下回りを中心とした入念な洗浄と防錆処理が延命のコツ
秋田県横手市にあるオクヤマエンジニアリングは、輸入車に強いファクトリー。土地柄、雪が多い地域だが、それによるクルマのダメージと対策について気になる話を聞いてきた。
じつは、クルマに対する冬のダメージは夏にやってくるというのだ。雪が多い地域では、道路に溶雪剤が撒かれるが、これが悪さをする原因になる。例えば、同社で多い事例としてブレーキパイプの腐食がある。溶雪剤がクルマの下回りや足回りなどに残ったままだとサビが進行し、厳しい冬が過ぎ去った頃に、サビでボロボロに腐食してしまうという。
ブレーキパイプは部品が出れば新品に交換することが可能だが、古めのクルマになると部品が出ない、もしくは入手までに時間がかかることがある。そんな時、オクヤマエンジニアリングではパイプをワンオフで製作してくれる。「無い部品は作ってでも直す」というスタンスは修理工場としてとても好感が持てるし、何より修理が早く済むことが大きなメリットだといえる。
サビというのは、溶雪剤によるもの以外でもクルマにとって天敵。サビが発生しやすいポイントとしては水や湿気が溜まりやすい部分。ドアの内部やリアフェンダーの内側といった、水が入りやすく抜けにくいところにサビは発生しやすい。
サビを抑制する簡単なメンテナンスは、ドアの内側や下回りなど水や湿気の帯びやすい部分に定期的に防腐処理を施すこと。水抜き用の穴からスプレータイプのものを吹き付けておくだけでも、サビの発生を抑制することができる。
年式にもよるが、オーバークオリティ世代と言われるメルセデス・ベンツであっても、サビの進行からは逃れられない。実際にサビは発生するし、塗装に割れも生じる。放っておけば確実に朽ち果ててしまうという事実は、メルセデスだろうが、それ以外のクルマだろうが変わりはない。ただし、他車より朽ち果てにくい傾向であることは確かなので、正しいメンテナンスを施してやる必要がある。
取材したオクヤマエンジニアリングは、サビによって部品やボディなどが腐食してしまうケースを数多く経験している。だからこそ、ワンオフで部品を作る技術を得たり、下回りなどの防腐処理にも長けているのだ。
大好きな愛車だからこそ、季節を問わず楽しみたいもの。オクヤマエンジニアリングではそういったサポートも積極的に行なってくれる、ユーザーファーストの工場なのだ。