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BMW Xシリーズ SUV

2022.06.08

【GC-SUV倶楽部】BMW SAV&SACセレクション

 BMWでは初代X5からSAV(スポーツ・アクティビティ・ヴィークル)と呼び、さらにクーペのようなルーフラインを持つモデルをSAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)として追加し、現在では充実したラインナップを持つようになった。そこでここでは、中古車でも購入できるSAVとSACの個性や装備、メカニズムについて紹介していこう。

 BMW初のSUV(BMWではSports Activity Vehicleと名乗る)は、2000年に登場した初代X5(E53)だった。ベースとなっているのはE39の5シリーズで、当初はV8ユニットだけを搭載しメルセデスのMクラスよりやや上級に位置するイメージだった。走らせると車高が高いことを忘れさせる安定感とステアインフォメーションで、SUVにおいてもBMWらしさをキッチリと主張することに成功。現在では、X5/X3/X1がSAV、X6/X4/X2がSAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)とカテゴリーを分けながらラインナップを拡大している。
BMWはどんなモデルにおいても、「いかに気持ち良く走れるか」という部分においては他メーカーと比較しても突出している。そこまでやらなくてもいいのでは? と思うことであっても、BMWのエンジニアは決して妥協しない。走りがもっと良くなることであれば、それに挑戦し実用化してきたのだ。可変バルブ機構であるバルブトロニックやマグネシウム合金を用いた直6エンジンなど、世界で初めて実用化した技術も多い。
 そんなBMWのこだわりと最先端の技術は、これから紹介するSAV&SACモデルにも投入されている。スポーツやラグジュアリーなど、これまでパッケージオプションだったものを、デザインラインとして設定。ユーザーのニーズに応える車種展開を行なっているのだ。
 ここでは中古車を含めた各モデルのキャラクター、ポイントとなるメカニズムなどを紹介していく。
 

X1

快適な室内とxDriveによる安定した走り

 BMWではSUVではなく、SAV(スポーツ・アクティビティ・ビークル)と呼ぶ、コンパクトなX1。先代よりも全高が高められたことにより居住性が向上。1シリーズでは狭く感じる人にも満足できる室内空間を確保している。sドライブは前輪駆動(FF)で、xドライブは4輪駆動(4WD)となる。このxドライブは横滑り防止装置であるDSCと連携することで、路面状況に応じてトルク配分を最適化。これにより高い走行安定性を実現している。最先端の安全装備も多数搭載している。

精悍な印象を与えるフロントマスク、エッジの利いたボディラインは都会的な雰囲気を醸し出す。オフローダーらしさを強調したxLineとMスポーツの2つのデザインラインを用意。
センターコンソールの処理など、X1ならではのデザインとなっているインパネ回り。18iは6AT、20i、25iには8ATが搭載される。充実した快適装備も魅力的だ。
軽快に回る直4ターボをメインに、直3ターボもラインナップ。低回転域から高いトルクを発揮する。
先代に比べて全高が35mm高められたことで居住性が向上。後席の足元スペースにもゆとりがあるから、ゆったりと寛ぐことができる。後席用のエアコン拭き出し口も装備されている。
 

X3(F25)

オン・オフロードでの快適な走りを約束

 程よいボディサイズを持つSAVであるX3。アウトドアなどアクティブなカーライフにマッチすることはもちろんのこと、オンロードがメインの使い方でも軽快なハンドリングを楽しめるのが魅力。アダプティブLEDヘッドライトはステアリングの動きに合わせて照射角度を変化。ドライビング・パフォーマンス・コントロールによって、スポーツからコンフォートまで乗り味を変更することも可能。低回転から力強い加速力を発揮するディーゼルエンジン搭載モデルもラインナップされている。

