カジュアルに乗れるメルセデスとして
今注目の存在と言える2代目Eクラス
デザインは一新され、これまでの直線的なイメージからエレガントな丸型4灯のヘッドライトを採用。本革シートやサンルーフ、専用の足回りなどのセットオプションである「アバンギャルド」を設定して、安価に高級な仕様を入手できるようになったのもトピック。世界的にも販売台数が伸び、歴代Eクラスの最高を記録している。メカニズムとしては、98年に当初積んでいた直列エンジンから燃費性能を高めたSOHC3バルブのV6エンジンに変更。これ以降、多くのメルセデスに搭載されるメインユニットとなった。ATも電子制御式5速に変更されている。
年式によって様々なグレードがあるW210だが、ここで注目したいのは後期型のE320アバンギャルド。後期型は完成度が高いということと、新車時に高い人気を誇ったグレードなので中古車の流通量が豊富にあることなどがその理由だ。しかも高級仕様を安く手に入れられるのはお得だし、構造もSクラスに比べればシンプル。電子制御においても複雑ではないから、定番のポイントさえ抑えておけばメンテナンスも簡単だ。何かあっても、部分修理する方法が確立されているのも安心要素。定期的なメンテナンスが必要なのはどんなドイツ車でも同じなので、ここをしっかりとやっておけば長く乗り続けることが可能なのだ。
中古車として流通しているE320アバンギャルドの平均走行距離は7.4万㎞。多走行車は、30万円以下でも入手できる状況だから、今が底値状態にあると言える。
W210はそれ以前のメルセデスと比較されることが多い。確かにフィーリングの面においては薄味になったけれど、走行安定性や安全性がメルセデスクオリティであることは間違いない。角目世代は素晴らしいクルマだが、やはり年式なりの手入れが必要なのは事実。そう考えると、底値状態にあるW210はカジュアルに乗れるメルセデスとして注目したい存在なのである。 ( GERMAN CARS 2014年9月号より抜粋 )
Mercedes-Benz メルセデス・ベンツ
2代目Eクラス(W210)
●全体の中古車相場:20~110万円
●多走行車の中古車相場:20~60万円
●平均走行距離:7.4万km(E320アバンギャルド)
( すべて2014年当時 )
■お勧めグレードは?
E320 アバンギャルド
新車時に売れた人気グレードなので流通量が豊富。エンジンの信頼性が高く、メンテナンスの手法も確立されている。
主な小変更
●生産期間:1996~2002年
●2000年~後期型
●97年8月、当初積んでいた直列DOHCエンジンをSOHC3バルブ式のV型に一新。E230はE240にグレード名変更。ブレーキアシスト、エレクトロニックキーを採用。●98年8月、SRSウインドーバッグを採用。●99年11月、マイナーチェンジ実施。E240の排気量を2597ccへと拡大。( すべて2014年当時 )
Specifications
2002年式 E320AVG
●全長×全幅×全高:4820×1800×1415㎜ ●ホイールベース:2835㎜ ●トレッド(前)/トレッド(後):1525/1520㎜ ●車両重量:1590kg ●エンジン方式:V6SOHC ●総排気量:3199㏄ ●最高出力:224ps/5600rpm ●最大トルク:32.1㎏-m/3000~4800rpm ●トランスミッション:電子制御式5速AT