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Gクラス 整備

2021.11.09

【M・Benz Gクラス カスタムアーカイブ】Gクラスに強いメカニックが在籍するメルセデス専門店 オートフィールド②

 高い快適性と走破性を両立した生粋のクロカン四駆であるGクラス。そのルーツは軍用車で、転用によって民生用として販売されたという経緯を持つ。
 W463型と呼ばれる現在のモデルはフルタイム式の4WDシステムを採用した第2世代で、前後とセンターのデフは電気的なスイッチを作動させることで油圧によって別々にロックすることが可能。オフロードコースに持ち込んでも、ランドクルーザーやジムニーに迫る走りが可能なほど高い潜在能力を持っている。
 圧倒的な走破性と強靱な耐久性を実現しているのが独特のフレーム構造で、完全な筒型の鉄骨内部に防錆加工まで施す念の入れよう。通常のクロカン四駆では、断面がコの字型になるフレームを使用するのが一般的なので、その差は明らかだ。前後のサスペンションはリジット式で、コイルスプリングを介してフレームにマウントされている。
 その一方、インテリアはメルセデス・ベンツの標準的なデザインと素材を使ったハイクオリティなもので、オートエアコンのクライメートコントロール、パワーシートにシートヒーター、クルーズコントロールなども備わっている。新型は別として、さすがに乗り心地は乗用車同様とはいかず、真っ平らなフロントウインドーから見下ろす視界もトラックのようだが、ひたすら頑丈で手作りの温もりがある旧車のような雰囲気を味わえる希少な存在である。

堅牢なラダーフレームを持つGクラス。その作りはとてもタフだが、その独特な構造がメンテナンスのポイントになる。

独特な構造を持つGクラスのメンテナンスポイントをピックアップ!

クーラーコンデンサ
クーラーコンデンサーが腐食などにより穴が空くことがある。フロントタイヤの内側をよく確認し、オイル漏れなどを確認したすぐにプロに見てもらおう。
コンピュータ
エンジン制御を行うコンピュータにトラブルが起きるとエンジン不調、始動不良などを起こす。コンピュータは年式によって搭載位置が異なる。
循環フラップ
古めのGクラスではバルクヘッド付近に備わる循環フラップ。外気循環のままにしておくとゴミなどが詰まってしまう。外気循環は必要な時だけにしよう。
トランスファー
センターデフと副変速機の役割を担うトランスファー。前後のプロペラシャフトが連結される部分は定期的なシール交換が必要になる。
ウインカー
Gクラスならではというべきなのがウインカー。劣化によりヒビ割れを起こしてしまうことが多い。レンズが黄ばみが発生してきたら交換しておきたい。
ゴムホース
エンジンにもよるのだが、エンジンカバーとホースとのクリアランスが狭く、振動などに擦れてしまうことが多い。水漏れなどを起こすこともある。
エアポンプとバキュームホース
排気ガス浄化装置であるエアポンプの不良のほか、その横に見えるバキュームホースが劣化により亀裂などが入ってしまうことがある。
アームのボールジョイント
タイロッドエンドなどのゴムブーツが破れてしまうことが多い。純正品だとジョイントごとの交換になるが、他のメルセデスの部品を流用できるとのこと。
ブレーキホース
独特な構造ゆえにブレーキホースの取りまわしが悪く負担がかかりやすい傾向にある。重要な部品なので定期的に点検するようにしたい。
ブレーキローターの偏磨耗
重い車重が影響し、ブレーキローターは偏摩耗を起こす個体も少なくない。研磨で修正不可な場合は新品へ交換となる。
フロントハブのグリースアップ
フロントのハブ回りは定期的なグリース交換が必須で、必要以上に漏れだした場合は分解し、シールパッキンの交換が必要になる。
マフラーなどの腐食
サビなどの影響によりマフラーなどが腐食してしまっているケースは少なくない。古めのクルマほど注意しておきたいポイントだ。
 
 
AUTO FIELD(オートフィールド)

所在地:埼玉県久喜市樋ノ口1-6
TEL:0480-25-4811
営業時間:平日10:00~19:00 土日祝10:00~18:00
定休日:月曜日・第二火曜日

URL:http://www.autofield.co.jp/

 

※この記事はG-CLASS PERFECT BOOK VOL.3に掲載されたもので、取材当時の内容となります。