堂々とした存在感を放つエクステリア。LEDヘッドライトにはフロントターンインジケータ、ドアミラーにはサイドターンインジケータを内蔵。LED フォグライトは標準装備。
3シリーズと共通のテイストでまとめられたインテリア。ウッドパネルを装着するなど、全体的に質感の高い仕上げとなっている。トランスミッションは全車に8速ATを搭載する。
メインエンジンは直4ターボ。4気筒でも十分なトルクを発揮する。パワフルな直6も用意する。
スポーツ、コンフォート、エコモードなど好みに合わせてエンジン、ミッション、足回りなどの設定を任意に変更できる。
 

X4(F26)

ミドルクラスとしては初となるSAC

 クーペのような美しいルーフラインとSUVという2つのキャラクターを融合したX4。BMWではこれをSAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)と呼ぶ。メカニズム面においてはX3とほぼ共通だが、全車にスポーツタイプの8速ATを搭載。4輪駆動システムであるxドライブと連携するパフォーマンスコントロールは高い走行安定性を発揮し、速度に応じてステアリングの切れ角が可変するバリアブルスポーツステアリングによる操縦性など、SUVとは思えない走りを披露してくれる。

流れるような美しいルーフラインと力強さを感じるキドニーグリルを持つX4のエクステリア。LEDとなるヘッドライトはステアリングの切れ角に連動して最適な照射を行なう。
レザータイプのスポーツステアリングを標準装備するほか、質感の高いアルミパネル、エアコン回りにハイグロスブラックパネル装着するなど豪華な印象となっている。
効率的な制御により、ハイパワーと省燃費を実現したパワーユニット。直4と直6ターボを用意する。
リアバンパーの下で足を左右に動かせば、テールゲートが自動で開くコンフォートアクセス。両手に荷物を持っている時でも鍵を探す必要がない。
 

X5(F20)

プラグインハイブリッドモデルを設定

 話題となった初代モデルから数えて3代目となる現行型のX5。最新トピックとなるのは、BMWのコアブランドとしては初となるプラグインハイブリッドモデルが設定されたこと。2ℓの直4ターボに電気モーターを組み合わせ、313ps、45.9㎏‐mを発揮。リチウムイオンバッテリーは床下に格納し、ラゲッジルームの容量を確保している。もちろん、通常のガソリンエンジン、ディーゼルエンジンも用意。同一車種で3つのエンジンを選べるようになり、選択肢の幅が広がっている。

xDrive40eは専用のサスセッティングとなり、電子制御式ダンパーとリアのレベライザーを標準装備する。革新の運転支援システムであるドライビングアシストは全車に標準装備。
洗練された上質な空間となっているX5のインテリア。xDrive40eではボタン操作でモーターとガソリンエンジンのオペレーションを変更することが可能となっている。
xDrive40eのパワーユニット。時速120㎞、航続距離は最長31㎞までゼロエミッション走行が可能。
EV専用の充電コンセント、またはBMWiウォールボックスピュアから充電することが可能で、3.5~4時間で満充電となる。
 

X6(F16)

車重を感じさせないパワフルな走り

 スポーツ・アクティビティ・クーペのX6は、路面の状況などに応じて最適なトルク配分を実現するxドライブを搭載。コンフォート、スポーツ、スポーツプラスという3つのセッティングが選べるダイナミックダンピングコントロールのほか、速度に応じてステアリングの切れ角が可変するアクティブステアリングなどを装備。エンジンは直6ターボ(306ps/40.8㎞‐m)とV8ツインターボ(450ps/66.3㎞‐m)を用意。どちらも、車重を感じさせないパワフルな走りを楽しめる。

エッジが利いた立体感のあるデザインで、大型のキドニーグリルが力強さをアピール。アダプティブLEDヘッドライトを装備し、ラゲッジルームはゆとりあるスペースを確保する。
クーペのような流麗なルーフラインを持つX6。空気抵抗を大幅に減少させるデザインとなっている。
素材にこだわったレザーインテリアはゴージャスな雰囲気。スポーツ形状のフロントシートは身体をしっかりとホールドしてくれる。ミッションは全車に8速スポーツATを搭載。
圧倒的な加速力を持つV8ツインターボ。2000~4500回転域で豊かなトルクを発生させる。