U-CAR DATA
1995y Mercedes-Benz E320 (W124)
●検/5年12月●走行8.7万km●マラカイトグリーン●AT●右ハンドル●ディーラー車●エアコン●パワステ●黒ファブリックシート●記録簿16枚
クラシカルな雰囲気を増幅させるマラカイトグリーンの奥深き魅力
趣味車として多くのファンから熱い支持を集めているW124こと初代Eクラス。細部にまで及ぶ作り込みの良さ、納得のメカニズム、そして重厚なフィーリングは長きに渡りユーザーを魅了し続け、現代のクルマでは味わえない独特な魅力に溢れている。
そんなW124は最終型でも28年が経過。ヤングクラシックカーとして堂々たる人気を博しているが、年々程度の良い中古車は減少傾向にある。とはいえ、同世代の国産車がどれだけ生存しているかを考えると、現在のW124の生存率は脅威的とも言える。走行距離が3万㎞にも満たない極上車がポンと売りに出ることがあるのもW124の特徴的な部分で、数は少なくなったとはいえ、まだまだ現役であることは間違いない。また世界的にも人気が高く、SNSで検索すれば、個性溢れる希少なW124が元気に走っているのを確認できる。
今回取材したのは、95年式のE320で走行距離は8.7万㎞。走行10万㎞を超えるW124がほとんどの中で、一般的なスペックと言える。さらにこのクルマはW124専門店であるアイディングが長きに渡りメンテナンスをしてきた管理車両でもある。管理車両の良いところは、これまでの整備履歴が明確であるため、今後のメンテナンス計画が立てやすいこと。消耗品の交換時期も予測できるので、計画的に維持していくことができるのだ。
今回は贅沢にも高速から一般道まで試乗することができた。取材日は気温30℃を超える真夏日。サウナ状態でのスタートだったが、よく利くエアコンのおかげですぐに快適に。見切りの良さは一般道を走っていてもよく分かり、狭い横浜市内の道でもストレスなく走り抜けることができた。高速道路に入れば、いよいよW124の本領発揮である。安定した走りと全身に伝わってくる重厚感、コーナーを曲がる時のしっとりとしたステアリングフィールは絶品だった。
約2時間のドライブだったのだが、改めて感じたのはシートの良さ。安定した走りも影響していると思うが、思ったより疲れが少なく快適に走り切ることができた。マラカイトグリーンのカラーも個性的で素敵。趣があって落ち着いた大人のクルマといった雰囲気を演出できる。クルマは走ってこそ本当の魅力がわかる。スペックだけではイメージできない上質な走りを、このW124で堪能することができた。