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【メルセデス・ベンツが好き。】最新メカニズムと目指す未来とは?

各社がEVモデルをリリースし、そのEVに関する技術はここ数年で大きく進んだように思う。メルセデス・ベンツにおいてもEQEやEQS、EQBなど最先端技術を採用したモデルを次々と発表。そこでここでは最新のメカニズムを解説しながら、メルセデス・ベンツにおける最新技術について解説しよう。 メルセデス・ベンツ初のラグジュアリー電気自動車EQS 450+は、メルセデスが長年培ってきたラグジュアリーと快適性の理想を実現した電気自動車。専用のプラットフォームと電気自動車ならではのパッケージで、空力性にも優れた先進の美しさを表現している。リアアクスルに電動パワートレイン(eATS)を搭載し、最高出力 333PS[245kW]を発生。航続可能距離は700kmで、日本で販売される電気自動車の中で最長となる。

 

EVの技術において
最先端をいくメルセデス

 海外モデルの最新技術を紹介する時、EVを実現するための技術に、その粋が詰まっていることはいうまでもない。たとえば、最新のEQモデルではエクステリア、インテリアともに、これでもかとばかりに最新デザイン(技術)を多く採用している。インテリアでは、オプション扱いとなっているMBUXハイパースクリーンはまさにEV的なアドバンテージそのもの。左右のAピラーをつなぐかのように、一枚のカバーガラスによってデザインされた混み入ケーションパートは、実際にはコックピットディスプレイ、有機ELメディアディスプレイ、有機ELフロントディスプレイといった、3つのパネルで構成。その表示部の美しさは、有機ELモニタを採用していることからお分かりのとおり、明確なコントラストによって、質の高さを特徴としたものとなっている。また、メインと助手席用ディスプレイには触覚フィードバック機能、さらに、ガラス面を押す力によって反応が変わる力覚フィードバックを組み合わせており、新しい操作感を採用していることなど、そのトピックは数多い。
 もちろん、モーター駆動ゆえに、パワートレインから発生するノイズは内燃機関搭載モデルよりも小さくなり、そのために、これまでは気にならなかった風切り音がキャビン内で、目立つ存在となる。そこで、快適性を大きく損なうとされる低周波数ノイズに対してはボディ空洞部に防音発泡剤を充填、一方、高周波数ノイズに対しては、特にドアやウインドウのシール部を特殊な形状として対応。ちなみに、これら技術によって、風切り音だけではなく、Cd値低減、さらには、ウインドウへの汚れを付きづらくするなどの、内燃機関モデルにも生かせるメリットも同時に得ているという。

新型Sクラスは「Sensual Purity(官能的純粋)を追求したデザイン」、「人間中心の最新技術」、「安全性の更なる追求」など、 「現代に求められるラグジュアリー」を再定義し、その充実を図った意欲的なモデル。後席リア左右エアバッグ、ARナビゲーションなどSクラスらしい世界初の技術が盛り込まれ、大きな進化を遂げている。
 

安全性を高めるための
技術を多数盛り込む

 一方で、EVモデルの心配といえば、万が一の衝突に対しての安全性だが、メルセデス・ベンツの回答はこうだ。高電圧を用いるシステムに対しては、バッテリーやケーブル類、そして、コンポーネントにおいては、メルセデスEQシリーズですでに採用されている多段階保護方式を採用しており、自動的に電源がオフになるほか、バッテリーとの接続もオートで遮断。もちろん、残留電圧に対しては、バッテリー以外のシステムからは、数秒以内に、確実に、放電できるような対策が織り込んでいるという。また、EVプラットフォームとしては、メルセデス・ベンツでは「Real Life Safety」を掲げ、開発要件だけではなく、そこに社内に設けられた事故調査による結果も表現されたものになっているという。つまり、法的要件よりもさらにハイレベルとしていることがポイントだ。フロア下に収められた大型バッテリーは、もちろん、衝突からの影響を受けづらいパートに配置され、その側面にはアルミニウムの押出成形材を組み合わせるなど、安全性を確保しているという。さらに、電動パワートレイン用のモジュールはフロントとサイドのエネルギー吸収構造とし、そして、高い剛性を与えられた二重壁ベースプレートを備えたハウジングで囲むことで、衝撃時の保護性能も獲得している。
 ちなみに、日本仕様のモデルには双方向充電システムを搭載しており、家庭の太陽光発電システムで発電した電気を貯蔵できるだけではなく、災害時や停電の際などに、家庭へと電力を送ることも可能としているなど、メリットも多い。

 
メルセデス EQ初の3ボックスタイプミドルサイズセダン「EQE」は、リアアクスルに電動パワートレイン(eATS)を搭載し、最高出力 292PS[215kW]を発生。リチウムイオンバッテリーはエネルギー容量が90.6kWhで、航続可能距離は624kmとなっている。先端のエネルギー回生ブレーキシステムも搭載する。
 

直6エンジンの復活は
技術の進歩そのもの

 いうまでもなく制御に至るまで、EVだから実現できたことは数多いが、その一方で、内燃機関にも最新技術を採用していることも忘れてはならない。それが、直6レイアウトの復活だ。メルセデス・ベンツは、20年近く前に、6気筒エンジンは、直6レイアウトから離脱してV6へと移行。それが突如、2018年にモジュラー化された直6ガソリン&ディーゼルエンジンを搭載したモデルを発表した。直6復活へのストーリーは、ずばり、安全性や居住性など、直6に不利とされた要件をクリアできた上で、設計はもちろん生産性まで含めて、直6のほうが有利となったから。具体的には、ユニットフロント部でベルト駆動としていた補機類を電動化したこと、シリンダーピッチやシリンダー間の厚みを短くできたことなどによるコンパクト化、さらには、排ガス浄化システムをエンジン近くに配置できたことで排出ガス性能を大きく向上させられたことなど、ここでは挙げ切れぬほどに数多い。そして、もはや時代に取り残されたかに思えたGクラスを、最新技術を用いて、今に魅力あるモデルとして復活させていることも忘れてはならない。
 そう、メルセデス・ベンツは、最新技術を、そのブランド性をさらに引き上げるために惜しみなく投入している。

クルマや環境が変わっても目指すべきは安全性に裏付けされた至極の快適性なのだ。