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【メンテのお悩み相談室 vol.02】突然の振動

編集部に寄せられたアンケートやメール、さらにはキャラバン会場で聞いたーザーの悩みを解決するコーナー。ここではメンテナンスに関するQ&Aを紹介したい。いざという時に役立つ保存版だ。第2回は「突然の振動」だ。

Q : 先日、街中を走っている時に自分にも分かるくらいの振動が起きました。慌ててクルマを停車させたのですが、クルマに詳しくないので何が原因なのか分かりません。(東京都・Y.Yさん)

 

A : 振動は走行中に起きるのか
それ以外なのかをチェックする

振動が発生するのが走行中なのか、それともそれ以外なのかによって原因は大きく変わってくる。とくに、足回りの劣化による振動は安全な走行を損なう危険性があるので即対応しなければならない。
 
 まず、いつもとは違う異変を感じた時に、すぐにクルマを停車させたのは、対処方法としては正解だ。振動についてだが、クルマに発生する振動に関しては、走行中に発生するものと、エンジン始動時などそれ以外のものに大きく分けることができる。
 危険性が高いのは走行中に発生する振動の方で、一定の速度でステアリングがブルブルと震えたり、ブレーキを踏むとゴリゴリという振動がペダルに伝わってきたり、「ゴン、ゴン」という振動が速度に比例して出るという場合もある。足回りの摩耗によるアライメントの狂い、タイヤの偏摩耗、ブレーキローターの錆び付きや摩耗、ハブベアリングの極端な摩耗などがこのような症状の原因として考えられるが、どれも安全に直結しかねない部分なので即対応することが大切である。
 FFモデルの場合は、ドライブシャフトのジョイント部分が摩耗してハンドルを切りながら走ると振動が出ることもある。通常は異音が出ている状態以上に悪化していることが考えられるので、より深刻だと思って間違いない。
 しかし走行中以外に発生する振動はまた少し違っていて、エンジンを始動した直後に車体全体が「ブルン」と揺れるような場合はエンジンマウントの劣化、ATをニュートラル状態からDレンジやRレンジに入れた時にガツンという衝撃があるのはディスクジョイントの劣化といった具合に、緩衝部品がダメになって衝撃を吸収するという本来の機能を果たせなくなった結果というものが多い。もちろんこれも重要なメンテナンスポイントではあるが、修理工場まで自走するのを躊躇するような大問題ではない。
 このように、振動に関しては走行中に出るものか、それ以外かを判断の中心に、どう対処するかを決めるのがポイント。決めかねるならプロに判断を仰ぐという手もある。
タイヤが偏磨耗していると走行中の振動に繋がる。グリップ力も低下し走行安定性も損なうため非常に危険な状態だ。タイヤの偏磨耗はアーム類の劣化が原因であることが多い。
ATをPレンジからDレンジにシフトチェンジしたときに、下回りからドーンという大きな振動が出たらディスクジョイントが劣化している。定期的に交換しておく必要がある。
ブレーキパッドが当たっていた部分以外が大きく錆びて、ローター表面に段付きができてしまうと、ブレーキを踏んだ時に振動が発生することがある。定期的にローターを研磨しておきたい。
アイドリング中に室内に響く振動が大きくなってきたらエンジンマウントが劣化している。ミッションにも写真のようなゴムマウントが備わっているので、これも同時に交換しておくべき。
足回りのアーム類が磨耗したまま放置するとアライメントが狂ってしまい振動が発生する。アライメント調整で何とかしようと思う人もいるようだが、根本的な原因はアーム類の劣化にある。
ドライブシャフトというとブーツ切れが定番だが、内部のジョイントが磨耗すると、ステアリングを切ったときに振動が発生するようになる。FFモデルに多い症状だ。