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2022.04.25

【素材別ドイツ車メンテ術 vol.04/エクステリア編 ④《メッキモール・ グリル》】酸化物をシャットアウトすることがメッキのメンテナンスポイント

メッキとは、金属やプラスチックの表面に、金属の薄膜を被覆した表面処理のこと。元の素材を酸化などから防ぐという機能面のほか、見た目の質感や高級感をアップさせるという目的でも用いられる。処理方法や使用金属は多種多様だ。

 

日頃からワックスなどで

外気を遮断しておくことが大切

 メッキやアルマイトも、塗装と同じように内側の素材の保護と外観の化粧という二つの意味を持っている。塗装では出せない光沢が実現できるので、ドアモールやフロントグリルなど、デザインの要になる部分に使われることが多い。
 さて同じ目的で使われる両者だが、モノ自体はまったく違う製法でできている。まずメッキは、金属の表面に別の金属の被膜を電気的に密着させている。上質な光沢が求められるクルマの場合は、まず下地にニッケル被膜を作り、その上にクロームの被膜を重ねる。ニッケルはクロームの密着性を良くするために施される。いきなり母材にクローム被膜をといかないところが、電気的な特性を使ったメッキの難しいところであり、当然、コストもかさむ。 一方のアルマイトは、アルミの表面に酸化被膜を形成させたもので、アルミの耐腐食性を20倍くらいに向上させる。色づけは、アルマイト被膜の表面の凹凸に染料を浸透させるというタトゥーのような方法で行なわれている。
 どちらも専用のコンパウンドで表面の酸化物や汚れを落とすのが手入れの常套手段だが、特にアルマイトは被膜の層がメッキほど強くない。日頃からワックスなどで外気を遮断しておくことが大切だ。

 

金属磨き用コンパウンドを使用

基本的なケア方法としては、素材を問わず金属磨き用コンパウンドを使って磨くのが効果的だ。
 

「ネバーダル」も有効

バイクユーザーには知る人も多い「ネバーダル」のような綿タイプの研磨剤も有効。ペースト状のものに比べ、手軽で磨き残しも少ないところがメリットだ。
 

「白っちゃける」原因と対策

古いクルマのメッキ処理されたモールなどを見ると、白くくすんでいることがよくある。これは酸化や紫外線などによって経年劣化が生じたためで、コンパウンドで磨くことによってある程度復活させることができる。