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はじめてメルセデス入門ガイド④

 メルセデスに乗るのはまだ早いと思っているなら考え直してほしい。 日本でのメルセデス・ベンツは高級車というイメージが強く、確かにそういった側面があるのも事実なのだが、ドイツなどの海外に目を向ければタクシーや商用車として街中を走り回っているほど身近なクルマという認識なのだ。  ここではそんな実用的なメルセデスにはじめて乗ろうと思っている人に向けて中古車購入における疑問を解決する入門ガイドをお届けしよう。

Q.4 実際の中古車を選ぶポイントは?

どんな整備がされてきたクルマなのかが重要
見た目に惑わされず異音や振動もチェック

機械的なコンディションを見るようにしたい

 中古車にはダークなイメージを持っている人も少なくないだろう。しかし走行距離は車検の度に検査証に記載されるようになり、事故車についても修復歴の基準が明確化されているので、こういったクルマの根本的な価値を左右するような不正行為は、現在ではほとんどなくなっているからご安心を。
 その一方で、クルマのメカニズムはどんどん複雑になって部品がモジュール化されているため、故障が起きると修理代が割高になる傾向が強くなっている。しっかりとメンテナンスされてきた、大切に乗られたクルマを選ぶことが、後々の維持費を大きく左右することになる。
 そこで売買契約書にサインをする前に、クルマのメカニズム部分の状態をよくチェックしておくことが大切なのだ。外装はプロが磨けばすぐに美しく輝くようになるし、エンジンルームも専門業者ならキレイに見せるノウハウを持っている。こういった見た目に惑わされず、機械としてのコンディションを見極める必要があるわけだ。
 まず最も基本的なことは、エンジンが素早くスムーズに始動するかどうか。スターターが回っている時間が長かったり、回り方が苦しいようなクルマは問題あり。エンジンがかかったらしばらくは回転が高く、次第に落ち着いてアイドリング状態になるか、その時に振動や回転数のブレなどが出ないかをチェックしよう。
 エンジンを支えているゴム製のマウントが劣化していると、エンジンがかかった直後に揺れ返しのような大きな振動が出ることがある。この部品が劣化した状態で乗り続けると、エンジンの搭載位置が下がってしまい、振動も増すため様々な部分の不具合を誘発してしまう。ステアリングに振動が伝わってくるようなクルマは、問題ありと思っていい。
 次にチェックしたいのがタイヤ。本来なら均一に減っているはずの溝が、外側だけとか中央部分だけとか、おかしな摩耗をしているクルマは足回りに狂いが生じている。ブッシュなどの大々的な見直しが必要な状態だ。こういったチェックができないので、販売時に新品のタイヤに交換されている中古車というのも考えもの。本当に得なのか、十分に検討したい。また外装では、樹脂製のヘッドライトレンズがよく見ると黄色く変色しているクルマが多い。コレは紫外線によって劣化した状態なのだが、つまりは直射日光にさらされていたということ。保管状態はあまり良くなかったと想像できる。
 試乗が可能だったら、とりあえず普通に乗ってみるといい。査定のプロでも試乗で全体のコンディションを見極めることは難しいので、神経質にならず自然に流して、気持ちよく走るか、何となく違和感を感じることがないかをチェック。この時、ATがギアチェンジするタイミングがおかしかったりすると、不快な印象があるはずだ。
 あとはインテリアの状態も重要なチェックポイント。ステップなどの足元部分やシフト回りなどにキズが多いクルマは、以前のユーザーが手荒く扱っていた可能性がある。愛情を込めて大切に扱われていたクルマは、やはり調子が良いものだ

Point.1 スイッチ類の作動確認
たかがパワーウインドーの不動でも、スイッチがユニット化されていて思わぬ出費になることがあるので要注意。フロントだけではなくリアのスイッチもチェックしておこう。パワーシートスイッチも、背もたれや座面の調整が正常に動くかどうかを運転席、助手席ともにチェック。壊れると高くつくのがエアコン。高年式モデルではトラブルが多いわけではないが確認して損はない。
Point.2 エンジンの状態をチェック
キーを回してエンジンが素早く始動するか、スムーズに動いているか、アイドリングが安定しているかなどチェック。その時に何かがこすれるような音やステアリングまで響く大きな振動がないかなども確認。メカニズムに詳しくなくても、エンジンをかけてみて違和感があったら、たとえそのクルマを気に入っていても諦めるくらいの余裕はほしい。高年式モデルであればタマ数は豊富にある。
Point.3 タイヤの状態から足回りを予測
リフトアップして下回りを確認させてくれるショップもあるが、まだまだそういったところは少ない。それゆえ足回りの状態を確認することは難しいのだが、タイヤの状態からコンディションを予測するという手もある。中央部分だけが摩耗したタイヤなど偏摩耗が起きているクルマは、足回りの状態が正しくないことを物語っている。アライメントも狂っている可能性が非常に高い。
Point.4 ATのシフトショックを確認
高年式メルセデスに搭載される電子制御式ATは信頼性が高いのだが、購入の際には必ずチェックしておきたい部分。試乗が可能であれば、変速のタイミングやPレンジからRレンジに入れた時とその逆でシフトショックが大きくないかを確認しておきたい。その時に、不快な印象がないかどうか確認しておくと安心。ATは高価な部品ゆえに、ここは慎重にチェックしておきたい部分だ。
Point.5 内装のコンディション
インテリアがキレイなクルマはコンディションが良いと言われる。確かにそういった側面もあるのだが、クリーニングをすればキレイになるのだから絶対というわけではない。ただし、ウッドパネルやスイッチパネルの周囲など、交換するのに費用がかかる部分などをチェックするのはコンディションを予測するのに役立つ。やはり大切にされてきたクルマはこういった部分もキレイに保たれているのだ。