今でも手作業で作られる贅沢なボディ
独特なフレーム構造は驚異の耐久性を持つ
基本構造もタフな作りでラダーフレームを採用。これはフレームとボディを別々に組み立てるという手作業に近い生産方法となっている。格子状に組まれる鋼鉄製のフレームの上に、手作業で溶接して組み上げたボディをゴムマウントを介して取り付けるのだ。ボディはあくまでフレームに載っているだけなので、歪みが出にくく走行距離が進んでも剛性感が損なわれることはほとんどない。これがGクラスのタフさにも繋がっているのである。
高年式になるほどインテリアの高級感は増していて装備もSクラス並みに豪華。高い人気を持つクルマだけに、中古車マーケットでは10年落ちでも400万円以上のプライスが付くほどの価値があるのだ。
そんな中で現実的に選ぶとしたら、90年代中頃から00年くらいまでのモデルがターゲット。この世代の中古車相場は160~500万円と開きがあるが、それはコンディションのほかに構造上の違いが影響している。6気筒エンジンは3タイプあり、初期の直6SOHC、94年からの直6DHC、そして99年からのV6SOHCがある。長く乗るということを考慮して選ぶなら、新世代のV6ユニットを搭載したG320ロングがお勧めだ。平均走行距離は10万㎞で年式なりに走っているが、強靭なボディを持つGクラスにとっては大きな問題ではない。それよりも、整備履歴を確認してどんなメンテナンスがされてきたかを重視するべきだ。
Gクラスにはショートボディもあるが、実用性で優位となるロングボディの人気は高い。SOHC3バルブのV6エンジンは完全な電子制御式だが信頼性が高く、定番のポイントさえ抑えておけば恐れることはないのだ。現在では7速が主流となるATもシンプルな5速となっている。
Gクラスらしいタフさはそのままに基本的な快適装備も揃っているから、実用で不満を感じることはなく贅沢な作りを持つGクラスを存分に楽しむことができる。 ( GERMAN CARS 2014年9月号より抜粋 )
Mercedes-Benzメルセデス・ベンツ
現行型Gクラス(W463)
●全体の中古車相場:160~500万円(91y~02y)
●多走行車の中古車相場:160~350万円(91y~02y)
●平均走行距離:10万km(G320ロング91y~02y)
( すべて2014年当時)
■お勧めグレードは?
G320ロング(V6モデル)
Gクラスで人気が高いのがロングボディ。その中でも新世代のV6SOHCを積んだモデルは信頼性が高く、維持しやすい。
主な小変更 ●生産期間:1991年~生産中
●91年、フルタイム式4WDを採用してW463型に。●94年、搭載エンジンをDOHC化。●99年、SOHC3バルブの新型ユニットを搭載。同時にG500が登場。●02年11月、内装デザインを変更し、ナビを標準装備。●07年7月、テールランプのデザインを変更。● 10年3月、G550のフロントシートを改良。同年12月、ホイールデザインを変更。●12年、内外装を変更。( すべて2014年当時 )
Specifications
2000年式G320ロング
●全長×全幅×全高:4490×1810×1970㎜ ●ホイールベース:2850㎜ ●トレッド(前)/トレッド(後):1475/1475㎜ ●車両重量:2280kg ●エンジン方式:V6SOHC ●総排気量:3199㏄ ●最高出力:215ps/5600rpm ●最大トルク:30.6㎏-m/2800~4800rpm ●トランスミッション:電子制御式5速AT