1995y Mercedes-Benz E220T
U-CAR DATA
●検2年付き●走行8.1万km●ブルーブラック●右ハンドル●フル装備●ディーラー車●社外ナビ●ETC●ドライブレコーダー●記録簿20枚●整備データ17枚
W124に限らずクルマにとってメンテナンスは必要不可欠。ましてや年式の古い中古車ともなれば、1台1台の走行距離やコンディションは大きく違って当たり前。それぞれメンテナンス事情もクルマごとに違ってくるものだ。
W124は、どんなに新しくても新車から28年以上が経過している。あらゆる部分の経年劣化が進み、部品交換を余儀なくされる。できることならすべての消耗品を新品に交換し、新車時のコンディションに近づけたいと願うオーナーも多いはず。
10年、20年と経過したクルマは10年、20年分の味わいがあり、楽しみがある。30年が経過したクルマは30年なりの楽しみ方があるのも事実。もともとW124は、設計段階から長く乗り続けることを前提として創られているから、30年30万㎞走行したクルマでさえ、毎日の通勤や高速走行、長距離走行にも十分に耐え機能してくれる。もちろん必要最低限の快適装備はすべて備えているからW124は、まさに「最高に贅沢な実用車」といえるのだ。
それだけではない。経済優先の大量生産・大量消費の設計思想で作られた現代の薄っぺらなクルマでは、決して味わうことのできない重厚でシットリとした走り。そして包みこまれるような乗り心地は、30年の時の流れを感じさせない心地よさがある。W124を所有した者でなければ決して味わうことのできない、奥深い世界が存在するのである。
とは言え経年劣化や走行距離が増えてくると、メンテナンスするポイントも変わってくる。10万㎞未満では必要のなかったメンテナンスが、15万㎞・20万㎞と走行するにつれ変化していく。水回りや電装品等の消耗品だけでなく、足回りやボディ回りのメンテナンスも必要になってくる。走行距離に合わせて、デフマウント、ハブベアリングやセンターベアリングなど重要な駆動系のメンテナンスも視野に入れておく必要があるのだ。さらにこれから30万㎞・40万㎞と乗り続けていくためにも、そうした重要保安部品の交換を整備計画に入れておくことをお勧めしたい。
さて、取材したE220Tは、まだ走行距離が8.1万㎞と少なく内外装・機関系ともに程度が良く、エンジンの加速もスムーズでアイドリングも安定している。4気筒DOHCエンジンの特徴は、他のグレードに比べて重量が軽く街中乗りも軽快で燃費が良いことだ。ウッドパネルも綺麗でツヤがありシートの破れやヘタリもない。まだこの時代には珍しいリアゲートのオートクローザーや後席ドアのチャイルドロックも標準装備として付いている。純正のステレオは、今ではお目に掛かかることの少なくなったカセットチューナーでレトロ感がたっぷり。最近では必需品となりつつあるドライブレコーダーも付いており、これは360度をカバーしているものだ。
これまで実施された点検記録簿20枚とメンテナンスデータが17枚残っているのは、この世代のクルマにおける安心材料。しかも、これまでのメンテナンスはこのクルマを販売しているW124専門店アイディングであり、その管理車両とのこと。
初めてW124の購入を検討する方もW124からW124へ乗り換えを検討中のコアなユーザーも安心して付き合えるだけの材料が揃っている。興味のある人は一度訪問して欲しい。きっと幸せな気持ちになれるはずだ。