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BMW X2

2022.06.06

【GC-SUV倶楽部】BMW X2 sDrive18i

 クーペのようなルーフラインを持つコンパクトSUV(BMWではSACと呼ぶ)であるX2に試乗。今どきのSUV事情を解説しながら、ニューモデルであるX2のキャラクターや走りについて解説していきたい。

個性を全面に打ち出す
BMWのSACとSAV

 日本市場はもとより、今や全世界的に吹き荒れている「SUV&クロスオーバー」の大潮流。欧米の自動車メーカーはこぞって、SUVをリリース。ポルシェやマセラッティはすっかりおなじみになったし、最近ではアルファロメオやランボルギーニ、ベントレーまでSUVモデルを発表している現状だ。
 我らがジャーマンカー、メルセデスやBMWも他メーカーに先駆け、2000年前後から本格的にSUVのリリースを開始。そして今や、メルセデスはGLシリーズ、BMWはXシリーズで、コンパクト系からハイパフォーマンス系まで揃えるほど、そのラインナップを充実させている。もちろん、今後も新モデルはどんどん追加されそうだし、他メーカーもよりいっそうの車種強化にのぞんでいくだろう。
 そんな中、今回BMW Xシリーズ「X2」にあらためて、じっくり試乗することができた。’18年4月、日本でデリバリーが開始されたX2は、いわゆる「SAC(スポーツ・アクティビティ・クーペ)」のコンパクトセグメント。つまりX5/X3/X1が「SAV(スポーツ・アクティビティ・ヴィークル)」とカテゴライズされるのに対し、X6/X4からの流れをくむモデルで、たとえばそのスタイリングも、リアセクションが流麗なクーペ風にデザインされているのが特徴なのだ。
 X2のラインナップは2WD/1・5ℓ搭載の「sDrive18i」系と、4WD/2ℓ搭載の「xDrive20i」系を軸として、2ℓディーゼル搭載の「xDrive18d MスポーツX」、2ℓ搭載のハイパフォーマンスMスポーツモデル「M35i」などを揃えている。このうち今回は、sDrive18iにスポーティな専用装備を充実させた「sDrive18i MスポーツX」に試乗する。
 XシリーズなのにFFモデル……とは、ちょっと残念な気がするが、走りの部分の不満はほとんどなし。コンパクトな1・5ℓエンジン(直列3気筒!)ながら、ターボ付きで1.5トンのボディには十分すぎるほどの140馬力を発揮。トルクは1480~4200rpmの広い回転域で最大トルク22.4㎏‐mを発揮するので、高速クルージングのどんなスピード域からでも鋭い加速を見せてくれる。7速DCT(ダブル・クラッチ・トランスミッション)のエンジントルクのピックアップもよどみなく、加速減速、再加速と、すべてのフィーリングが滑らかだ。
 もちろんハンドリングも、しっかりBMW流。ハイウェイ・クルージングからのレーンチェンジも、高速ワインディングのS字コーナーも、ステアリングアクションに的確に反応し、姿勢をピタリと決めてくれる。タイヤもオンロードスポーツタイプで、スポーティな走りが楽しめるのは、上位モデルと変わりない。
 ただ、X2の場合、SUVではなく、あくまで「SAC」。ラフロードや雪道はちょっと苦手そうだが、クロスオーバーモデルのように、都会的なイメージでオシャレに乗りこなすのが、このクルマにはよく似合う。

 

Specifications  sDrive18i

全長            4375㎜
全幅            1825㎜
全高            1535㎜
ホイールベース       2670㎜
トレッド(前)       1565㎜
トレッド(後)       1560㎜
車両重量          1500㎏
エンジン方式        直3DOHC+T
総排気量          1498㏄
最高出力          140ps/4600rpm
最大トルク         22.4㎏-m/1480~4200rpm
トランスミッション     電子制御式7速DCT
新車時価格(税込)     439万円

Mechanism topic

前方衝突を回避・被害を軽減する安全システム

X2にはドライビングアシストという最先端の安全テクノロジーを搭載。前車接近・衝突回避・被害軽減ブレーキ機能は先行車に接近し過ぎるとメーターパネルとディスプレイに警告灯が点灯、急速に接近した場合は緊急警告灯と警告音が鳴り、ブレーキの急作動にシステムが備える。さらに衝突が不可避と判断されると、自動的にブレーキをかけて被害軽減を図る。

SUVらしい無骨さを残しながら、ワイド感のあるエクステリアデザイン。都会的なイメージともうまく融合ししているのはデザインワークのうまさ。ドライビングアシストなど最先端の安全装備も搭載している。
SACということで同クラスのSUVに比べると頭上スペースは狭いが、さほど気になるレベルではない。BMWらしく質感も高い。
足回りはフロントがストラット、リアがマルチリンクとなり、車高の高さを感じさせない走行安定性を持っている。
ワイドディスプレイなどを備えたスポーティな雰囲気が漂うインテリア。取材車のATはツインクラッチ機構を持つ7速DCTを搭載する。
取材車は1.5ℓの直3DOHCエンジンを搭載。現代的なダウンサイジングエンジンである。この他、2ℓ直4DOHCに加え、ディーゼルも用意する。