画期的な修理方法であるリペア&リビルドパーツ
アナログな作りを持つ往年のドイツ車が、今もなお現役で走っているのは補修部品が供給されていることに加えて、分解修理ができる部分が多いことも挙げられる。
電気的なパーツでは、スイッチも単なる接点であるし、リレーなどの部品に使われている基板の回路も極めてシンプルなもの。素人でも少し電気のことを知っていれば簡単に直せてしまうのだ。そういった背景から、リペアショップが増えていき、対応できる部品も幅広くなっている。
高度な電子制御を搭載する高年式モデルであっても、それを解析するプロショップは数多く存在している。高年式モデルになるほどユニット単体の部品は高価になり、10万円以上の出費になるケースも少なくない。それがきっかけで、ドイツ車を降りてしまった人もいることだろう。
だが、近年では高年式モデルに対応したデジタル系リペアも充実してきている。難しいと言われていたモトロニック制御のコンピュータやABSユニットも、今では当たり前のように分解修理が行なわれている。未確認の情報だが、メルセデスの7速ATの基板不良もリペアで直せるところまできているという。
新品パーツを買えるならそれに越したことはないが、サバイバル中ということであれば、こうした分解整備を積極的に活用するべき。ここまで紹介してきたその場しのぎの策とは違って、確実に整備ができて、かつ費用も抑えられリスクも少ないのが一番のメリットだ。
リビルドパーツも、サバイバル中には有効な手段。リペアとの大きな違いは現品修理ではなく、予め分解整備された部品を新たに購入すること。エアコンコンプレッサーやオルタネータなどの電装品は、昔からリビルド品が流通している。
注意するポイントとしては、見た目はキレイでも、中身はほとんど整備されていない粗悪品が存在していることだ。元々リペアやリビルドパーツは、同業者向けのサービスであったが、インターネットの発達によって、リビルドパーツ業界にも価格競争の波が押し寄せている。我々ユーザーが自分で部品を調達するなら、価格だけではなく信頼できる実績のあるショップを見極めることが重要。自信がなければ、なじみの修理工場を通じて、依頼するのがベストな方法だ。
次ページからは、トラブルの頻度が高く、コストパフォーマンスに優れたリペア&リビルドパーツメニューを紹介。必ず役立つ情報が満載だ。