現代でも通用する性能とオシャレな雰囲気
幅広いファンを持つ元祖カジュアルベンツ
W123のデビューは86年。当初はサスペンションを始め3速のATやエンジンラインナップも、先代のW114/5と同じだった。だが、82年には後にW124にも使用された新世代の4気筒ユニットが搭載され、ATも4速が標準となるなど走行性能が向上している。
中古車の数は高年式モデルほどではないが、人気モデルゆえにそれなりにある。10年前と比較すると減少した印象を受けるが、まだまだ幅広いジャンルのファンがいてW123を求めるユーザーが多いのだ。全体の中古車相場としては下表にある通り。ワゴンはとくに人気が高く200万円後半のプライスが付いており、10年前からほとんど値落ちしていない。これは希少価値もあってのことで、W123もクラシックの域に入ってきたと言えるだろう。
だから走行距離が多くてもさほどプライスには影響せず、個体のコンディションと希少価値が価格差になって現れているのが、現在の中古車相場なのである。
そんな中で、シンプル&タフなW123を選ぶなら後期型の230Eをお勧めしたい。非力なのでは? と思う人もいるかもしれないが、調子を崩した280Eよりも絶好調の230Eの方が乗りやすく、ATも4速。維持においても、エンジンは後継のW124にも採用されたものだからそれほど難しいものではなく、構造もシンプル。パーツで困ることもないから、オールドメルセデスに詳しい工場で見てもらえば長く乗り続けることが可能なのだ。
W123が持つ往年のメルセデスらしい雰囲気を楽しむという点においても、魅力的な存在だと言える。 ( GERMAN CARS 2014年9月号より抜粋 )
Mercedes-Benzメルセデス・ベンツ
ミディアムクラス(W123)
●全体の中古車相場:50~150万円
●多走行車の中古車相場:50~130万円
●平均走行距離:13.8万km(280TE)
( すべて2014年当時 )
■お勧めグレードは?
230E(後期型)
パワーとしては非力に感じるかもしれないが、調子の良い直4SOHCは扱いやすい。維持しやすいのも魅力のポイント。
主な小変更
●生産期間:1976~1985年 ●1980年~後期型
●79年、ディーゼルエンジンのラインナップを変更。●80年、ヘッドレストの形状など内装のデザインを中心に変更。●82年、新エンジンを積んだ230Eが登場。●83年、コンソールにウッドパネルを採用する。( すべて2014年当時 )
Specifications
1985年式 230E
全長×全幅×全高:4725×1780×1440㎜ ●ホイールベース:2795㎜ ●トレッド(前)/トレッド(後):1490/1445㎜ ●車両重量:1435kg ●エンジン方式:直4SOHC ●総排気量:2294㏄ ●最高出力:120ps/5250rpm ●最大トルク:19.0㎏-m/3000rpm ●トランスミッション:機械式4速AT