TOYO TIRESの4WD・SUVタイヤブランドである『OPEN COUNTRY(オープンカントリー)』。その歴史は1983年まで遡る…。そう、今年で41年目となるTOYO TIRESで最長のタイヤブランドなのだが、昨今SNSでは〝#オプカン〟のハッシュタグがつくほどに、ユーザーに親しまれ、そして〝オプカン〟の愛称で定着している。そんなNo.1 オフロードタイヤブランドの魅力を最新トピックスなどから探ってみる。
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見た目だけじゃない 機能美に溢れたタイヤ
TOYOTIRES(トーヨータイヤ)が誇る4WD・SUVタイヤブランド『OPEN COUNTRY (オープンカントリー)』は、今年誕生41周年となる。単に歴史が長いだけでなく、今この瞬間もユーザーから支持され、そして愛され続けているタイヤブランドだ。ここでは40周年イヤーの総括と2024年のオプカンの動向について、2人のキーマンに伺った。
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—— トーヨータイヤの中でオープンカントリーはどのようなブランドに位置付けられるのでしょうか?そこから教えてください。
吉川(以下、吉): オープンカントリーは当社の商品の中でも、1番歴史があるタイヤブランドとなります。ご存知の通り、2023年は40周年の記念すべき年でした。オープンカントリーは長い歴史の中で、特にアメリカ/北米の4WD・SUVやピックアップトラックでその地位を築いてきたブランドで、さらにBAJA(バハ)1000などの本格的なオフロードレースに参戦し、技術と性能を磨いてきました。こうした活動や長きに渡る信頼性などから、トーヨータイヤを支える最重要ブランドに位置付けられています。
—— 日本国内には2019年から再導入を開始していますが、日本のユーザーからはどう受け取られているのでしょうか?
吉 : 日本は北米ほど本格的なオフロード文化が根付いていないので、オフロードだけでなくて、アウトドアやキャンプなどを含むライフスタイルに合ったタイヤを必ず見つけることができるところなどに、オープンカントリーの魅力を感じているのではないでしょうか。例えばオールテレーンタイヤは、本格オールテレーンの『A/TⅢ(エーティースリー)』のほか、純正サイズのマイルドなオールテレーンタイヤの『A/TEX(エーティーイーエックス)』と2種類を用意していますし、さらにオンロードとウェット路面がメインの都市型タイヤ『U/T(ユーティー)』に加え、数々のオフロードレースで実績を誇るオフロードタイヤ『M/T(エムティー)』&『M/T‐R(エムティーアール)』やブランドの代名詞にもなった『R/T(アールティ—)』や復刻タイヤの『785(ナナハチゴ)』など、全部で7種類のラインナップがあります。
—— オープンカントリーのブランドのコンセプトとは?また欠かせないものや、変えてはいけないものはありますか?
吉 : 「大地を切り拓く」がコンセプトなので、やはり道なき道を走れるタイヤを提供することが重要です。性能があった上でのデザインといいますか、デザインが先にくるわけではなくて、性能をカタチにした〝機能美〟がオープンカントリーのタイヤであるということを認識してもらいたいですね。
あとは車両やカスタムの違いもありますから、例えば北米であれば北米、日本であれば日本のニーズに合わせた商品やサイズをラインナップをしています。さらに先駆者になって市場にリリースしていくことも大事で、当社でいえばオープンカントリーR/T(ラギッドテレーン)のように、他社を先導していくようなタイヤづくりも課題です。
—— 開発・設計の視点でオープンカントリーはどう映りますか?
坂田(以下、坂) : 設計の面から言えば、まず第1に挙げられるのは信頼性です。特に我々はダカールラリーに向けたオープンカントリーM/T‐Rの開発をしておりますので、理想はどこでも走れる、さらにできればパンクによる〝タイヤチェンジ〟なしで全区間を走破したい。やはり耐久性は上げていきたいんですね。
―― 今、話に出ましたが、読者も気になっているTLCのダカールラリー2024仕様の装着タイヤ『オープンカントリーM/T‐R』について教えてください。2023年仕様は市販化されたことも驚きでした!
