TOP > 記事 > BMWの本質を具現化した3シリーズの奥深き魅力

BMWの本質を具現化した3シリーズの奥深き魅力

航空機用エンジンを扱う会社からスタートとしたBMWだけに、エンジンに対する思い入れは強い。いかに速く、いかに気持ち良くドライビングができるかを追求しながら発展していったBMW。その中で高い人気を誇っているのが、旗艦モデルである3シリーズ。その歴代モデルを見ながら、奥深き魅力について掘り下げていきたい。

若々しく知的なFRサルーンというイメージ

 BMW全体の販売シェアの中で約半数を占めているのが3シリーズである。それだけ多くのユーザーが3シリーズを選ぶ理由と何だろうか。BMWの哲学は「駆け抜ける歓び」、つまり走る楽しさを追求することにある。フルサイズの7シリーズであっても、いま人気のSAV(BMWではSUVではなくSAVという)であっても、BMWの高い技術力を生かして走る楽しさを追求している。そう考えると、走る楽しさというのはBMW全モデルに通じるので「3シリーズだから」ということには繋がらない。

 では、ボディサイズの問題なのか。歴代3シリーズを見ていくと、初代モデルと比較してE90型は全幅で13%、全長で4%もボディが拡大されている。その他の3シリーズを見ても、一つ前の5シリーズと大差がないほど大きくなっているのだ。居住性や安全性をより高めるためにはサイズアップは否めない。これはBMW限った話ではないのである。

 しかしながら、重量を見てみるとサイズアップによって増える分を最低限に抑えている。例えばE46型330i(AT)の車重は1520㎏だが、E90型330i(AT)は1550㎏と30㎏しか増えていない。デビュー当初は4シリーズか! と言われたほど大きくなったE90だが、見た目の印象に反して重量は大きく変わっていないのである。

 それを実現できているのは、マグネシウム合金を採用して世界最軽量の直6エンジンを生み出したり、足回りにも高価なアルミを多用してばね下重量を軽減しているなど、BMWの高い技術による徹底した軽量化がなされている。

 ただ、軽量ということだけに目を向ければ、3シリーズよりもコンパクトな1シリーズや2シリーズがラインナップされているから、重量というのもさほど大きな理由にはなっていないだろう。

 そう考えるとボディサイズや重量といったスペックではなく、もっと感覚やイメージ的なものなのだと思えてくる。そもそも3シリーズは初代モデルの登場によって、BMWをメジャーブランドに押し上げる原動力になったモデル。その後も進化を続けるが、こうした歴代3シリーズが持つ「若々しく知的なFRサルーン」というイメージが、多くのBMWフリークの心を掴んでいるのだ。

 もっと言えば、実用性の高いオーソドックスなセダンスタイルに高級感をプラスし、誰にでも運転できる安心感、そして、その気になればクルマ好きを魅了する走る楽しさを高次元で融合していることが、3シリーズを選ぶ大きな理由になっているのではないだろうか。

 家電でも洋服でも、そしてクルマでも売れるモノには必ず理由がある。次のコーナーからは先代のF30から初代のE21までの詳細情報、購入時に覚えておきたいこと、維持情報までを徹底解説。歴代モデルを比較してみると、時代に合わせて変わっていったものも見えてくるはず。

 BMW3シリーズが持つイメージやこだわりが誰にでも楽しめるというのは、初代モデルから変わらぬ3シリーズの流儀なのである。

BMW専門店「つたえファクトリー」で販売されているE30型3シリーズ。コンパクトなボディにSOHCの直6を積んだ88年式の320i。整備履歴も残っているので、今後のメンテナンス計画も立てやすい。希少なモデルなので、気になる人は早めに問い合わせを! 走行距離は8.8万km、価格は243.8万円。

●車両の問い合わせ:つたえファクトリー

TEL:048-961-8591

http://www.tsutae-f.com/