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2021.07.13

【ドイツ車に強い整備工場ガイド】得意分野はキャブレター時代のクルマ「ない部品は作る」の精神で対応する CARGO

 静岡市に所在するカルゴは、趣味性の強いクルマを得意とする自動車整備工場。国産車、輸入車を問わず取り扱い、中でもキャブレター時代の旧車に強い。取材当日もBMWのE9型クーペやVWビートル、S30型フェアレディZといったマニアックなモデルが入庫中で、工場内はあたかも60年代にタイムスリップしたかのような雰囲気だ。

修理するだけでなく弱点補強のチューンも

 取材にあたり「社外品の扱いは?」と質問をすると、社外品も何もパーツの出ないクルマばかりゆえ、「ない部品は作る」との回答。最近ではスーパー7に積まれるコスワースBDRエンジンのシムケースの図面を引き、ワンオフで用意したのだそう。もちろん一般メンテナンスや車検整備も請け負うが、レストア工場といった方がより正確かもしれない。
「部品交換屋さんにはなりたくない」とは、同工場の今井靖代表の言葉。ポンポンとアッセンブリー交換するのではなく、あくまでも分解修理を基本とする。アッセンブリーで交換しなければならない場合も、トラブルを抱えたパーツを分解し、原因の究明を行なうという。
 レストアにおいては、単に新車の状態に近付けるのではなく、弱点を補強するチューンナップをオーナーに提案する。例えば、点火系の強化もその一つ。「古い輸入車より軽自動車のイグニッションコイルの方が性能が良い場合もあり、流用することもあるんです」と、ノウハウの一部を披露してくれた。
 ことクルマに関しては職人気質、ストイックという印象のカルゴだが、スタッフは気さくな方ばかり。整備はもちろん、購入についても相談に乗ってくれるので、旧車好きの心強いサポーターになってくれそうだ。

工場の片隅にある作業台。ちょうど日産アトラス(トラック)のワイパーモーターを、S30型フェアレディZに装着できるよう加工しているところだった。 
工場の一部は仕切られ、板金用のスペースに充てられている。スタッフ所有のVWタイプⅡはレストア中。
旧車の点火系を強化するには、和光テクニカルのイグニッションコイル(写真はブラックコイルMKⅡC-90)がカルゴのお勧め。装着にはポイントをフルトラに変更する必要がある。
写真上はオイル漏れした964のクランクケース。エンジンのオーバーホールにも対応する。写真下はイグニッションコイルの不良やミスファイヤなどを簡単に診断できるイグニッションアナライザー。
 
FACTORY DATA
●車検基本料金:31,000円~
●パーツの持ち込み可
●代車有り(無料・有料の場合も有り)
●得意なメーカー:ポルシェ、VW
  • CARGO(カルゴ)
  • 静岡県静岡市葵区牧ヶ谷2061
  • 054-276-1520
  • 営業時間:9:00~18:00 定休日:日曜日・祝日
  • http://www.reca-cargo.co.jp/