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ALPINA

2023.02.06

【旧車に乗るならジャーマンヴィンテージが面白い!】ヴィンテージ アルピナの世界③

 クルマによっては売却時に値段が付かないこともある旧車の世界。だが、根強い人気を誇るアルピナは価値ある旧車として認知されているのだ。ここでは厳選した3台のキャラクターを紹介していこう。

 

ALPINA B6 2.7

アルピナマジックによる緻密なフィール

後期型ベースなので各部の完成度が高い

 E30のアルピナモデルは全部で8種類と非常にバリエーションが豊富だが、その中で最も好バランスに走りを楽しめるのがB6 2.7だろう。後期型325iのスモールシックスのストロークを75ミリから81ミリに拡大し、排気量を2693㏄としている。すでに限界だったボアではなくストロークで排気量を稼いでいるが、そこはアルピナマジックで緻密かつ繊細な回転フィールは健在だ。軽量で動きの良いFRボディを生かして210psのパワーを使い切る感覚は、まさにドライビング・プレジャーである。
 後期モデルをベースとしているため各部の完成度が高く、現在でも比較的中古車を探しやすいB6 2.7。さらに強力なパフォーマンスを発揮するモデルとして、ビックシックスを押し込んだB6 3.5も存在するが、こちらはあまりにフロントヘビー&オーバーパワーで、乗りこなすにはかなりのテクニックが必要なモデル。初期のC2 2.5&2.7か、B6 2.7というのが一般的なチョイス。それぞれに個性があって、可能ならば全てを並べて乗り比べてみたくなる、そんなE30のアルピナモデルなのである。

シャープなボディラインにはアルピナストライプが映える。ヤル気みなぎる感じがこの時代のアルピナらしい。
ノーマルとは全く異なる繊細な回転フィールを生み出す。適度なパワーを引き出しながら楽しめるバランスの良いパワーユニットである。
エアコンの吹き出し口には油温などが表示されるメーターが備わる。スポーティな雰囲気が満点だ。
ステアリングとシフトノブが専用品となるインテリア。ノーマルの雰囲気を壊すことなく、アルピナのイメージを演出している。ミッションは5速タイプ。
アルピナストライプがシート中央に付く専用シートを装着。シンプルなデザインながらアルピナであることをうまく主張している。
 
Specifications      B6 2.7(2ドア5MT)      B6 3.5(2ドア5MT)
全長           4325㎜           4325㎜
全幅           1645㎜           1645㎜
全高           1355㎜           1355㎜
ホイールベース      2570㎜           2570㎜
トレッド前/後      1421/1429㎜                1421/1429mm
車両重量         1160kg                  1240kg
エンジン方式       直6SOHC          直6SOHC
総排気量         2693㏄           3430㏄
ボア×ストローク         84.0×81.0          92.0×86.0
最高出力         210ps/6000rpm             258ps/5900rpm
最大トルク        27.0kg-m/4800rpm              32.6kg-m/4000rpm
0→100km/h加速            ―                ― 
タイヤサイズ 前        205/50R16                   225/45R16
       後        225/45R16                   225/45R16
新車時価格         892万円            1120万円
 
その他のE30型ALPINA

C1 2.5:325iをベースに高圧縮、ハイカム化で185ps/24.1kg-mへスープアップ。前期型ではC1 2.3だった。
B6 3.5:E30のボディにビッグシックスを積み込んだスペシャルモデル。エンジン自体の排気量は3430ccから変更なしだが、パワーは上げられている。

 
 
※GERMAN CARS 2017年6月号特集より