定期的にメンテされてきたクルマは
走行距離に関係なく調子が良い
多走行車を見極める上でもっとも重要なのが整備履歴。これまでどんなメンテナンスがされてきたかによって、今後の維持の手間が変わってくる。走行10万㎞オーバーともなれば、ある程度のメンテナンスはされているはずだが、その内容が非常に重要なのだ。理想はエンジンやATなどの大物修理がすでに済んでいて消耗品も定期的に交換しているクルマ、ワンオーナーで整備はすべてディーラーで行なってきたようなクルマも狙い目だ。
とはいっても、タイミング良くそういったクルマに出会えるとも限らない。そこで購入時に確認しておきたいメンテナンスポイントを下にまとめてみた。これらは電気系、冷却系、燃料系、点火系、駆動系における代表的な消耗品である。走行10万㎞オーバーであれば一度は交換しているはずで、こういった定期的なメンテナンスがされているクルマなら、トラブルが続いて乗り切れなくなってしまうことはないだろう。
ただし、2回目の交換時期を迎えるケースもあるから、これらに手が入っていればノーメンテというわけではない。これは多走行車に限らずすべての中古車に共通することなので、購入予算のほかメンテナンスのための予算も確保しておく必要がある。
多走行車で気をつけたいのは大物修理となる部分。エンジン、AT、エアコン、触媒などがそうだ。ある程度のオイル漏れは後から手を入れるとしても、エンジンのヘッドガスケットが抜けていたり、ATの変速が明らかにおかしいクルマは避けるべき。エアコンにおいても作動確認を行ない、過去に修理履歴があるかを確認しておこう。触媒は下回りから「カラカラ……」という異音が出ていたら交換の合図。車齢10年を過ぎたあたりから交換が必要になるケースが多く、部品代は想像以上に高価なので忘れずにチェックしておきたい。
整備履歴の確認が済んだら、後は一般的な中古車のチェックと同じ。エンジンが素早くスムーズに始動するか、アイドリングは安定しているか、室内まで響く大きな振動はないか、タイヤに偏摩耗はないかなど。装備類の作動確認も忘れないようにしよう。試乗が可能なら、いつもと同じような感覚で走り、異音や振動がないかをチェック。ATのシフトタイミングに違和感がないかなども確認しておきたい。どこかにトラブルを抱えているクルマなら、運転中に不快な印象が残るはずだ。
(すべて GERMAN CARS 2014年9月号より抜粋。相場や「現行型」「先代」などの表記はすべて2014年当時のもの)
多走行車で確認しておきたい
代表的な「メンテ済みポイント」リスト
多走行車を購入する時にチェックしておきたいのが、メンテナンスが済んでいるポイント。代表的な消耗品をピックアップしたので整備履歴をチェックする時の参考にしてほしい。また、メンテナンスが済んでいるといっても、いつ交換されたかが重要なので合わせて確認するようにしたい。
電気系パーツ
●エアマスセンサー
●クランクポジションセンサー
●カムポジションセンサー
●オーツーセンサー
●アクセルペダルセンサー
●エンジンハーネス
●オルタネータ
冷却系パーツ
●ウォーターポンプ
●サーモスタット
●ラジエター
●クーリングファン
燃料系パーツ
●燃料ポンプ
●燃料ポンプリレー
点火系パーツ
●イグニッションコイル
●ディスビキャップ&ローター
駆動系パーツ
●ベルトテンショナー
●クランクプーリー
●アイドラプーリー
ここは要チェック! 重要ポイント
●エアコン
●触媒
●ATのオーバーホール
●エンジンのオーバーホール