ボディを拡大しても操る楽しさはそのまま
BMWの走りの進化は止まらない
エンジンメーカーとしての歴史を持つBMW。そのこだわりは可変バルブ機構であるバルブトロニックや吸排気を効率化するダブルバノスといった機構を生み出し、レシプロエンジンとして最高レベルの技術が搭載されている。ただ走りを追求するだけならスポーツカーになってしまうが、セダンとしての実用性と走る楽しさという相反する要素を絶妙なバランスで仕立てているのが、BMWならではの魅力なのである。
中古車の流通量は豊富で、価格も割安な状況。その中で多走行車を選ぶなら前期型の320iはどうだろうか。BMWに乗るなら6気筒! という声は多い。確かに振動特性に優れ、滑らかに加速していくフィーリングは独特なものがある。けれども、現代の4気筒エンジンはよく出来ており、デメリットとなり得る部分は高い技術力や高度なエンジン制御によってカバーされているのだ。むしろエンジンが軽量な分、走りを楽しめる要素は強いと言える。
さらにベーシックな320iであれば装備類もシンプルな構成であり、オプションとなるiドライブが付いていないクルマも探しやすい。ある程度距離を走ったクルマを選ぶなら、装備類はなるべくシンプルなほうがいいのだ。そうは言っても、快適装備や安全装備は充実しているから実用において不満を感じる場面はない。
現在中古車として流通している320iの平均走行距離は少なめだが、多走行車になるとグッと安くなる。整備履歴などコンディションに注意して選べば、お得にBMWらしい走りを楽しむことができるのだ。 ( GERMAN CARS 2014年9月号より抜粋 )
BMW ビー・エム・ダブリュー
先代型3シリーズ(E90))
●全体の中古車相場:70~230万円
●多走行車の中古車相場:70~80万円
●平均走行距離:3.6万km(320i)
( すべて2014年当時 )
■お勧めグレードは?
320i(前期型)
6気筒モデルに比べて相場は割安で流通量も多い。iドライブが搭載されない前期型は機構的にもシンプル。
主な小変更
●生産期間:2005~2011年
●2008年~後期型
●05年、325iを追加。同年10月、323iと4WDの330ixを追加。●06年、335iを追加。●07年、4WDの325ixを追加。325iの装備を充実させる。●08年11月、マイナーチェンジを実施。●09年、320iスタイルエッセンスを追加●10年、リーンバーン技術の採用によって燃費性能を向上。( すべて2014年当時 )
Specifications
2005年式 320i
●全長×全幅×全高:4525×1815×1425㎜ ●ホイールベース:2760㎜ ●トレッド(前)/トレッド(後):1500/1515㎜ ●車両重量:1460kg ●エンジン方式:直4DOHC ●総排気量:1995㏄ ●最高出力:150ps/6200rpm ●最大トルク:20.4㎏-m/3600rpm ●トランスミッション:電子制御式6速AT