DIYメンテをするようなメカ派のユーザーじゃなくても、愛車の調子を保つためにできるお手入れはいろいろとある。簡単にできる作業を選んだのでぜひ参考にしてほしい。クルマへの愛着も増すはずだ。
小さなことでもやるとやらないでは大きな差が出る
お目当てのドイツ車を手に入れたら、簡単なお手入れをするようにしたい。DIYメンテナンスができるようなメカ派のユーザーじゃなくても、簡単に手を出せるポイントは意外に多いのだ。
今回はヘッドライト洗浄、腐食してしまったメッキモールの磨き、レザーシートの質感を取り戻すなど内外装の項目については省略した。これらもれっきとしたメンテナンスなので実践してほしいが、ここでは機能的な部分を保つためのポイントに絞り、かつ誰でもできるような作業内容を選んだ。
言ってしまえばどれも小さなことなのだが、これらをやるとやらないとでは大きな違いが出る。旧世代ドイツ車の大敵であるサビの予防は非常に重要だし、クルマの調子を保つためには電気の流れを正常にしておくことは基本中の基本。エンジン本体のオイル漏れには対処できなくても、キャップのゴムパッキンくらいなら誰でも交換できる。
こうしたお手入れをすることで、エンジンルームを開けるきっかけにもなり、ホースの状態、オイル漏れ、冷却水の量など同時に点検すれば、トラブルを未然に防ぐことにも繋がるのである。費用的にも安いものばかりなのでぜひ実践してほしい。
お手入れマニュアル【Point.01】
水抜き穴が詰まるとサビの原因になることも
ドアの下側にある水抜き穴。ここにゴミや枯葉などが詰まってしまうと水が抜けなくなり、放置しておくとドア内部にサビが発生してしまうことがある。
定期的に水抜き穴のチェックを!
お手入れマニュアル【Point.02】
ウェザーストリップの状態を見る
昭和のメルセデスではゴムパーツでも高額だが…
ドア枠に備わるウェザーストリップ。ドアの密閉性を高めるだけでなく、劣化が進むと雨漏りの原因にもなるポイントだ。雨水が室内に侵入すれば当然サビが発生するリスクが高くなるので、そうなる前に対処しておくことが大事。昭和のメルセデスでは単なるゴムパーツながら2万円前後と、今回紹介する作業の中ではもっとも費用がかかる。だが、同時期の国産車ではすでに欠品になっているクルマがほとんどなので、パーツが出るだけでもありがたいと思う。交換作業はそれほど難しくなく一度交換すれば当分は持つので、まずはウェザーストリップの状態を確認して、劣化がひどいようなら新品に交換しておこう。
お手入れマニュアル【Point.03】
アースポイントを磨くことは
クルマの健康にも繋がる
マイナス端子を外してから清掃するのが鉄則!
愛車のアースポイントが腐食しているようなら紙ヤスリで磨いておくこと。これだけでもクルマの健康に繋がるのである。また、バッテリーの端子部分に白い粉が大量に付着している場合は、お湯とブラシを使って落としておくこと。清掃するときはマイナス端子を外してから行なうのが鉄則なので覚えておこう。
お手入れマニュアル【Point.04】
ゴムパッキンの劣化をチェック!
ヒューズボックスのパッキンも盲点
お手入れマニュアル【Point.05】
エンジンオイルのディップスティック
予防的に交換しておいても損はない
現代のクルマにはなくなってしまったが、昭和カーにはエンジンオイルの量を確認するためのディップスティックがある。このツマミ部分にはゴム製のOリングが備わっており、劣化が進むとオイルが漏れ出すことがある。さらに、ここから外気を吸ってしまうことでエンジン不調を起こすこともあるのだ。エンジンオイルの量を点検する時にはこのOリングの状態を忘れずにチェックしておきたい。メルセデスの場合、この小さなOリング一つからでも部品が出るので、まだ一度も交換していないなら予防的に換えておいても損はないはずだ。