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Mercedes-Benz 1995年式E220ワゴン(S124)
セダンよりもカジュアルに乗り回せるワゴンモデル
ヤングクラシック世代のメルセデスの中で、今なお根強い人気を誇るのがW124シリーズ。500E/E500は別格の存在としてその価値を高めているが、ワゴンモデルも人気を集めている。ワゴンモデルの中古車相場は、500E/E500を除く標準のセダンモデルよりも上がっており、クラシカルなスタイルと実用性から、比較的若い世代のオーナーが多いのも特徴だ。ワゴンは通称「S124」と呼ばれ、セダンのW124と差別化されている。
S124は、第2世代に入ったメルセデスのワゴンモデル。大きな特長は、テールゲートを確実にロックするためのクロージングサポート機能が備わったこと。初代ではディーゼルモデルだけだったエンジンのバリエーションも拡大され、ごく一部の愛好家から一般的な存在へと幅広いユーザー層を獲得した。当時は中古での並行輸入が大量に行なわれていたほど、高い人気を誇ったモデルだ。セダンの生産終了後も96年まで生産され、この最終モデルは現在も人気が高い。
今回取材したのは95年式のE220T。人気のブリリアントシルバーのカラーでオリジナルを維持した1台。本国では2ℓのE200からラインナップされていたW124シリーズだが、日本仕様ではE220がベーシックグレードとなる。94年以降の後期型だけ見れば、人気の中心はE320やE280といった直6モデルだが、中古車とすて俄然魅力を増しているのが、直4モデル。4気筒だからパワーが足りないのでは? と思うかもしれないが、ATが1速発進ということもあって、決して出足は悪くない。トルク不足をギアリングで補っているということなのだが、それでも不満のない走り出しをみせる。
また、6気筒エンジンよりもフロントが軽いことも魅力のひとつ。実用車なのでスポーツカーのようなハンドリングとまではいかないが、実に素直にクルマの向きを変えてくれる。これにはやはりW124シリーズに共通するシャシー性能の高さも大きく影響しているといえる。
取材したE220Tは走行12万㎞。コンディションは抜群で、E220らしい走りを楽しめる。取材時に聞いた話では、W124専門店アイディングで長く面倒を見てきた車両とのこと。これまでの整備記録が残っているからメンテナンスの計画を立てるにも役立つ。
ボディやバンパーに目立つようなキズはなく満足できるコンディション。塗装の劣化も少なく、カジュアルに乗り回すにはちょうどいい。インテリアは往年のメルセデスらしいシンプルなもので、エアコン、パワステ、パワーウインドーなどの基本的な快適装備は揃っているから普段使いで困ることはない。S124らしい絶品のシートはヘタリもなく、今すぐにでもロングドライブに出かけたくなってしまう。4気筒というとパワー不足というイメージがつきまとうが、そんな先入観よりも、よっぼど走るし、面白いクルマだと思う。現在では程度の良い個体が減ってきているので、探している人はぜひ実車をチェックしてほしい。
直線的なボディラインで実用性を重視したパッケージング
ヤングクラシックモデルの魅力となるのがデザイン。エクステリアはシンプルな直線ラインで構成され、どこから見ても飽きのこない端正なルックスを持つ。ワゴンモデルの場合、斜め方向から見たリアスタイルに惚れ込むユーザーが多い。今回取材したE200TはDOHCの直列4気筒を搭載。自然吸気型ならではのシャープな吹け上がりを持ち、日常的な使い方において申し分のないパワーを備えている。エンジンの回転フィールを楽しみながらカジュアルに乗り回せるワゴンである。
【U-CAR DATA】1995年E220T
●検2年付き ●走行12万km ●ブリリアントシルバー ●フル装備 ●ファブリックシート
●エアバッグ ●サンルーフ ●整備記録簿17枚 ●価格:238万円
車両の問い合わせ:アイディング
所在地:神奈川県横浜市都筑区早渕2-1-38
TEL:045-590-0707