み入れたくなる。

【TAFT×165/65R15】

純正サイズを中心にミドルクラス~コンパクトSUVをほぼ網羅するサイズを誇るジオランダーCV G058。今回メインで取り上げたダイハツ・ロッキー&トヨタ・ライズ用サイズ(195/60R17および195/65R16)のほか、同じくダイハツ・タフト用の165/65R15やスズキ・ジムニーシエラ用の195/80R15といったコンパクトモデルもフォロー。

【JIMNY SIERRA×195/80R15】

<ジムニーシエラの写真はイメージ>