Young Classic
BMW 1995年式525i(E34)
コンディション良好な走行5万キロのE34を発見
丸目4灯にキドニーグリルというのがヤングクラシックBMWの特徴。現代のBMWはエッジを利かせたアグレッシブなデザインとなっているが、ヤングクラシック世代はスポーティというより、どこか高貴な印象を感じる。年月を経過するごとにそのクルマの印象が変わり、それによって今まで興味がなかったクルマでも突然魅力的に見えてくることがあるから面白い。
ここで紹介するのは、95年式の525i。5シリーズとしては3代目にあたるモデルである。通称「E34」と呼ばれ、7シリーズと見間違うほど精悍で堂々としたスタイリングで3シリーズに次ぐ大ヒットとなったモデルだ。
登場初期は伝統のビッグシックスを頂点にライトシックスと直列4気筒もラインナップしていた。だが当時のZF製ATは信頼性に乏しく、トラブルを連発していたことからマイナーチェンジでDOHC4バルブヘッドをもつ新しいエンジンを得たのを機に、ATをJATCO製の電子制御式5速に改めて信頼性を高めたのである。
DOHC4バルブでVANOSが搭載された直列6気筒は、まだエアフローメーターは旧式のフラップ式だったが、他メーカーの同排気量クラスとは比較にならないほど、吹け上がりのスムーズさと高回転域のスポーティなフィールが絶品だった。
そしてビッグシックスに代わって登場したV型8気筒エンジンは、さすがBMWと唸るだけのシルキーな回転フィールと豊かなトルクを発生させて、今日に続くV型エンジンの流れを作ったのである。
リアサスペンションは先代のE28同様、セミトレーリングアームにトーコントロール用のリンクを追加したものだが、右側にだけサブフレームとデフマウントをリンクするアームが追加され、安定性はさらに高められた。このシャシーは7シリーズのサスペンションをそのまま載せてしまったようなもので、贅沢な仕様だったといえる。
長いBMWの歴史で初めてエステートワゴンのツーリングを登場させたのもトピックだった。初めてのワゴンにも関わらずリアサスにレベリング機構を奢ったり、リアゲートはガラスだけが開閉できるなど、様々な工夫が盛り込まれている点も、巧みさを感じさせてくれる。
取材車両は走行5万㎞で、現在のE34の流通台数を見てもなかなかお目にかかれないスペック。オックスフォードグリーンのボディは上品な印象で、黒の樹脂モールが全体を引き締めている。インテリアは使用感が少なく、温かみのあるベージュのシート、内装でオックスフォードグリーンのボディカラーとのマッチングがいい。とてもオシャレである。
内外装ともにカスタムされた部分はなく、オリジナルを保っているのもヤングクラシックモデルとして価値がある。エンジンなどの機関系は完調で、もし何かあってもBMW専門店のつたえファクトリーが全力でサポートしてくれる。E34を本気で探しているなら急いだほうがいいかもしれない、と思うほど、コンディション良好なE34だった。
オリジナルで維持されたエクステリアとインテリア
取材車はオックスフォードグリーンの外装とベージュの内装という、テッパンの組み合わせ。新車時のオーナーは輸入車好きだったと想像できるほどオシャレ。内外装ともに上品で高貴な印象を受け、クラシカルなE34のルックスとのマッチングがいい。さらに5シリーズというアッパーミドルサルーンというキャラクターにもマッチしている。このE34は新車から27年が経過しているが、それでも当時のオリジナルを保っているのが魅力。E34を存分に楽しめるコンディションとなっている。
【U-CAR DATA】1995年525i
●検なし ●走行5.7万km ●オックスフォードグリーン ●AT ●フル装備 ●左H
●運転席・助手席エアバッグ ●記録簿 ●ディーラー車 ●価格:188万円
車両の問い合わせ:つたえファクトリー
所在地:埼玉県越谷市南荻島640-1
TEL:048-961-8591