坂 : ダカールラリーは、技術研鑽やブランディング強化のための中長期的に重要な活動の場です。過酷で挑戦的なレースなので、そこでクラス優勝を狙っていくには、同じタイヤを提供していてはなかなか難しい。
―― つまり、ブラッシュアップされていると?
坂 : そうですね、前回のダカールラリー2023の課題をしっかり踏まえた上で新たに積み重ねることで、技術研鑽になります。さらに優勝することでブランディング強化にも繋がるので、挑戦的な活動は継続していかなければ意味はない、という認識でおります。
新生オープンカントリーを代表するタイヤである 『オープンカントリーA/T Ⅲ』の登場からおよそ1年後の2023年8月、 A/T Ⅲにもホワイトレター仕様がラインアップ (一部ブラックレターも併売)。SNSなどを通じて多くのユーザーからホワイトレターを望む声が寄せられたとか。
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ここ最近で新世代タイヤを豊富なバリエーションに加えて〝オプカン〟支持者を一気に拡大!
オン&オフロードの走行性能を向上した『OPEN COUNTRY』シリーズとして、4種類 (784・785・786・W11)のタイヤを発売。この頃からクロカン走行だけでなくアウトドアの使用も考えられていた。
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新生TOYO TIRESを代表するモデルとして、オン&オフロード性能とアグレッシブなルックスを両立した新カテゴリータイヤ。発売当初は大口径ではなく、ハスラーやジムニーなど軽のみが対象だった。
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北米のオフロードレースで数々の実績を築き上げてきたフラッグシップタイヤ『OPEN COUNTRY M/T』が日本国内でも本格展開。タフな構造を持つアグレッシブなタイヤで、ホワイトレターも採用。
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都市型仕様のSUV・CCV専用となり、静かで快適な乗り心地を実現。『U/T』はUrban Terrainを意味するネーミング。オンロードやウェット性能を重視したトレッドパターンを持つ。
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オフロードレースでの使用を想定した、シリーズ最高の悪路走破性と耐外傷性を高めたタイヤ。こちらもジムニーサイズを先行リリース。2021年12月にはTLCが採用したLT285/70R17を発売!
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非対称パターンと高剛性のブロックで、オンロードのレスポンスとオフロードの操作性を実現。国内で展開するOPEN COUNTRYシリーズ初のスノーフレークマークを打刻。全サイズホワイトレター。
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様々な地形はもちろん、あらゆる気象環境を走破する本格オールテレーン。シビアスノー要件を満たしたスノーフレークマークを打刻。A/T EXより、さらにオールラウンド感が強い。欧州環境規制に適合。
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トレッドに当時のデザインを再現して復刻販売された『785』は、マッドテレーン系のブロックパターンを採用。サイドはレトロデザイン側と、アイボリーホワイトレターを採用したモダンデザイン側から選べる。
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「#オプカンタイカン」というキーワードの通り オープンカントリーの性能を改めて体感してみてください!
――今回TLCは、ダカールラリーの市販車部門を前人未到の11連覇で完走していますが、具体的にはどこが違うのでしょうか?
坂 : ダカール2023で目標としていた砂や砂漠の走破性は一定の狙った効果を得ることができました。一方課題になったのが、サウジアラビ地域の岩場に対するアプローチです。ダカール2023もそうですが、非常に岩場が多かったため、サイドの耐カット性能や耐久性を重点的に上げる改善を行ないました。TLC側の意見というよりは『トーヨータイヤとしてこうするべきだ!』と、TLCと協議しながら改善しました。
―― そうした性能と両立しているタイヤのサステナブル素材の導入についても、教えてください。
吉 : 当社としてはカーボンニュートラルへの取り組みがあり、タイヤのサステナビリティ素材をより比率を高めていこうという方針があります。その中でダカールラリーのレース活動に対してのサステナビリティは、耐久性やタイヤの実力を測るのにいい機会だと捉えています。もちろん材質をしっかり見ながら、これで問題ないと見極めた上で評価しています。
―― 実際にサステナブル素材の使用比率はどれくらいでしょうか?
