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SKYACTIVE-Dがもたらす余裕
今やマツダの立派な看板車種、そして国産クロスオーバーSUVの代表選手としても成長した「CX-5」の評価を支える要素の一つが、「SKYACTIVE-D」技術で作られた2.2Lディーゼルターボにある事は疑いが無いだろう。
わずか2000回転で42.8kg-mと4リッターV8エンジン並の最大トルクを発揮するので、高回転まで回さずとも十分に加速する。
最大出力の175馬力もわずか4500回転で発揮するから、高速巡航による長距離ドライブなどもお手のものだ。
20年ほど前のディーゼルターボだと、同じような排気量で100馬力も無く、トルクも30kg-mも無いようなシロモノだったし、街乗りではガラガラと、高速走行でもディーゼルとしては高回転までブン回すのが普通だった。
CX-5にとってそんな過去とは無縁で、室内へのノイズは最低限、アクセルレスポンスも良好なので、実にジェントルに走るのだ。 -
舗装路でも4WDのメリットを活かす
高速道路でのジェントルさから少し離れて、一般道路に持ち込んでも安心感の高いフィーリングは変わらない。
CX-5の4WDシステムはタイトコーナーなどでプッシングアンダーを出すような粗暴なものではない。
コーナーの入口では余計な介入をせず自然なフィーリングで旋回に必要なモーメントを発生させ、立ち上がり加速が必要になった段階で初めて、フロントタイヤの負担を減らすためにリヤタイヤに必要な駆動力を分配していく。
山道でも、都会の十字路でも、決してドライバーの邪魔をしないばかりか、安心させてくれる。
クロスオーバーSUVでありながら、舗装路での走行安定性と操縦性の両立、それでいて退屈させない走りは、まさにスポーツカーと言っても過言では無いだろう。 -
たちどころに本格派オフロードへ
もっとも、クロスオーバーSUVへの褒め言葉が舗装路だけで終わっては味気ない。
4WDである以上、未舗装の山道へ分けいらなければ、その全てを味わったとは言えないのだ。
そこで並のクロスオーバー4WDであれば、ラフロード向けのスイッチを手動で入れるところだろう。
しかし、CX-5はそうしたドライバーの余計な手間をここでも省いてくれる。
「i-ACTIVE」と呼ばれるマツダの4WDシステムのキモは、何といっても「予兆制御」にある。
ドライバーが意識する、しないに関わらず、必要とあらば自ら「自分はオフロードを走る4WDである」と認識し、舗装路を走っている時には隠された力を呼び覚ますのだ。
ドライバーがうっかりラフロードへのモードを切り替えて挙動を乱す、という事も無く、4WDを直結に近いモードに切り替えて悪路を難なく走破していく。
そこでも「SKYACTIVE-D」による頼もしい低速トルクと共に、本格派4WDとして走ってくれるのだから、言う事は無いだろう。 -
優れた経済性で、長距離には最適
これだけ良く走ってくれても、代わりに燃費が悪ければそうそう長距離ドライブを楽しめない。
せっかくどこまでも快適なのに、燃費を気にしていては興ざめだ。
先にも書いたように4リッターV8エンジン並の動力性能を持ちながら、CX-5の燃費たるや、4WDでも18km/Lでという秀逸な数値。
2WDモデルでも18.4km/L、いくらも変わらないのだから走りの良さを考えたら4WDモデルを選ばない手は無いだろう。
しかもそれはガソリンエンジンではなく、軽油を使ったディーゼルエンジンでの話だから、これだけ満足度の高い走りをしておいて、一昔前の軽自動車並の経済性を持っている。
あらゆる路面をストレス無く長距離ドライブできて燃費まで優れている車など、SUVでもここまで万能な車は、そうそう無いはずだ。あらゆるステージで快適性を約束する、マツダのSKYACTIVE-Dと4WD技術には本当に驚かさっるが、いずれこれが当たり前のようになると、有り難みが薄れてくる事もあるのだろう。
人間とは贅沢を求めてばかりの生き物だが、だからこそ今、「ドライビングプレジャーを重視するマツダが4WDのクロスオーバーSUVを作るとこうなる。」というお手本だと思って、CX-5に乗って欲しい。
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