革新の技術と伝統を融合させた新世代
洗練された走りはメルセデスそのもの
エクステリアは一つ前のW210のイメージを持つ丸目4灯のヘッドライトと、全体的にシェイプアップされたエレガントなボディラインで構成されている。エンジン制御はより高度なものになり、上級モデルには7速ATやエアサスを装備。これらを関連制御することによって燃費性能にも貢献している。フロントサスはWウィッシュボーンから4リンク式に進化し、フラットな乗り心地と操縦安定性を実現。フリークにとっては薄味と言われることもある丸目世代だが、W211の安定性の高い洗練された走りはメルセデスそのもの。じつに快適に目的地まで辿り着くことができるのだ。
モデルライフを通じて多くのグレードがあるW211だが、その中で注目したいのがE320CDIアバンギャルドである。06年に登場し、日本におけるディーゼルエンジンのイメージを覆した先駆者とも言える存在だ。排気ガスがクリーンというだけではなく、ディーゼルならではの太いトルクは高速での追い越しもラクだし、ガソリン価格が高騰している現在においては財布にも優しい。ATもシンプルな5速タイプとなっている。
中古車の流通量はガソリン車に比べて少ないが、全く探せないというわけではない。流通している中古車の平均走行距離は6.2万㎞。ガソリン車に比べると多いことから、距離を走る人に選ばれているのが分かる。欧州ではディーゼル車を選ぶ割合が日本に比べてはるかに多く、道具として使い倒している。日本ではちょっと考えられないが、ドイツでは年間3万㎞も走ってしまうケースもあるという。メルセデスのディーゼルユニットは、それだけのタフさを持っているとも言えるのだ。( GERMAN CARS 2014年9月号より抜粋 )
Mercedes-Benz メルセデス・ベンツ
先代型Eクラス(W211)
●全体の中古車相場:70~250万円
●多走行車の中古車相場:70~140万円
●平均走行距離:6.2万km(E320CDI AVG)
( すべて2014年当時 )
■お勧めグレードは?
E320 CDI アバンギャルド
環境に配慮した新世代のディーゼルユニットを搭載。走行距離が多い中古車が目立つが、それだけタフであるとも言える。
主な小変更
●生産期間:2002~2009年
●2006年~後期型
Specifications
2008年式 E320CDI
●全長×全幅×全高:4850×1820×1465㎜ ●ホイールベース:2855㎜ ●トレッド(前)/トレッド(後):1565/1560㎜ ●車両重量:1780kg ●エンジン方式:V6DOHC+T ●総排気量:2986㏄ ●最高出力:211ps/3400rpm ●最大トルク:55.1㎏-m/1600~2400rpm ●トランスミッション:電子制御式5速AT