坂 : タイヤの重量全体のうち50%がサステナブル素材となります。
―― 2023年はオープンカントリーの40周年イヤーということもあり、新たなタイヤのリリースやサイズ拡充が目覚ましい年でしたね。その中でもトピックとなったタイヤについて教えてください。
吉 : まずはA/T Ⅲのホワイトレター仕様のリリースですね。A/T Ⅲ自体は2022年夏発売でしたが、当初は純正サイズの履き替えをイメージしていたのでブラックレターのみで。けれどリリース直後からユーザーからホワイトレターへの強い要望があり…。早々にホワイトレター仕様をリリースしました。
―― 日本では普段はオンロードを走られていて、キャンプ場へ行ってたまにオフロードを走る方が多いので、見た目はアグレッシブだけど、オンロードも快適に走れて静かというのがニーズなんですね。
吉 : 次に785は復刻タイヤでもありまして、当初からジムニーを中心にクラシックなカスタムで人気を集めました。2023年にサイズを拡充しましたが、クラシックなカスタムをするランクルにも受け入れられているようです。
―― 市販品といえば、日本未導入サイズですが、TEAM JAOSがR/T装着のLX600でBAJA1000に挑みましたね。
吉 : 前回2022年大会で装着したR/Tのサイズは35インチでしたが、今回は37インチにサイズアップして、競技区間の全行程を無事走り切りました。結果として残念ながらタイムリミットの50時間にわずかに届かずのフィニッシュでしたが、アメリカで実際に販売されている市販タイヤの実力を示せたと思います。しかもバハ・カリフォルニアの大地1300マイル(約2100㎞)をノントラブルで走破しましたから。
―― TEAM JAOS・ドライバーの能戸選手によれば『摩耗も目立った外傷もなく、まだまだ走行可能です!』と話されてました。
―― 今回TLCは、ダカールラリーの市販車部門を前人未到の11連覇で完走していますが、具体的にはどこが違うのでしょうか?
吉 : そうですね、こうしたダカールやバハに加え、アジアクロスカントリーラリー(AXCR)に参戦するチームのサポートも行ないます。哀川 翔さんが率いるFLEX SHOW AIKAWA RACING withTOYO TIRESが、当社でサポートする川畑真人選手(D1チャンピオンでもお馴染み)をドライバーに据えて、ラリー北海道2023・XCRスプリントカップでクラス優勝を果たしました。2024年は再びAXCRに参戦するので、同チームの支援を継続・拡大します。タイヤの性能を試して実力を証明できるという意味でレース活動は一番の訴求ポイントになるでしょうから、しっかりと盛り上げたいですね。
―― ほかに予定はありますか?
