ZFの高い技術によって開発されたトランスミッションは、世界中の自動車メーカーに採用されている。2013年には世界初の9速ATをリリース、さらにポルシェ911向けの世界初の7速MTなど、ZFの進化は止まることはなく業界をリードし続けている。
BMWなどの8速AT専用
ATFキットをリリース
会社創立当初のZFは、飛行船と飛行機用のギアを生産する歯車工場としてスタート。それから自動車産業へと進出し、現在では多くの自動車メーカーに純正部品を供給するサプライヤーとして自動車産業の発展に寄与している。その高い技術は世界中の自動車メーカーから支持されており、ドイツ車はもちろん、世界中の自動車メーカーがZFのトランスミッションを採用。日本でもZFと言えばトランスミッションメーカーというイメージが強い。だが、アフターマーケット向けの補修部品の分野においてもZFは圧倒的な存在となっているのだ。代表的なブランドでは足回りパーツに強いレムフォーダー、ショックアブソーバやクラッチの技術を持つザックス、そして近年、ZFグループに仲間入りしたのがTRWである。詳細については以下で紹介するので、ここで本家ZFブランドとして展開しているATFキットについて解説しよう。これは、BMWなどの8速AT用の専用オイルで、オイルパンとセットになったもの。BMWではオイルパンとフィルターが一体構造になっているので、ATFと同時に交換するのがセオリー。そう考えると、ATFとフィルターがセットになったこのキットは非常に使いやすい。しかもこの8速用は専用オイルなので、元々の設計にマッチしている。トランスミッションメーカーが推奨するATFを使って、きっちりとメンテナンスしておきたい。
ドイツ車ではBMWなどに搭載されている8速AT。最先端の技術によってスムーズな変速と高い燃費性能を両立している。メンテナンスにおいても専用のATFを使うようにしたい。
ZFは1915年に飛行船と飛行機用の歯車工場としてスタート。1925年のベルリンモーターショーでは乗用車及び商用車用のトランスミッションを発表する。その後、自動車メーカーとの関係を深めていき、現在では世界中の自動車メーカーにトランスミッションを供給するメガサプライヤーとなった。
ATの頭脳であるバルブボディにスラッジなどが蓄積するとトラブルの原因になる。そのためATFは定期的に交換する必要があるのだ。8速ATは最先端の技術が投入されているミッションだけに、使用するオイルにもこだわりたい。
ZFグループ
ブランドラインナップ
自動車に関わるメガサプライヤーであるZFが展開する代表的な補修部品ブランドが、TRW、レムフォーダー、ザックス。それぞれの特徴についてここでは解説していきたい。上記のATFなどは本家ZFブランドとしてラインナップされている。
TRW
(ティーアールダブリュー)
ブレーキ関連の消耗パーツを中心に展開
ブレーキシステムや横滑り防止装置などを得意とするブランドで、ブレーキパッドやサスペンションパーツなどの消耗品も扱っている。近年のトレンドである自動運転の技術もZF TRWによるもの。カメラやレーダーを使った高度な技術によって周囲の交通状況を正確に認識するなど自動車の未来において欠かせない技術を持つ。
ブレーキシステムや横滑り防止装置などを得意とするブランドで、ブレーキパッドやサスペンションパーツなどの消耗品も扱っている。近年のトレンドである自動運転の技
LEMFÖRDER
(レムフォーダー)
サスアームや
ゴムブッシュに強いOEMブランド
1984年にZFグループの一員となったレムフォーダー。日本での認知度が高く、多くの部品商社や部品販売店が取り扱っていることからも信頼性の高いブランドだと言える。自動車メーカーに純正部品を供給するOEMメーカーであり、足回りのアームやゴムブッシュ類を中心に豊富なラインナップを持っている。
経過年数や走行距離が増えてくると劣化が目立ってくるのが足回りで、近年はアームとブッシュ、ボールジョイントが一体となっている部品が多いため、OEMを使うメリットは大きい。
SACHS
(ザックス)
新車開発のノウハウを
補修用にもフィードバック
ドイツ車乗りの間で有名なザックスはショックアブソーバーなどの足回りパーツが得意で、クラッチなども扱っている。ザックスは自動車メーカーに純正品を供給するサプライヤーであり、高い技術を持つメーカーである。そのため補修用のショックアブソーバーのラインナップは豊富で、ユーザーからの注目度が高い。
厳格な品質管理の元で生産されているザックスのショックアブソーバー。長年に渡り自動車メーカーが求める高い基準をクリアしてきた実績は、補修用のショックやクラッチにも生かされている。