BMWのヤングクラシック世代は、メルセデスに比べると生存率が低いのだが、それだけに現オーナーはマニアックな人が多く、クルマを大切にしている傾向がある。そんな中で発見したのが、5シリーズとしては3世代にあたるE34型である。
独特なフィールを持つ
V8ユニットが
特別な時間を提供
クラシカルなBMWのイメージとしては、やはり丸目4灯のフロントフェイスだろう。E30型3シリーズやE24型6シリーズには今でも根強いファンが多いが、さらに濃厚なのが5シリーズの愛好家だと思う。とくにE34型5シリーズのファンは根強く、中古車の数が減ってしまった今でも、大切に乗り続けている人が多い。
BMW専門ショップ「つたえファクトリー」で見つけた93年式の530iは、当時直列エンジンが全盛だった時代に搭載されたV8ユニットを積む。スモールシックスやビッグシックスの影に隠れつつも、それらとは違う独特なフィーリングを持つのが魅力。
エクステリアは純正のフロントリップ、サイドステップ、トランクスポイラーを装着。足回りにはダウンサスを組み込んでBBSのアルミを履きこなす。クラシカルな雰囲気を醸し出しつつ、走りも楽しめる仕様になっている。
インテリアのコンディションも良好で、レザーシートの感触は、当時の印象そのものであり、各所に配されたウッドパネルとともにアンティークな空間を楽しむことができる。
このクルマはつたえファクトリーでの整備実績があり、トランスミッションもオーバーホール済み。電子制御式5速のATは正常で、滑らかな変速フィールを堪能できる。
ヤングクラシック世代のBMWは、メルセデスやポルシェに比べると生存率が低いのだが、こうして前オーナーに大切にされ、愛情が注がれたクルマも出てくるのだ。クラシックは早い者勝ち! だとか、一期一会だ! というが、あながち間違ってはおらず、出会った瞬間こそがチャンス到来だと考えるべきだろう。
希少なE30は隠れ家ファクトリーで仕上げ中!
つたえファクトリーで密かに進行中なのがE30型3シリーズの再生。今ではタマ数が減少し希少価値が高まっているE30。現在はMTを積む車両のセミレストアが進んでいる。
取材協力/つたえファクトリー
所在地/埼玉県越谷市南荻島640-1
TEL/048-961-8591
URL/http://www.tsutae-f.com/