吉 : 雑誌やSNSを通じて、オープンカントリーが再び国内で広まり、認知度も高まってきているのはありがたいところです。お陰様で特にホワイトレタータイヤが好評を博していますが、見た目がファッショナブルなのでカスタムマインドの高いユーザーを中心に広まってきた感はあります。2024年は見た目だけではなく〝キチッと性能がある上でのファッショナブルなタイヤ〟であることを理解してもらえるように取り組みます。性能を体感して欲しい想いから『#オプカンタイカン』と称して、実際タイヤの性能を試せる試走会も開催します。ご期待ください。
今回のスペシャルインタビューは、日々新しいタイヤの開発にまい進する技術開発本部 OEタイヤ開発部 部長の坂田 利文さん(写真左)と、オープンカントリーブランドをさまざまな観点から訴求する商品企画本部 グローバルマーケティング部長の吉川 誠さん(写真右)の2人に実施。2023年のオープンカントリー40周年を経て、その認知度は日本国内でも相当高まっているが、次はファッショナブルなドレスアップタイヤという認識に加え、そこに秘められた性能も見てもらいたいと語る。2024年のテーマでもある「#オプカンタイカン」はそれをダイレクトに表現したものだ。
LX600“OFFROAD”TEAM JAOS 2023ver.にオープンカントリーR/Tを装着して、SCORE BAJA 1000の全行程を走破したTEAM JAOS。同じくオープンカントリーR/Tを装着してLANDCRUISER 150 PRADO FLEX Racing SPEC.でラリー北海道/XCRスプリントカップのクラス優勝を飾った哀川 翔・総監督が率いるFLEX SHOW AIKAWA Racing with TOYO TIRESなど、オープンカントリーはダカールラリー以外のオフロードレースでも活躍中! 2024年も継続してサポートを予定しているレースチームの動向を見守れば、必然的にオプカンの凄さが分かるだろう。
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―― オープンカントリーの機能美を〝タイカン〟するといえば、2023年に『#オプカン女子会』もありましたよね?
吉 : 初回はプレ開催の位置づけだったので、2024年はオフロード体感も含め、#オプカン女子会のような気軽にユーザーが参加できるイベントを本格的に始動していきます(※編集部注 : #オプカン女子会については次ページのレポートにて )。
―― 最後にユーザーの皆さんにメッセージをお願いします。
吉 : 年明けに開催された東京オートサロン2024のブース内容に注目して欲しいです。当社ブースは「Aggressive! Sustainable with TOYO TIRES」をコンセプトにレース活動を行なうチームのステージプログラムなどを実施したほか、水素燃料エンジン車「HySE‐X1」のモックアップモデルを展示しました。これは、ダカールラリー2024の新カテゴリー「Mission1000」に参加した水素小型モビリティ・エンジン技術研究組合のサポートも行なっているからです。HySE‐X1のタイヤは、ATVなどのサイド×サイド車用に設計されたオープンカントリーS×Sを装着しています。さらにトーヨーブルーにR/Tを履かせた新型トライトンも反響をいただきました。
―― さらにA/T Ⅲを装着したスバルSUNの『レガシィアウトバック BOOS T GERAパッケージ コンセプト』は、東京オートサロン2024のドレスアップ・SUV部門の最優秀賞を受賞しましたね。
吉 : 大変名誉なことです。トーヨータイヤ・東京オートサロン2024スペシャルサイトで振り返ることができますので、ぜひご確認ください。こんな風に国内でのブランドを一層認知していただき、性能も含めた意味で『4WD・SUV用タイヤの世界ではトーヨータイヤがナンバー1だ』と言われるように、オープンカントリーのブランドを高めていきます!
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ダカールラリー2024のもうひとつのトピックが『HySE-X1』の存在だ。これはカワサキ、スズキ、ホンダ、ヤマハ、トヨタが参加する水素小型モビリティ・エンジン研究組合(HySE : Hydrogen Small mobility & Engine technology)が製作した水素燃料エンジン搭載車で、ダカールラリーにおける次世代パワートレイン開発を促す新カテゴリー 「Mission 1000」に出場。見事フィニッシュゲートまで辿り着いた。
HySE-X1が装着したオープンカントリーSxSはATVやUTVに対応するタイヤで、日本未導入だが北米ではポピュラー。一方、東京オートサロンのドレスアップ・SUV部門で 『レガシィアウトバック BOOST GEARパッケージ コンセプト』が最優秀賞に輝いた。装着タイヤは、オープンカントリーA/T Ⅲのホワイトレター。
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●TOYO TIRE株式会社
●兵庫県伊丹市藤ノ木2‐2‐13
●トーヨータイヤお客様相談窓口: 0800-3001456(フリーコール)
●※受付時間 : 平日(月~金)9:00~17:00 ※祝日・指定休日を除く
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