どんな整備がされてきたクルマなのかが重要
見た目に惑わされず異音や振動もチェック
機械的なコンディションを
見るようにしたい
クルマのメカニズムはどんどん複雑になって部品がモジュール化されているため、故障が起きると修理代が割高になる傾向が強くなっている。しっかりとメンテナンスされてきた、大切に乗られたクルマを選ぶことが、後々の維持費を大きく左右することになる。
そこで売買契約書にサインをする前に、クルマのメカニズム部分の状態をよくチェックしておくことが大切なのだ。外装はプロが磨けばすぐに美しく輝くようになるし、エンジンルームも専門業者ならキレイに見せるノウハウを持っている。こういった見た目に惑わされず、機械としてのコンディションを見極める必要があるわけだ。
まず最も基本的なことは、エンジンが素早くスムーズに始動するかどうか。スターターが回っている時間が長かったり、回り方が苦しいようなクルマは問題あり。エンジンがかかったらしばらくは回転が高く、次第に落ち着いてアイドリング状態になるか、その時に振動や回転数のブレなどが出ないかをチェックしよう。
エンジンを支えているゴム製のマウントが劣化していると、エンジンがかかった直後に揺れ返しのような大きな振動が出ることがある。この部品が劣化した状態で乗り続けると、エンジンの搭載位置が下がってしまい、振動も増すため様々な部分の不具合を誘発してしまう。ステアリングに振動が伝わってくるようなクルマは、問題ありと思っていい。
次にチェックしたいのがタイヤ。本来なら均一に減っているはずの溝が、外側だけとか中央部分だけとか、おかしな摩耗をしているクルマは足回りに狂いが生じている。ブッシュなどの大々的な見直しが必要な状態だ。こういったチェックができないので、販売時に新品のタイヤに交換されている中古車というのも考えもの。本当に得なのか、十分に検討したい。また外装では、樹脂製のヘッドライトレンズがよく見ると黄色く変色しているクルマが多い。コレは紫外線によって劣化した状態なのだが、つまりは直射日光にさらされていたということ。保管状態はあまり良くなかったと想像できる。
試乗が可能だったら、とりあえず普通に乗ってみるといい。査定のプロでも試乗で全体のコンディションを見極めることは難しいので、神経質にならず自然に流して、気持ちよく走るか、何となく違和感を感じることがないかをチェック。この時、ATがギアチェンジするタイミングがおかしかったりすると、不快な印象があるはずだ。
あとはインテリアの状態も重要なチェックポイント。ステップなどの足元部分やシフト回りなどにキズが多いクルマは、以前のユーザーが手荒く扱っていた可能性がある。愛情を込めて大切に扱われていたクルマは、やはり調子が良いもの
Point.1
スイッチ類の作動確認
Point.2
エンジンの状態をチェック
Point.3
タイヤの状態から足回りを予
Point.4
ATのシフトショックを確認
Point.5
内装のコンディション