日頃からワックスなどで
外気を遮断しておくことが大切
メッキやアルマイトも、塗装と同じように内側の素材の保護と外観の化粧という二つの意味を持っている。塗装では出せない光沢が実現できるので、ドアモールやフロントグリルなど、デザインの要になる部分に使われることが多い。
さて同じ目的で使われる両者だが、モノ自体はまったく違う製法でできている。まずメッキは、金属の表面に別の金属の被膜を電気的に密着させている。上質な光沢が求められるクルマの場合は、まず下地にニッケル被膜を作り、その上にクロームの被膜を重ねる。ニッケルはクロームの密着性を良くするために施される。いきなり母材にクローム被膜をといかないところが、電気的な特性を使ったメッキの難しいところであり、当然、コストもかさむ。 一方のアルマイトは、アルミの表面に酸化被膜を形成させたもので、アルミの耐腐食性を20倍くらいに向上させる。色づけは、アルマイト被膜の表面の凹凸に染料を浸透させるというタトゥーのような方法で行なわれている。
どちらも専用のコンパウンドで表面の酸化物や汚れを落とすのが手入れの常套手段だが、特にアルマイトは被膜の層がメッキほど強くない。日頃からワックスなどで外気を遮断しておくことが大切だ。