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【メンテのお悩み相談室 vol.08】触媒の不良

編集部に寄せられたアンケートやメール、さらにはキャラバン会場で聞いたーザーの悩みを解決するコーナー。ここではメンテナンスに関するQ&Aを紹介したい。いざという時に役立つ保存版だ。最終回は「触媒の不良」だ。

Q : 下回りから異音が発生、点検に出したら触媒の不良ということでした。新品は高いので何か方法があったら教えてください。(広島県・A.Wさん)

 

A : 対処方法はいろいろあるので
プロの判断を仰ぐようにしたい

 マフラーなど排気系のメンテナンスで最も値が張る部分は触媒の交換。とくにトラブルが多いのが高年式のV型エンジンに備わる触媒で、排気量が大きいほどトラブルが出やすい傾向にある。
 具体的な症状は、車体の下部からカラカラという異音が出て、加速不良、燃費の悪化などに陥る。この触媒トラブル、早い場合だと走行5万㎞程度で発生しているのだ。
 90年代中ごろまで、触媒はV型エンジンなら2つ、直列エンジンなら1つというのが主流であった。しかし、排気ガスのクリーン化を目指し、V型で4つ、直列で2つというのが主流になりつつある。そのうち2つは触媒の機能を素早く有効に働かせるため、エンジンに近い場所にセットされている。従来のシート下あたりに加え、エンジン側に近い場所にも備わっているのだ。V型エンジンなら片バンクに2つずつとなり、交換はアッセンブリーとなるため、40万円前後の交換費用になることも珍しいことではない。
 触媒の交換が必要になる根本的な原因は何かと言えば、燃焼室にオイルが入り込み、これが触媒に付着し高温となってダメージを与える。また、点火系や燃調に不調をきたし、排気温度が異常に上がってしまう場合などだ。エンジン不調が原因で触媒の寿命を短くすることは多いが、国産車のそれより絶対的な耐久性が劣るというのが最大の問題点となっている。しかも、触媒にトラブルが生じたまま走行すると、内部の破片がエキゾーストから燃焼室に入り込み、エンジン内部に多大なダメージを与える可能性もある。放置したまま乗り続けると、触媒交換以上の出費に繋がる可能を秘めているのだ。
 触媒トラブルの対応策は新品交換以外のチョイスだと社外品、ワンオフ、触媒の中身だけを入れ替えるといった手法。それぞれにメリット、デメリットがあるので、じっくり悩んで最適な手法を選んでほしい。

社外品の触媒が存在していて、これに交換する方法がある。純正に比べると費用は安価だが、車検の問題もあるので注意が必要。
リアマフラーも含めて全てワンオフで製作してしまうという手法。チューニングも同時にできるが、ガス検査などの証明が必要になる。
ケースはそのままに耐久性が低いセラミックからメタル触媒へと中身だけを入れ替える方法。車検も問題ないだろう。
周辺のパイプは残して触媒のみを交換する場合には溶接が必要になる。良い触媒であっても溶接の仕方次第で耐久性が変わってしまうので、作業は信頼できる工場に依頼しよう。