このクラスとしては唯一となるFR駆動で、重量配分は理想的とも言える前後50対50。リアサスペンションには5リンク式を採用して高い安定性を実現している。

 

　E46こと4代目3シリーズにはハッチバックモデルがラインナップされていたが、その後継として登場したのが先代型1シリーズ。これまでのホイールベースを切り詰めた派生モデルとは違い、本格的なプレミアムハッチバックとして仕立て上げたモデルだ。このクラスとしては唯一の後輪駆動であり、リアサスペンションには5リンク式を採用することで高いスタビリティを発揮。グレードは直4の116i、118i、120i、直6の130iという展開。MT仕様を設定しているのはBMWらしいところだ。
　現代の3シリーズはモデルチェンジを重ねるごとにボディを拡大していることもあって、軽量でコンパクトなボディを持つ１シリーズは、走りを重視するユーザーから支持されている。任意のギアに変更できるステップトロニックを駆使しながら、軽快に回るエンジンとシャープなハンドリングを存分に楽しむことができるのだ。また、BMWが持つ都会的で若々しいイメージは女性が乗っても素敵。奥様用のセカンドカーとして購入されるケースも少なくない。
　装備類もプレミアムハッチの名に恥じない内容で、オートエアコンやレインセンサーなどを標準装備。バイキセノンヘッドライト、PDC、クルーズコントロール、シートヒーターなどはオプションとなる。カーゴルームは全面がファブリック処理されており、リアシートは２対１の分割可倒式。荷物が多くなっても、アレンジが可能となっている。
　初代1シリーズは登場から9年が経過していることもあり、中古車の流通量は豊富にある。その中で注目したいのは、ベーシックな116iである。流通量が多く、100万円以下の物件も探せることと装備類がシンプルであることがポイント。
　現在中古車として流通している116iの平均走行距離は5万㎞であり、走行7万㎞を超えたあたりから価格はグッと安くなる。整備履歴などを確認して、きっちりとメンテナンスされてきたクルマかどうかを見極めることが重要だ。
　ここではハッチバックに注目したが、そのほかにもクーペとカブリオレも用意しておりそれぞれに個性的な味わいを持つ。ちなみに、日本でのハッチバックは5ドアのみで展開しているが、本国には3ドア（Ｅ81）もある。( GERMAN CARS 2014年9月号より抜粋 )

 

■お勧めグレードは?

116i

ベーシックな116iは中古車の流通量が豊富にある。多走行車は割安で、100万円以下で購入できるクルマが多い。