TOP > 記事 > 【BMW M&ALPINA あなたの感性に合うのはどっち?】Mシリーズにまつわる維持のハナシ①
BMW Mシリーズ

2022.08.25

【BMW M&ALPINA あなたの感性に合うのはどっち?】Mシリーズにまつわる維持のハナシ①

 ノーマルモデルとは別格の高性能が与えられているMシリーズ。そのパフォーマンスを発揮するためには、やはりメンテナンスが重要になる。ノーマルと比べて異なる点、共通する点をまとめて紹介していこう。

メンテナンスはノーマルと変わらない?

 Mシリーズといっても、基本的な部分についてはベースとなっているモデルに準じている。水回り、駆動系、点火系などの交換サイクルをキッチリ守るのが快調を保つ秘訣。
 水回りはウォーターポンプとサーモスタットの交換が必須だが、ここにはMシリーズならではのポイントがある。例えば、M3ではこれらが専用品となっており、価格もノーマルに比べて高め。BMWの鬼門と言われる部分だけにしっかりと手を入れておく必要はあるが、Mだから壊れやすいとか寿命が短いということはない。むしろ、信頼性においてはノーマルよりも高いと言われている。
 オイル漏れ関係ではパワステホースからの漏れがあるが、BMWの持病のようなものなのでひどいようなら交換するしかない。何度も交換するのが面倒だという人はステンメッシュ製のワンオフ品を使うという手もある。純正よりも耐久性が高く、サーキットを走る機会が多いユーザーにはお勧めだ。エンジン関係のオイル漏れではタペットカバーパッキンやオイルフィルターハウジングからの漏れが多い。漏れを放置しておくと新たなトラブルの原因に繋がるので早めに対処しておこう。
 足回りは専用品が装着されている。ショックアブソーバーやゴムブッシュなどはMシリーズ専用だ。
 M3を例にとれば、ロアアームブッシュとそれに備わるボールジョイントのガタつきはお約束。ブッシュに亀裂が入ったり、ボールジョイントのブーツが裂けてグリースが漏れ出すのが定番である。足回りのメンテナンスは後回しにされることが多いが、Mシリーズならではの走りを楽しむならリフレッシュしておきたい部分。メンテナンス後の走りがこれまでと違うことに気づくはずだ。
 エンジン不調の原因になりやすいのがクランクシャフトセンサーを始めとした各センサーの不良。アイドリングがおかしくなったり、エンジンがいまいち吹けないと感じたら、早めに修理工場に持ち込みコンピュータ診断を受けておこう。
 こうして見ていくと、エンジンや足回りに専用品を装着するもののメンテナンスの方向性としてはノーマルと変わらない。専用部品はノーマルに比べて価格は高めだが、それと引き換えに高性能を得ているわけだからある意味仕方がない部分。それよりも、メンテナンスを怠ったことが原因でトラブルに繋がってしまう方が怖い。それゆえ、オイルや冷却水の管理はしっかりと行ない、定期的な交換を心がけよう。Mだからといって維持が難しいということはない。

ノーマルと違うのは部品代だけ
維持するのは難しくない

イグニッションコイルの不良によりエンジン不調になるケースがある。点火系におけるメジャーな消耗品のひとつだ。コンピュータ診断を受ければ何番のコイルがダメなのかを特定できる。
Mシリーズの魅力は何といってもエンジンにあるが、補機類には専用品が使われている。例えば、E46型M3のウォーターポンプとサーモスタットは専用品であり、部品代もノーマルより高い。
センサーの不良は定番。エンジン不調などを引き起こす原因になる。
足回りのメンテナンスは後回しにされがちだが、きっちりとメンテナンスしておきたい。ショックやブッシュの一部は専用品となることが多い。