ファミリーカーとして設計された初代「C」
年式によってメカニズムが大きく異なる
ニューコンセプトといっても、リサーキュレーティングボール式のステアリングなど伝統的なメカニズムは継承。その一方で97年からは新世代のV6エンジンや電子制御の5速ATを採用するなど、モデル途中で電子制御化が進んでいるのが初代Cクラスの特長だ。これ以降はCANデータバスという高度な電子制御を搭載するため、メカニズムにおいては初期モデルと大きく異なるのである。
そういった意味で「シンプル&タフ」というテーマで初代Cクラスを選ぶなら、初期モデルでもっともベーシックなC200に注目したい。扱いやすいコンパクトなボディを、必要最低限のパワーで使い倒すというのがCクラスのキャラクターに合っている。エンジンは4バルブの直4DOHCで、多くの小排気量モデルに採用されたメインユニット。頑丈なエンジンなので、定期的なメンテナンスさえ怠らなければ長く乗り続けることができる。ATがシンプルな機械式4速であることもポイントだ。今でも多くのファンがいて元気に走っていることからも、このクルマの耐久性の高さがうかがえる。
中古車の数は以前に比べて減っているが、それでもまだまだ探せる。中古車として流通しているC200の平均走行距離は8.1万㎞。全体的に距離が多いクルマが目立つが、価格は底値とも言える状況だ。車両は安く買えるのだから、ある程度はメンテナンスしてコンディションを戻してやれば十分に実用になる。この時代のメルセデスは手を入れてやればよみがえる高い再生力を持っている。それは頑丈なボディがあってこそ実現できるものだ。
往年のメルセデスらしさを残しつつ快適装備を充実させた初代Cクラスは、イマドキのクルマにはない特別な味わいを堪能できる。 ( GERMAN CARS 2014年9月号より抜粋 )
Mercedes-Benz メルセデス・ベンツ
初代型Cクラス(W202)
●全体の中古車相場:20~60万円
●多走行車の中古車相場:20~40万円
●平均走行距離:8.1万km(C200)
( すべて2014年当時 )
■お勧めグレードは?
C200(前期型)
初代Cクラスの中では流通量が多いC200。前期型にはシンプルかつ頑丈な直4エンジンが搭載されている。
主な小変更
●生産期間:1993~2000年
●1998年~後期型
●96年10月、エアコン操作パネルが液晶式に。電子制御5速ATを採用。C220をC230へ排気量拡大。●97年8月、マイナーチェンジ。バンパーデザイン等を変更しC200以外が3バルブのV型ユニットへ。●99年10月、ATにティップシフトを採用。( すべて2014年当時 )
Specifications
1996年式 C200
●全長×全幅×全高:4495×1720×1420㎜ ●ホイールベース:2690㎜ ●トレッド(前)/トレッド(後):1500/1465㎜ ●車両重量:1390kg ●エンジン方式:直4DOHC ●総排気量:1998㏄ ●最高出力:135ps/5500rpm ●最大トルク:19.2㎏-m/4000rpm ●トランスミッション:機械式4速AT