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愛車に優しい 取り扱い方法〜ヤングクラシックモデル編 Part-02〜

頑丈な鉄の塊に思える自動車だが、実はとても繊細でデリケートな機械。間違った扱い方1つでも、長年の蓄積によって故障の原因になることがある。そこでこのコーナーでは、ドイツ車をトラブルフリーで長く快調に走らせ続けるために気をつけておきたい、愛車に優しい取り扱い方パート2を紹介しよう。

愛車に優しい取り扱い(その4)→積もった雪をワイパーではらうべからず

ワイパーはあくまでも雨水を拭き取るための装置なので、薄っすらと積もった程度でも雪を払おうとすると大きな負荷がかかってしまう。

薄く積もっただけで途中で止まってしまう場合がある

雪国の人にとっては常識だと思うけれど、年に一度くらいしか雪の降らない都心部ではついやってしまいがちなのが、フロントウインドーに積もった雪をワイパーではらうという行為。これはモーターに大きな負担を強いるもので、場合によってはワイパーアームが雪の重さに負けて途中で止まってしまうこともある。

 この時、モーターには過電流が流れ続けている状態なので、ヒューズが飛んでしまうことも。むしろヒューズが切れてくれれば電流はカットされるのだが、ワイパーが止まってしまい慌てて手で雪をかき落とすと、抵抗がなくなってワイパーがいきなり動きだし危険なケースもある。

 雪が降りそうな時に屋外に駐車する時は、ワイパーアームを立てておくのが基本。そうしないとフロントウインドーに積もった雪の重さをワイパーアームが全て受けてアームが押し下げられてしまう。ボディ側に取り付けられているワイパーリンケージへの負担も大きい状態だ。

 またワイパーの作動中に枯れ葉などの異物が挟まってしまうことがある。そんな時は速やかに取り除くようにしよう。めんどうだからとそのままにして、ワイパーを高速で作動させると、意外なほど柔らな異物でもフロントウインドーにキズが付いてしまうことがある。もちろん拭き取りの邪魔にもなるので、視界は大きく妨げられるはず。ワイパーは雨水を拭き取るための装置なのだ。

愛車に優しい取り扱い(その5)→縁石にはなるべく直角からアプローチ

駐車場の出入り口などにある縁石をまたぐときには、なるべく直角からアプローチするのが基本。扁平タイヤを履いているならなおさらだ。

サスペンションやタイヤへのダメージを予防する

なるべくなら乗り越えたくはない、歩道と車道の境界などにある縁石。駐車場の出入り口などでどうしても踏み越えなくてはいけない場合は、こういった縁石に対してなるべく直角からアプローチするようにしよう。

 その理由は自転車に乗っている時をイメージして欲しい。浅い角度で横からタイヤを縁石に当てれば、はじき返されてハンドルを取られてしまう。クルマのタイヤでも同じようなことが起きているわけで、足回りへの衝撃や負荷は非常に大きくなる。ある程度の速度が出ていれば、それだけでサスペンションを破損したりアライメントが狂ってしまうことも十分に考えられるのだ。

またタイヤの中で最も弱いサイドウォール部分に深刻なダメージを与えてしまう可能性もある。接地面に釘が刺さったような場合はパンク修理で対応することも可能だが、サイドウォール部分に穴が開いてしまったらそのタイヤはもう使うことができない。スポーティな扁平率の低いサイドウォールが薄いタイヤであれば、低い縁石でもホイールのリム部分を傷付けてしまうこともあるだろう。足回りのためにも、タイヤ&ホイールのためにも、とにかく縁石があるところでは大回りして直角に乗り越えるように心掛けよう。このような日常の運転におけるちょっとした気遣いも、クルマを長持ちさせるためには重要なファクターとなるのである。

愛車に優しい取り扱い(その6)→段差に乗り上げての駐車は短時間のみにする

段差に乗り上げるしかない場合、車体が左右に傾く状態での駐車はなるべく避けるべき。足回りなどへの負担が非常に大きくなってしまう。

足回りは横方向の段差に対する許容量が少ない

駐車スペースが限られている場合や他にどこにもクルマを置く場所がない時などに、左右どちらかのタイヤだけを段差に乗り上げて駐車することがあると思う。下になっている側のタイヤは車体の重さで潰れていかにも辛そうだが、これは足回りにも同様にかなりの負担を強いていることになる。なるべくなら避けたい状況だ。

 クルマの足回りは前後方向の段差に対してはかなり許容量があるが、左右の段差には強くない。長時間の駐車は足回りのアライメントに悪影響がある他、ブッシュの劣化が進んでいる低年式のクルマの場合は潰れやねじれによる亀裂の発生、進行の原因となってしまうこともある。このような駐車方法はなるべく短時間で済ませるようにしたいところだ。

 普段クルマを保管している駐車スペース自体が斜めになっているようなケースも考えられると思う。なるべくならこういった場所は使用しないのが一番だが、そうも行かない場合もあるだろう。そんな時は1日おきに前から駐車したり後ろから駐車したりすることで、左右の負担を分散することが可能だ。エンジン関係には気を使っている人でも、足回りはあまり気にしていないということが多いと思うが、ドイツ車の味わいはサスペンションの良さによるところが大きい。つまらないことでその味わいをスポイルしてしまわないように、気を付けたいものだ。