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ヘッドランプ

2020.11.24

ヘッドライトレンズを復活させるニューアイテムが登場! HLSC(ヘッドランプスチームコート)の実力はどれほどか?

 ドイツ車に限らず、多くの輸入車で発生しているヘッドランプレンズの黄ばみ。これまでも色々なケミカル剤が販売されているが、ここで紹介するヘッドランプスチームコートは、従来とは違ったアプローチでレンズを再生できる。

 ドイツ車のヘッドランプレンズの多くは樹脂製であり、紫外線など経年劣化の影響で写真のように黄ばんでしまう。それを除去するためのケミカル剤は多数販売されているが、長く持たないケースが多い。

紫外線の影響によりレンズが劣化してしまう

 大切にしている愛車のヘッドランプが、いつの間にか黄ばんでしまうケースは非常に多い。輸入車、国産車を問わず、多くのクルマが同じような状況になっているのは街中を走っていればよく分かるだろう。
 この原因となっているのが紫外線。これはボディや内装を傷める原因でもあるが、ヘッドランプも紫外線の影響によって黄ばみが発生してしまうのである。ヘッドランプはエクステリアの印象を決定付けるポイントだけに、大切にしているクルマほどどうにかしたいと思っている人は多いはず。
 古めのメルセデスやBMWではレンズ単体として部品供給されていたが、2000年代以降のドイツ車は、ヘッドランプASSY交換となり、コーナリングライトやLEDなどの採用により、ヘッドランプ単体の価格は高価なものになっている。クルマにもよるが、ヘッドランプのASSY交換の相場は片側約20万円。片側だけ新しくするわけにもいかないと思うで40万円以上の出費になる。中古パーツを使うという手もあるが、同じような環境で使われていることもあって程度は様々。中古パーツとしても人気があるので、程度が良いものは中古でも価格が高めになりやすい。
 そんな状況もあって、そもそも非分解のヘッドランプに対応した社外品のレンズが販売されたことがあったが、車種専用設計となるため汎用性という面ではまだまだ対応できていないのが現状だ。ヘッドランプごと社外品にするという手もあるが、信頼できるメーカーのものを見つけることが第一歩だと言えるだろう。そのため多くのケースで、様々なメーカーから販売されているケミカル剤を使うユーザーが多い。安価であることはメリットだと言えるが、耐久性が低く再発してしまうケースが多いのが実情だ。
 そこで紹介したいのが、従来とは違った新しいアプローチでヘッドライトレンズの黄ばみを除去する「ヘッドランプスチームコート(以下、HLSC)」。これは樹脂を蒸着させて、新しい層をヘッドランプに作り出すことで黄ばみの再発を防ぐというもの。
 作業の流れは解説を見ていていただきたいが、簡単に言うと、ペーパーなどで劣化による黄ばみを除去し、気体となったHLSCの溶剤を当てることで新品のようなクリアな状態に再生できるのである。取材時に実際に施工したクルマを確認したが、とてもキレイな状態で満足のいく仕上がりだった。
 施工時の注意点としては、古いハードコートなどが残っていると処理できない場合があるのでしっかりと除去すること、溶剤を厚塗りしすぎないなどがある。とはいえ、作業自体は簡単なので心配は無用だ。
 このHLSCを展開しているのは、千葉県我孫子市にあるジースタイル。来店での施工は片側1万円(税別)となる。さらに1年の保証が付くというのも、耐久性に自信を持っているからだろう。業者向けにもキット販売を行なっており、現在も問い合わせが殺到しているとのこと。
 ユーザーのみならず、ドイツ車業界として話題になっているHLSC。愛車のアンチエイジングとして、ぜひとも試してみてほしい。

樹脂を蒸着させて新たな層を作り出す従来にはなかった全く新しい手法

 

キットとして業者販売も可能!

ヘッドランプスチームコートは来店の場合、片側1万円(税別)で作業は約1時間だが、劣化がひどい場合は時間がかかるケースもある。また、業者向けとしてヘッドランプスチームコートをキット販売しているので、気になる人はジースタイルまで問い合わせてみよう。
ヘッドランプスチームコートは蒸発させた樹脂を蒸着させる仕組みだが、仕上がりのポイントになるのは下地作り。ここをしっかりと磨き込むことで仕上がりもよりクリアになる。
作業の流れを簡単に解説していこう。まずはレンズ表面をキレイにした後、サンドペーパーなどで磨いていく。番手は状態によるが、今回は600番を使用(耐水でなくても可)。

その後、徐々に番手を細かく汚れなどを除去していく。ここでは1200番を使用。磨き込みは重要な作業なので状況に応じてさらに番手を増やしたり、ポリッシャーなどを使うのも効果的だ。水分を除去したら溶剤を専用のカップに入れ、電源を入れ加熱する。溶剤が沸騰してきたら、専用のノズルを使ってレンズに蒸気を当てると、驚くほどクリアな状態に再生されていく。

《メカニックが使ってみた印象は?》

劇的変化! 想像以上にクリアなレンズ

「施工は簡単なのですが、心配りというか、下地作りの段階できっちりと地道に磨き込むことですね。沸騰した溶剤の蒸気を使うという新しい発想には驚かされましたが、その効果は想像以上でした。劣化したヘッドランプレンズでは車検で不合格になるケースもありますし、中古車販売をメインとする業者さんにとっても手軽に使えて、ユーザーさんへのサービスにも繋がると思います」