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ALPINA

2023.02.06

【旧車に乗るならジャーマンヴィンテージが面白い!】ヴィンテージ アルピナの世界②

 クルマによっては売却時に値段が付かないこともある旧車の世界。だが、根強い人気を誇るアルピナは価値ある旧車として認知されているのだ。ここでは厳選した3台のキャラクターを紹介していこう。

 

ALPINA B9 3.5

初代M5に匹敵するほどの高性能ぶり

当時最も多く生産されたアルピナモデル

 初代5シリーズをベースとしたB7ターボで「最速のサルーン」という座を手にしたアルピナが、次世代の5シリーズで主力モデルとするべく開発したのがB9 3.5だ。その生産台数は577台と、初代3シリーズのB6 2.8が持つ533台という記録を抜き、当時最も多く生産されたアルピナということになる。
 89ミリのボアを持つ533iのシリンダーは92ミリまで削られ、9.0だった圧縮比は10.2というハイコンプレッション仕様に。カムシャフトや吸・排気バルブの交換、各部のバランス取りといった典型的なメカチューニングによって、245ps/32.6㎞-mのパワーを絞り出している。このエンジンによって0→100㎞/h加速は6.7秒、最高速度240㎞/hと、DOHCを積んだ初代M5に迫る高性能ぶりを発揮していた。前傾姿勢のサスペンションと、大きなフロントスポイラーが逆スラントのフェイスと相まって攻撃的なスタイリングとなっている。
 ちなみに日本仕様のE28型5シリーズは同じサイズの4灯ヘッドライトが採用されていたため、本国仕様と同様に異径の4灯フェイスが楽しめるのはアルピナモデルだけだった。

メカニカルチューンによって生み出されるパワーを操る楽しさはこのパッケージがあってこそ。逆スラント世代ならではの走行フィーリングは絶品だ。
シャープなボディラインにはアルピナストライプが映える。ヤル気みなぎる感じがこの時代のアルピナらしい。
Lジェトロニック制御の3.3ℓ直6SOHCをボアアップした3.5ℓエンジン。今見ると、とてもシンプルに感じるエンジンルームだ。
ステアリングのチルトすら備わらないクラシカルな操作系ながら、操る楽しさは満点。高いアイポイントによる見切りの良いボディも貢献している。
シートはゆったりとしたサイズ。サイドサポートは高められているが、見た目の印象はスポーティというよりラグジュアリーな雰囲気。
 
Specifications      B9 3.5(5MT)       B7 Turbo/1(5MT)
全長           4620㎜           4620㎜
全幅           1700㎜           1700㎜
全高           1410㎜           1395㎜
ホイールベース      2625㎜           2625㎜
トレッド前/後      1458/1456㎜                1452/1456mm
車両重量         1400kg           1420kg
エンジン方式       直6SOHC          直6SOHC+T
総排気量         3430㏄           3430㏄
ボア×ストローク         92.0×86.0                  92.0×86.0
最高出力         245ps/5700rpm             300ps/5800rpm
最大トルク        32.6kg-m/4500rpm              45.9kg-m/3000rpm
0→100km/h加速            6.7秒            6.1秒 
タイヤサイズ 前        205/55R16                   205/55R16
       後        225/50R16                   225/50R16
新車時価格         1085万円          ―
 
その他のE28型ALPINA

B7 Turbo/1:初の量産モデルであり、日本へ輸入された最初のモデルである初代E12型5シリーズ直系のモデル。ターボユニットは3.5ℓに拡大され、出力は320ps。313台が生産されている。
B10 3.5:3.3ℓを拡大したB9 3.5に対して、後期型535iをベースとしたライトチューンモデルがB10 3.5。

 
 
※GERMAN CARS 2017年6月号特集より