ダウンサインジングエンジンが主流になっている近年のドイツ車。直噴ターボを積むモデルが増えている中で、高価なターボチャージャーのトラブルも発生している。そんな時に頼りになるのが、ターボリビルドを専門とするTTS(ターボテクノサービス)である。
熟練のスタッフによる丁寧な作業で
信頼性の高いリビルド品を提供している
近年、ドイツ車では直噴エンジンにターボを搭載するのが主流。BMWにおいても、ターボエンジンを搭載したモデルがラインナップされている。E90型3シリーズの335iやE87型1シリーズの135iなどがそうだ。
そのターボチャージャーのリビルドを手掛けているのが、ターボテクノサービス。広い敷地にある工場では多くのスタッフが在籍しており、日々ターボチャージャーの再生を行なっている。輸入車や国産車だけではなく、バスやトラックまでクルマのターボチャージャーなら何でもお任せなのがターボテクノサービスの強みだ。
BMWにもトラブルの発生事例がある。例えばターボチャージャーを新品に交換すると約40万円で、ツインターボの場合はその倍になるからその出費は大きくなる。だが、ターボテクノサービスのリビルド品を使えば約半額で済んでしまうのだから、これを使わない手はない。
ターボテクノサービスはターボチャージャーのリビルドを専門に行なっており、独自のノウハウも持っている。その高い技術力によってオリジナルの対策品まで開発しているのだ。また、メーカーと同じテスターを導入するなど、高品質なリビルト品を作り上げる設備も整っている。
ターボテクノサービスでは工程別に作業が分担されていて、それぞれの担当者が責任を持って作業を進める。実際に工場を見学した時に驚いたのが、ほとんどが手作業であること。入庫してきたターボチャージャーを検品しトラブルの原因を調査。損傷させないように丁寧に分解し、洗浄工程では薬剤やサンドブラスターを使って仕上げていく。こうして構成部品のひとつひとつを再生させていくのである。
テスターなどの設備も充実。インペラと呼ばれる羽の部分とシャフトからなる回転ローターが規定のバランスで回っているかを調べるテスターは、サイズに合わせて設置。バランスが悪いものについては熟練のスタッフが手作業で加工して調整するなど非常に手間がかかっているのだ。こうした技術や設備によって高品質なターボチャージャーに仕上げているのである。
ターボチャージャーのトラブル原因として多いのは、インペラ部分とシャフト。可動部分だけに走行距離が延びてくると消耗してしまうのだろう。ターボメーカーとの太いパイプを持つターボテクノサービスではこうした消耗品を入手できるが、インペラについては独自の対策パーツを開発。素材にも徹底的にこだわり、鋳造アルミより強度の高い、鍛造アルミ素材から削り出したインペラを作り上げている。さらにシャフトの軸受け部分にも独自の加工を施すなど、高い技術によって新品同等のターボチャージャーに再生しているのだ。
BMWではオイル管理が悪いクルマや走行距離が延びてくると、トラブルが発生することがある。335iには三菱製のターボチャージャーが搭載されているが、もちろんこれもリビルドできる。
ターボテクノサービスに在庫があればリビルド品を先に出してくれるから、すぐに修理に着手できるのがメリット。リビルド品を先出ししてくれるのは修理期間の短縮にも繋がるので、ユーザーにとっても、修理工場にとっても嬉しい配慮と言える。在庫がない場合は、現物修理となるため先にコアを送り、完成したリビルド品を戻すというのが基本的な流れとなっている。
BMWの335iや135iには直噴タイプのターボエンジンを搭載。小型のツインターボを低圧で使うことによって、レスポンスに優れ豊かなトルクと省燃費を実現する。ターボチャージャー本体がエキマニと溶接されて一体となるタービンは、BMW独自のノウハウが詰まっている。